25話
夢小説設定
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「あの謁見の日すぐにでもやって来られるかと思ってましたが、予想よりも遅かったですね―――紅炎兄様」
重々しく開いた扉の向こうに紅炎兄様と紅明兄様、それと彼らの眷属が数人訪れていた。
私ごときにこんな上の連中を集めなくてもいいのに。そんな警戒しなくても逃げないわよ。
紅覇兄様も一緒に来るかと踏んでいたけど、二人揃ってるのに紅覇兄様だけいないのを考えるに、もしかしたらどこかに侵攻する予定でその準備をしている可能性があるわね。あとで張遼に探らせるか。
「さあ皆様、遠慮なさらずにお入りになって。兄様達に比べれば粗末な部屋ですけどどうか寛いでください。
ああそうだ、最近とても綺麗な工芸茶が手に入ったのですよ。燕順、人数分そのお茶を入れてちょうだい」
「紅胤。私達は貴女とお茶会をしに来たわけではありません」
「ちゃあんとわかってますよ?その上で落ち着いて話そうと言っているのですわ」
もちろん燕順に用意するよう指示した工芸茶は普通のものではない。この茶を飲めば玉艶が監視の為に誰かしらに付けているであろうルフを一時的に退ける効果が出るよう私が細工した。
私は他の金属器使いと同じく、普段はルフを見ることは出来ないとからこそ、この場にいる全員に飲んでもらわなければ話を進めることは出来ない。こちらの手札を教えてやるのはごめんだもの。
全員に茶を飲むように勧めたが、眷属のヤツらが主と同じく席に着いて茶を飲むなど出来ないと渋りやがる。だからそれを飲まないと始められないんだよ、クソ共が。
一番手近にいた李青秀の髪を鷲掴み無理矢理口に茶を流し込む。涙目になってようが知ったことか。
「飲め、つってんだろ。これと同じように無理矢理飲まされたいのか」
そこまで言えば今見た光景に口元を引き攣らせながらそれぞれが出された茶を口にする。一部が飲むフリをしていたが睨み付ければバツが悪そうに飲み干していた。
一人一人が飲み切っていることを確認して、やっと本題に移れそうだ。
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