21話
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紅覇兄様がマグノシュタッドに降伏勧告をするため、紅明兄様は政のために戦線から離れたが、残った私達は更に西へと行軍を続けていた。
あの後燕青や張遼を呼びたて一応戦闘面での問題はない。戦闘面では。
いやもう、普通に無理。周りはむさ苦しい男ばっかりだし。服は着替えてもすぐに汚れるし。軍議には参加しないといけないし。
休みをよこせよ!こちとらいくら金属器を使えるって言っても生身の状態だとか弱い姫だぞ!?
そんなうんざりした心境で参加していた軍議の時にその報せは届いた。
「父様が崩御…?」
ガシャンとお茶の入った陶器の器が手から滑り落ち割れた。全身の血の気が引く。視界が歪み床へと崩れ落ちる。陶器の欠片で指を切ったが痛みがしない。誰かに名前を呼ばれたのを最後に意識が途絶えた。
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次に目を覚ますと私は煌帝国の自室にいた。ああ、臣下の前で倒れてしまうなんてなさけない。
あれからどれほど経ったのだろうか。すぐに帰れる距離ではなかったし、一日以上は経過しているだろうな。こんな所でのんきに寝ている暇はない。すぐに動かなければ。
「姫様!目を覚まされましたか…!」
手ぬぐいと水桶を持った燕順が部屋に入ってきた。
「今の状況は」
「…恐れながら姫様は目覚められたばかりです。もう少し身体を休められなくては、」
「命令よ」
「……かしこまりました。
現在、姫様は紅炎皇子と共に煌帝国まで戻り、他の姉君様方も他国から帰還されております。あと数時間ほどで紅覇皇子も帰国されるそうです」
おそらく謁見は全員が揃ってからすぐ。つまりあと数時間しか余裕はないということだわ。
「私が倒れてからどれほど経ったの」
「二日ほどです。医者からは慣れない行軍の疲れが出てしまったのだろうと」
「そう。随分寝てしまったのね。
…湯浴みの準備を。身を清めるわ。お父様への謁見にふさわしく飾ってちょうだい。私が、折れないように」
「仰せのままに」
私には優先順位がある。一番は家族。次に煌帝国。
その二つを守るために”この力”だって手に入れたのに。悪態を吐こうが、嫌悪を覚えようが大切なことに変わりはない。口ではどんなに貶してもその二つのために尽力してきた。
なのに、どうして。
信じたくない。信じたくない。信じたくない。お父様が亡くなっただなんて。
良い父親だと思ったことはない。むしろクズだと思っていた。
それでも確かに血の繋がった父親だから。家族は私にとって何より尊いものだから。
「姫様。紅覇皇子が帰還いたしましたが、今日はもう遅いため明日になるそうです」
「…わかったわ」
何を見ても心を強く持たなくては。揺らいではいけない。
弱い私は”ミシャンドラ”に
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