20話
夢小説設定
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「紅胤、今回はご苦労だった」
「ありがたきお言葉ですわ、紅炎兄様」
右手で左の拳を包み、拝礼を行う。
今は今回の戦争に勝ったことによる祝宴の最中だ。宴では無礼講だと言われはしたが、そこまでハメを外せるわけもない。
周りには三人の兄様達とジュダルしかいない。他の者達は少し離れた場所で飲み食いしている。
紅炎兄様が食事に手をつけたことだし、私も早速食べようと目の前の食事に目を向ける。たくさんあるから迷うな。あ、葡萄酒がある。
葡萄酒を見つけたことをジュダルが目敏く気付き横から諌められる。
「お前は絶対ェ飲むなよ」
「……わかってるわよ」
ジュダルがこう言うのにも理由がある。
なんでも前に酒盛りした時、私に酷い目にあわされたらしい。三つ編みの先を5cmくらい切られたとか、服を剥ぎ取られたとか。まあ一切覚えてないけど。
てか別にそこまでネチネチ言われることでもなくない?5cm程度切ったところでアンタの髪十分長いし、服だって上は元々布面積少ないじゃない。…でももし下だったならさすがに申し訳ないと思うわ。
「え〜なになに。紅胤お前飲めないのぉ?」
弱点を見つけたとでも言いたげに面白がって紅覇兄様が絡んでくる。うぜえ。
「飲めますけどぉ?ジュダルがやかましいだけですぅ」
心外だ。私は飲めないわけではない、ただ酒を口にした後から次の日の朝起きるまでの記憶がなくなるだけだ。
「ふ〜ん。まあジュダルくんが怒りそうだし果実水で我慢しとけば」
そう言って紅覇兄様から甘い匂いのする盃を渡される。断るわけにもいかないのでグビグビと中身を一気に呷る。
「あ、紅胤待ちなさい!それは、」
さっぱりとした果物の味と、喉を焼く感覚。紅明兄様の焦った声がしたんだけど、どうかしたのだろうか。
というか、あれ、もしかしてだけど、これ…おさ、け―――
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