17話
夢小説設定
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「ねえ、ジュダル。一ついいかしら」
「なんだよ」
「アンタどこに向かってるわけ?」
「?、紅炎のいる征西軍の拠点だろ。ちょっと呼ばれてから日にち経っちまってるけど」
「はあ!?聞いてないわよ!煌帝国に帰るって言うから普通は皇城に帰ると思うじゃないの!」
通りで見覚えがない場所だなーとか思うわけだわ。軍事基地が見えるなーとかなったわけだわ。というか遅刻するくらいならシンドリアに寄るなよ。
何より!兄様に用があるなら先に言っときなさいよ。どう考えても私場違いじゃないの。
「…燕順は基地の端に降ろしてちょうだい」
「しかし姫様、」
「アンタは何も気にせず私のお茶の用意でもしといて」
「…かしこまりました」
ジュダルは私の言葉通り基地の人気の少ない所に燕順を降ろすと、私と共に謁見の間へと向かっている。
「あ〜〜、遅いじゃ〜〜ん。ジュダルく〜〜ん…」
うげ、紅覇兄様。せめて紅炎兄様に会うまでは他の兄達には会いたくなかったわ。
私にあまり興味を示していないのが幸いね。
少しでも紅覇兄様から見えないようジュダルの影に隠れていたら、前から紅明兄様が現れた。あー…これはもう誤魔化せない。
ジュダルから遅刻のお詫びとしてアバレヤリイカの燻製を受け取った紅明兄様の瞳がこちらへ向けられる。
「神官殿。なぜ紅胤を?いくら貴方が気に入っていると言ってもこのような場所に連れて来てもらってら困ります」
ですよねー。わかるわかる。誰でもそんな反応して当たり前だわ。
私もね?別に来たくてこんな場所に来たわけじゃないの。説明されてたら絶対に船で帰ってたから。
「何度も説明すんの面倒だから紅炎のとこ行ったら言うからさっさと行こうぜ!
――お前らの兄王様が待ってんだろ?」
謁見の間に訪れてシンドリアへ宣戦布告したことを伝えると紅明兄様がとても狼狽えている。この驚きようからするとジュダルの独断だったみたいだ。つまりお父様は別に私を見捨てたわけじゃない。
……それならそうとハッキリ言えよ、このクソが!適当に誤魔化しやがって、どれだけ私が不安だったと思ってんだ…!この野郎、実は内心楽しんでやがったな!?まじ殺す。この場から離れたら絶対殺す!
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