15話
夢小説設定
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私は、シンドリアに滞在する間、これ以上荒波を立てるつもりはなかった。罪人だって見逃したし、兄様の迷宮攻略に関してもシンドバッド王へ苦言を呈していない。
我慢したのよ?すっごく我慢したのに、アンタのせいで台無しの予感しかしないわよ――ジュダル!!
シンドリアの上空からジュダルのルフを感じる。私は魔法使いじゃないからルフを直接見ることは出来ないけど、アイツのルフはどろりと粘着質でそれでいてどこか無邪気で、まあとにかく故意に隠していなければ分かりやすい。
今回は隠すつもりはなさそうだわ。ただシンドリアは結界に覆われているから場所の把握までは難しい。勘弁してよね、もう。
しばらく様子見してたら案の定やらかしてくれたわ、あのバカ。
挑発的なことばかり言って、私達がここにいるのを理解しているのかしら?
「ちょっとぉ、何好き勝手言ってんのよ。留学中のこっちの身にもなりなさい」
「紅胤?」
「にしてもジュダル。アンタ泣き真似ヘッタクソね。あんなのじゃ甘く見てもせいぜい20点くらいしかあげられないわ」
「お前は少し離れた程度じゃ相変わらずだなァ」
「はあ?意味わかんない。
というか宣戦布告とかどういうつもりよ。私達がこの国にいるのにそんなことするなんて、人質にしてくださいって言ってるようなものじゃない。
お父様は私達を、私を…見捨てたの?」
「?さあ?そこまで聞いてねえし。親父どもがうるせえから俺が言いに来ただけだ」
「………一番大事なことを聞いときなさいよ、このポンコツ!」
「ああ!?」
有り得ない!バカ!アホ!ボケ!
それじゃ皇帝陛下の意図がわからないじゃない。何を思ってその決断をしたのか。本当に私達を捨て駒にしたのか。
煌帝国は私を捨てたのかしら。もしそれが事実ならショックだけれど、それより先に首謀者諸共ぶち殺す…!私を見限ったことを死ぬ直前まで後悔させてやるわ!
「で、紅胤。お前はどうすんだよ」
「どうって何がよ。今私をこんな島国に見捨てようとした"誰か"を最っ高に無残に殺すシュミレーションをしてて忙しいんだけど」
「ハッ、そうだよなァ。お前はそうじゃないとつまんねえ!
煌に帰んなら一緒に連れて帰ってやるよ。戻ってどういうつもりか聞けばいいだろ」
「絨毯は嫌いなんだけど」
「じゃあ船でも用意するか?」
船…。また数日間船に揺られる…。よし、絨毯で我慢しよう。
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