13話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
先日、啖呵を切ってみたものの普通に死ぬ。完全に――船酔いだ。
だって船なんて滅多に乗らないもの!馬車の揺れがダイレクトに来る感じと違って、ユラユラゆっくりと三半規管を蝕まれてる感覚がするのよ…!うぉえ。
しかし腐っても一国の皇女。吐くなんて真似は私のプライドが許さない。
そしてその船酔いを増長してくれるのが、紅玉姉様。
負のオーラが漂いまくりで事情を聞いてもシンドバッド、コロス…とかしか帰って来ない。ただでさえ体調が悪いのに、横で永遠とブツブツ言われてそれに気を遣ってたら一向に治らないわ。
おかげでこの留学唯一の楽しみである白龍兄様の料理もまともに喉を通らないし。
ジュダルへの苛立ちで勢い余って付いてきたけど失敗だった気がして否めない。
燕順曰くあと少しで到着するらしいからそれまでの我慢ね。
やっとシンドリアに着いたと思ったら何なのこの茶番。
シンドバッド様が煌帝国に訪れた際に姉様へ蛮行をした?そんなの護衛の兵が見逃すワケないじゃない。アンタらどんだけ自国の警備がザルだと思ってんのよ。
だけどもし、もしもそれが事実だとしたら…護衛もグルね。言わずもがな、処刑対象だわ。
「夏黄文、だったかしら」
「ヒッ、あ…紅胤様…」
ヒッ、て何よ。まさか今まで私の存在を忘れていたとでも?
「今の話、事実なら大変ね。国際問題に発展してしまうわ。
でもその話は、この場で言う必要があったのかしら?
貴方が姉様を思って他国の王を糾弾しているのであれば見上げた忠誠心ね。しかしそれと同時に女性への配慮がなってないわ。辱めを受けたことを大衆の面前で広められることの意味を理解していないの?」
「そ、それは」
「待って紅胤ちゃん!夏黄文は私のことを思って代わりに言ってくれただけなの!」
「…そうですか。姉様がいいならそれで構わないのですよ」
例え姉様とシンドバッド様がヤッた事実があろうと無かろうと犯人はもうわかったわけだし。
1/3ページ