10話
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胡散臭い糞野郎はやっと昨日帰ったらしい。
ちなみに初日以外はずっと避けて会わないようにしていた。だって面倒じゃん。
今日はお姉様の様子がおかしいという噂を聞いて、公務の後に部屋に向かっている最中だ。
なんなの、あの姉。最近情緒不安定すぎない?
お姉様の部屋に行く途中にある中庭を通ると誰かが稽古をしている声がする。この声はおそらく――ああ、やっぱり白龍兄様だ。
白龍兄様のことは多くいる兄姉の中でも特に気に入っている。
理由としては、白龍兄様の作る料理は何でも美味しいからと、料理が美味しいからと、料理が美味しいからだ。つまりは餌付けされてしまっている。
だって料理人に作らせるより兄様の方が美味しいんだもん。
まあ、それを差し引いても弱っちいとこが好きだ。武力的な意味ではなく、中身が。
成長の止まった子供のようで、私でも簡単に踏み荒らして潰せそうな所がとても良いと思う。
真っ直ぐに見せかけてつついたら簡単に堕ちてしまいそうで不安定な兄様、好感度が爆上がりだね、うん。
性格が悪い?そんなこと自覚済だわ。
「白龍兄様!」
名前を呼びながら笑みを浮かべ小走りで近付く。
この小走りというのがポイントだ。もし従者がいたらはしたないと窘められるけれど、お会い出来て嬉しいというのをアピールしなくてはならないからね。
笑顔も外交向けのものではなく無邪気に笑ってみせている。この甘ちゃん兄様は私をアル・サーメンとは何一つ関わりなく知りもしないと思ってるから、望むように見せてあげないと。
本音を言うならアル・サーメンなんてとっくに前から知っているし、どう利用してやろうかと考えてもいる。
しかし白龍兄様同様、紅炎兄様もアル・サーメンを良く思っていないことから、今のとこ切り捨てるのが案としては一番有力だ。
あと紅炎兄様はその感情を隠してるようだけど、猫被りに関しては誰にも引けを取らないこの私にかかればその程度の嘘見破れない筈もない。
まあ私に不利益がなければあの集団がどうなろうと構わないわ。ついでに玉艶のババアも。
あの辺の繋がりに興味はないし、勝手にすればいいと思う。ただ、この国を崩しそうになったら私のグータラライフの為に徹底的にぶっ潰す予定はあるけど、そうならないことを祈りましょうか。
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