1粒
名前変換
本棚全体の夢小説設定いらっしゃいませ。
こちらは夢小説となっております。
お好きな名前でお楽しみください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
数日後は割とすぐに訪れた。
私が次に、放課後の担当をする日だ。
その日は三日前の雨と違い、秋晴れで綺麗な夕日が差し込んで図書室を赤く染め上げていた。
誰も図書室に居ないで、暇をもてあまして窓を開けた。
少しばかり冷えた風が私の髪をさらっていく。
夕日が目に差し込んできて、嗚呼、なんだろ。
今なら行ける気が。
「いけないな」
不意に後ろから声をかけられて、肩がはねる。
この声は知っている。
振り返ると思っていたとおりの人物が扉のすぐ傍に立っていた。
「柳先輩」
「今日は冷える。あまり開けっ放しにしておくのはよくない」
「…そうですね」
窓を閉めようと私が手を伸ばすよりも先に、白くて長い指が私の横を通りカラカラッ窓を閉めた。
様子を伺おうと、少し後ろを向くと、思ったより柳先輩が近くて驚く。
驚いて少し距離をとろうとしたとき、柳先輩の匂いが鼻腔をくすぐり、なんだかちょっと恥ずかしくなった。
…すごく良い匂いがした。
「換気か?」
「え?ああ、はい。そうです」
窓を開けていた理由を聞かれたのか。
急接近に気をとられて、反応が遅れた。
そして、意味も無く嘘をついてしまった。
本当は意味なんてない。
「そうか。 嘘はよくないな」
声にはじかれたように顔を上げるが夕日を背にしているせいで先輩の顔が見えない。
先輩からは私の表情が見えているはず。
私は今どんな顔をしているだろう。