ー茄陳の町ー



『ここが町… 三蔵、お買い物したいの…だから一瞬だけでいいから、カード貸してくれないかな…すぐ返すから』

私は手を合わせてお願いした。

三「何を買うんだ？」
『えっ、えーとねっ…』

男性相手に生理用品が買いたいなんていえない…
でも三蔵は早く言えとばかりに、私をじっと見つめてくる。

『お、女の子の必需品アイテムを…』
三「おい、はっきり言えねぇのか」
『うぅ…』

私は助けを求めるように八戒を見た。
そしたら感のいい八戒は気がついてくれたようだ。

八「女の子には色々あるんですよ。桜花の服も買わないとですし。迷子になってはいけないので、僕が一緒についていきますね」

大丈夫ですよ。あれを買うときは店の前でまっているので、とボソッと付け加えて。

空「俺も行くっ」
浄「んや、俺らは先に宿屋探してくる。行こうぜ悟空、三蔵」

悟浄、フォロー助かるよ

浄「…あのチンピラ片してからな」

ふと辺りを見渡してみると女の子がチンピラに絡まれていた。


“ガン”


悟浄はチンピラの頭を踏み潰した。
チンピラの鼻から鼻血が出てる…
痛そう…

浄「この辺に宿屋ねェか？宿屋」
『ついでに薬局と服屋さんもないかな？』
「ーは？」

女の子はポカンと、こちらを見ていた。

そりゃそうだよね、いきなり得体の知れないやつが湧いて出てきたんだもん。
きっと私も同じ反応をする。

「ンだ、てめェら！？邪魔しようってンなら……」

チンピラ2がナイフを構えて始めた。


“ゴ。”


悟空はその言葉を無視し、思いっきりチンピラ2を殴り倒した。

わー、めっちゃ血が出てるよ…
悟空は手加減って言葉を知らないな？
…いや手加減してるから、まだコイツ生きてるのか。

三「ーおい悟空！悟浄！桜花！あんまり派手な行動をするなっつっただろ！？」
八「僕らも十分目立ってますよ三蔵」
『私はお店の場所聞いただけだよ』

私まで怒られるなんて…

空「俺ら旅してンだ、メシの美味い宿屋教えてよ」
八「駐車場完備だと嬉しいんですが」
「そ、それなら、ウチが…後薬局は、ここを真っ直ぐ行ったところに一件と、服屋さんは薬局を右に曲がった所にあります」
『ありがと』

私と八戒はこれから買い出しがあるので、八戒は店の場所を少女から聞いた。
そして三蔵、悟空、悟浄は先に宿屋に、八戒は私と一緒に買い出しに行った。







『八戒、つき合わせちゃってゴメンね』
八「このくらい大丈夫ですよ、後は服ですね。私服で寝るわけにはいかないでしょう？」
『それは言えてる』



『このキャミソールと、この短パンでいいかな』
八「女の子はあんまり露出度が高い服着てはダメですよ？」
『寝にくいからイヤだ〜』

八戒は何かを考えてるようだった。

八「仕方ないですね…その服装であんまり外をウロウロしたらダメですよ？」
『？？？はーい』

確かに、この格好で外は出ないけど、家の中では普通だったんだけどなぁ