「そうだ！自己紹介まだだったよな？俺は悟空、孫 悟空！よろしくなっ」

悟空の笑顔が凄く綺麗でまるで太陽みたいだと思った。

「俺は沙 悟浄、かわいー子は大歓迎よんv」

悟浄は桜花の頭を優しく撫でようとして手を挙げた瞬間、ふと桜花は本能的に殴られると思い目を瞑って身を固くした。

「別に何もしねーよ」

悟浄は再度桜花の頭を、わしゃわしゃと撫でた。

人に初めて頭を撫でてもらったかも…

「僕は猪 八戒です。八戒と呼んでください。」
八戒はにっこりと微笑んだ。
この人が1番常識人そう…

「玄奘 三蔵だ、早くジープに乗らないと置いて行くぞ？」

うーん、この人は…
なんか取っ付きにくそ…

『えっ待って！月守 桜花です！これからよろしくお願いします』

悟空がにっこり笑って桜花の手を取った。
「よろしくな、桜花！早く行こうぜっ」
『うん！』

なんか調子狂うなぁ。
私に笑顔を向けたり、頭を撫でてくれる人なんていなかったから…

「さぁお姫様。こちらへどーぞ。」

悟浄は左端を開けた。

「何言ってんだ！エロ河童、それじゃぁ桜花があぶねーだろ！？」

悟空は悟浄を押し右端を開けた。

『それじゃぁ私が真ん中に行くよ』

悟空と悟浄に端によってもらい真ん中に座った。

「悟浄に変な事されたら、すぐ言えよな！」
『ありがと、悟空』
「お前らねぇ…んで桜花ちゃんはフリー？」
『へ？』
「変な事聞いてんじゃねぇクソガッパ！」

すぱぁぁぁんといい音が鳴った。

『そのハリセン何処から出したの！？』
「企業秘密だ」
「うるさくてすみません。いつもこんな感じのもので…」
『楽しくていいと思うよ？』
「それなら良かったです。そろそろ出発しますよ」

八戒はエンジンをふかした。
走行中八戒から、経文の事、負の波動や、蘇生実験の事。そして悟空、悟浄、八戒が妖怪である事を聞いた。
悟浄に、俺らの事が怖いか？と聞かれたが、初めて自分に優しくしてもらった人達を怖いだなんて思わなかった。

「次は、桜花の世界について聞きたい！なんか美味いもんある？」
「結局メシかよ！」

すかさず悟浄のツッコミが入る。

『うーん。食にはあんまり興味が無くて、いつもコンビニ弁当だったからなぁ』
「健康上よろしくないですね…」
『そうだね、私がいた世界は此処よりは平和だったかな…他の国では人間同士が戦争して殺し合いとかしてたけど、でも私がいた日本はとっても平和だった。人殺したのも、さっきが初めてだったからねー』

その一言で周りの空気が固まった。
「マジで？」
『うん、マジで』
「あの目はそうとは見えませんでしたけどね…」
『私さ、向こうの世界で結構辛い目あっててさ。その時気がついたんだ、辛いと思ったこと全てを受け入れようって。そしたらね、何されても笑えるようになった。だから今回の事も受け入れたの、こうゆうものなんだってね。ごめんね、こんな暗い話して』
「いえ、桜花も色々大変だったんですね…」

4人はこれ以上桜花の事について、これ以上聞いてはいけない気がした。