札使い
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浄「…あーあ ひと雨来るな こりゃあ」
空「宿か何かに着くまで間に合うかな」
『うーん、無理じゃない?』
カッパでも買っておけばよかった…
三「賭けるか? 無理な方に千円」
浄「俺も」
空「オレもっ」
『私も!』
八「…賭けになってませんって…」
そんな事を話していたら、悟空がいきなり大人しくなり、 難しい顔をしていた。
浄「ーどうした悟空?腹でも減ったか」
空「ん なんかさっきから変なニオイがする…」
『えっ 全然わかんない… 悟空すごい』
悟空は聴覚も嗅覚も凄くて…
なんだろ…
野生児って感じかな。
悪口じゃないよ、一応褒めてます。
因みに私の匂いは、なんか甘い感じって言ってた。
自分の匂いはわかんないけど、加齢臭とか言われなくてよかったよ…
そんな事言われたら一生立ち直れない。
八「⁉︎ ちょっと… 皆 あれを…‼︎」
八戒はジープを急停車させた。
浄「ーおい 何だよコレ…」
『悟空が言ってた匂いってコレだったんだね…』
妖怪の死体に沢山のお札がくっついていた。
流石にここまで来ればわかる。
焼き焦げたような、でもなんか違うような、臭くはないけど凄く不愉快なニオイ。
でも、ここで立ち止まっても仕方がないので再びジープを走らせる。
雨も降ってきうだしね。
ザァァ
八「…やっぱり、あと一歩間に合いませんでしたね」
宿にはありつけたものの、あとちょいって所で激しい雨が降ってきた。
宿についてから雷も鳴り悟空は「光った光った」と窓から外を楽しそうに見ている。
そして私は…
『雷いやぁぁぁ』
部屋の端っこで丸くなっている。
空「桜花雷嫌いなのか?」
悟空は窓から離れ私の所へ。
『うん… 昔は稲妻見てるの好きで悟空みたいに光ったー!ってはしゃいでたんだけど、私が小学生のときに雷が小学校のプールに落ちてね…。 凄い音がしたんだ、鼓膜が破れるかって程に… まぁそれはまだ良かった。 その後あろうことに停電したんだ…! しかも夜‼︎ 部屋の中真っ暗だよ! もう怖くて怖くて… 停電したらどうしよ… また真っ暗だよ』
思い出すだけで怖い。
真っ暗と狭いところはダメなんだ。
昔っから。
浄「そーいや部屋の明かりを全部消すと慌ててたな」
空「なんで、そんなに怖いんだ?」
悟空がそっと抱きしめ、 頭を撫でてくれた。
『上手く説明出来ないけど、真っ暗と狭いところはダメなの… 私は昔から霊感が強くて、皆には見えないものとか、霊力が高い猫や、木と話す事が出来て… 家族や学校の人とかに気持ち悪い子ってずっと言われてて。 家の中でちょっとでも不振な行動を取ると、殴られて、物置小屋の中に放り込まれたんだ。 ごめんなさいって何度も泣きながら言っても許してくれなくて真っ暗で狭いところから中々出してくれなくて。 何度も何度もごめんなさい。 いい子にするから助けて、ここから出してって言ってるのに…!』
あの映像が頭の中で鮮明に蘇ってくる。
逃げ場の無い闇。
怖い怖い怖い怖い。
それしかもう考えられない。
途中からもう何を話してるか、わかんなきなってる。
身体中の震えが止まらない。
空「もう大丈夫だから…! ここには俺らがいるじゃん! この前言っただろ? 桜花は俺が守るって」
『うん、でも鮮明に蘇ってくるんだ。 悟空の言葉はすっごく嬉しかった。 でもどうしてもダメな物はあるんだよ』
三「くだらんな」
三蔵はそう吐き捨て、読んでいた新聞紙を畳み、煙草を灰皿の上に置く。
三「おい、悟空。 そいつを甘やかすのもやめろ」
空「そんな言い方ないじゃんかっ!」
『ううん、三蔵の言う通りだよ。皆はびっくりしすぎるくらい私に優しすぎるよ…』
私は人の暖かさなんて知らなかった。
此処は確かに一歩間違えば死に直結する危ない世界だけど私が諦めていたものを沢山くれる。
三「チッ… お前は俺らを、そいつらと一緒だと思っているのか?」
『そんな事ない! 私は皆がいてくれたから人を信じられるようになったんだ。 やっと本当の自分を出せるようになったし、ちゃんと笑えるようになった…!』
その時ちょっとだけ、ほんの一瞬だけど三蔵が笑ったように見えた。
三「なら、もう怯える必要はねぇな。 俺は野宿しているとき夜中に、じーさんや、ばーさん。たまに子供に話をしている事を知っていた。ただ害はなさそうだから放っておいたが」
八「あぁ、この前深夜だと言うのに、桜花はずっとお婆さんの話を聞いてましたね」
空「そーいや、小さい子を成仏させてたよな」
浄「お、おい なんだよ… それ…」
悟浄の顔がどんどん青ざめていく。
八「あぁ、悟浄はダメですもんね。 心霊系の話」
浄「んやぁ、べっつにぃ」
ただ悟浄の声は裏返っていた。
三「俺は職業柄… まぁ見えて当然だな。 八戒と桜花は素質だろう。 悟空は野生の感だな。 河童は見えてねぇみたいだけどな」
『皆知ってたの?』
八「勿論です。 ただ猫や木とまで話せるとは知りませんでしたが」
『気持ち悪いって思わない?』
浄「そんな事で気持ち悪いなんて思わねーよ。 ただ桜花。 なんかに出会ったら絶対言え!」
『えっ、あ、うん…』
悟浄怖がりだったんだ…
三「わかったなら…サル。いい加減離れろ!」
空「あ、ワリ」
すっかり忘れていた。
悟空に抱きしめられていたことを。
しかも今の悟空は服が雨でびしょ濡れになってしまっていたこともあり、上の服だけ脱いでしまっていた。
顔がどんどん真っ赤になり、熱を帯びていく。
赤い顔を隠すためにさっきとは違う意味で丸くなる。
浄「あら、やだ三蔵様。 子猿ちゃんに嫉妬?」
三「死ね!クソ河童‼︎」
三蔵は悟浄に向けて銃を乱射。
三「こんなに濡れてる猿が桜花にくっついてたら、桜花が風邪ひくだろーが」
八「髪の毛ビショビショじゃないですか… ほら悟空、ちゃんと乾かさないと駄目ですよ」
八戒はタオルを持ってきて悟空の頭をわしゃわしゃと拭く。
皆の事がどんどん好きになっていく。
やっと心から信じられる大切な人に出会えた。
きっと彼らと一緒なら私は何処まででも歩いていける。
そんな気がしたんだ。
空「宿か何かに着くまで間に合うかな」
『うーん、無理じゃない?』
カッパでも買っておけばよかった…
三「賭けるか? 無理な方に千円」
浄「俺も」
空「オレもっ」
『私も!』
八「…賭けになってませんって…」
そんな事を話していたら、悟空がいきなり大人しくなり、 難しい顔をしていた。
浄「ーどうした悟空?腹でも減ったか」
空「ん なんかさっきから変なニオイがする…」
『えっ 全然わかんない… 悟空すごい』
悟空は聴覚も嗅覚も凄くて…
なんだろ…
野生児って感じかな。
悪口じゃないよ、一応褒めてます。
因みに私の匂いは、なんか甘い感じって言ってた。
自分の匂いはわかんないけど、加齢臭とか言われなくてよかったよ…
そんな事言われたら一生立ち直れない。
八「⁉︎ ちょっと… 皆 あれを…‼︎」
八戒はジープを急停車させた。
浄「ーおい 何だよコレ…」
『悟空が言ってた匂いってコレだったんだね…』
妖怪の死体に沢山のお札がくっついていた。
流石にここまで来ればわかる。
焼き焦げたような、でもなんか違うような、臭くはないけど凄く不愉快なニオイ。
でも、ここで立ち止まっても仕方がないので再びジープを走らせる。
雨も降ってきうだしね。
ザァァ
八「…やっぱり、あと一歩間に合いませんでしたね」
宿にはありつけたものの、あとちょいって所で激しい雨が降ってきた。
宿についてから雷も鳴り悟空は「光った光った」と窓から外を楽しそうに見ている。
そして私は…
『雷いやぁぁぁ』
部屋の端っこで丸くなっている。
空「桜花雷嫌いなのか?」
悟空は窓から離れ私の所へ。
『うん… 昔は稲妻見てるの好きで悟空みたいに光ったー!ってはしゃいでたんだけど、私が小学生のときに雷が小学校のプールに落ちてね…。 凄い音がしたんだ、鼓膜が破れるかって程に… まぁそれはまだ良かった。 その後あろうことに停電したんだ…! しかも夜‼︎ 部屋の中真っ暗だよ! もう怖くて怖くて… 停電したらどうしよ… また真っ暗だよ』
思い出すだけで怖い。
真っ暗と狭いところはダメなんだ。
昔っから。
浄「そーいや部屋の明かりを全部消すと慌ててたな」
空「なんで、そんなに怖いんだ?」
悟空がそっと抱きしめ、 頭を撫でてくれた。
『上手く説明出来ないけど、真っ暗と狭いところはダメなの… 私は昔から霊感が強くて、皆には見えないものとか、霊力が高い猫や、木と話す事が出来て… 家族や学校の人とかに気持ち悪い子ってずっと言われてて。 家の中でちょっとでも不振な行動を取ると、殴られて、物置小屋の中に放り込まれたんだ。 ごめんなさいって何度も泣きながら言っても許してくれなくて真っ暗で狭いところから中々出してくれなくて。 何度も何度もごめんなさい。 いい子にするから助けて、ここから出してって言ってるのに…!』
あの映像が頭の中で鮮明に蘇ってくる。
逃げ場の無い闇。
怖い怖い怖い怖い。
それしかもう考えられない。
途中からもう何を話してるか、わかんなきなってる。
身体中の震えが止まらない。
空「もう大丈夫だから…! ここには俺らがいるじゃん! この前言っただろ? 桜花は俺が守るって」
『うん、でも鮮明に蘇ってくるんだ。 悟空の言葉はすっごく嬉しかった。 でもどうしてもダメな物はあるんだよ』
三「くだらんな」
三蔵はそう吐き捨て、読んでいた新聞紙を畳み、煙草を灰皿の上に置く。
三「おい、悟空。 そいつを甘やかすのもやめろ」
空「そんな言い方ないじゃんかっ!」
『ううん、三蔵の言う通りだよ。皆はびっくりしすぎるくらい私に優しすぎるよ…』
私は人の暖かさなんて知らなかった。
此処は確かに一歩間違えば死に直結する危ない世界だけど私が諦めていたものを沢山くれる。
三「チッ… お前は俺らを、そいつらと一緒だと思っているのか?」
『そんな事ない! 私は皆がいてくれたから人を信じられるようになったんだ。 やっと本当の自分を出せるようになったし、ちゃんと笑えるようになった…!』
その時ちょっとだけ、ほんの一瞬だけど三蔵が笑ったように見えた。
三「なら、もう怯える必要はねぇな。 俺は野宿しているとき夜中に、じーさんや、ばーさん。たまに子供に話をしている事を知っていた。ただ害はなさそうだから放っておいたが」
八「あぁ、この前深夜だと言うのに、桜花はずっとお婆さんの話を聞いてましたね」
空「そーいや、小さい子を成仏させてたよな」
浄「お、おい なんだよ… それ…」
悟浄の顔がどんどん青ざめていく。
八「あぁ、悟浄はダメですもんね。 心霊系の話」
浄「んやぁ、べっつにぃ」
ただ悟浄の声は裏返っていた。
三「俺は職業柄… まぁ見えて当然だな。 八戒と桜花は素質だろう。 悟空は野生の感だな。 河童は見えてねぇみたいだけどな」
『皆知ってたの?』
八「勿論です。 ただ猫や木とまで話せるとは知りませんでしたが」
『気持ち悪いって思わない?』
浄「そんな事で気持ち悪いなんて思わねーよ。 ただ桜花。 なんかに出会ったら絶対言え!」
『えっ、あ、うん…』
悟浄怖がりだったんだ…
三「わかったなら…サル。いい加減離れろ!」
空「あ、ワリ」
すっかり忘れていた。
悟空に抱きしめられていたことを。
しかも今の悟空は服が雨でびしょ濡れになってしまっていたこともあり、上の服だけ脱いでしまっていた。
顔がどんどん真っ赤になり、熱を帯びていく。
赤い顔を隠すためにさっきとは違う意味で丸くなる。
浄「あら、やだ三蔵様。 子猿ちゃんに嫉妬?」
三「死ね!クソ河童‼︎」
三蔵は悟浄に向けて銃を乱射。
三「こんなに濡れてる猿が桜花にくっついてたら、桜花が風邪ひくだろーが」
八「髪の毛ビショビショじゃないですか… ほら悟空、ちゃんと乾かさないと駄目ですよ」
八戒はタオルを持ってきて悟空の頭をわしゃわしゃと拭く。
皆の事がどんどん好きになっていく。
やっと心から信じられる大切な人に出会えた。
きっと彼らと一緒なら私は何処まででも歩いていける。
そんな気がしたんだ。