願いを叶えてみて



「ヒョンどうしてここに…!」

ヨンボクがここにいるはずのない人がいるのか理解ができない様子でバンチャンに詰めた。

「こっちの台詞なんだけど」

チャンビンの部屋を出てからエントランスを越えた所でバンチャンを待っていた5人。

「どうしてっていうと…それは…」

ゴニョゴニョと口籠るヨンボクにため息をつくバンチャン。

「ジョンインから呼び出された事と関係が?」

ヨンボクの後にいた4人をぐるりと見渡してからスンミンとジョンインを見た。

「お疲れ様です」

スンミンが一礼をした。

「お久しぶりですー」

ジョンインがニコニコ笑う。

「今年も留年?さすがに今年は俺も庇えないぞ、もう何回目になると…」

説教が始まりそうになるのを止めたのはリノだった。

「取り込み中申し訳ないんだけど、誰?」

バンチャンに対して心当たりが無い。
リノ達が見えても一切動揺しないところからこちら側の関係者だというところまではわかった。
それにヨンボクをはじめスンミン、ジョンインの態度から知り合いである事までは理解できた。

「僕の兄だよ。長男、次男」

バンチャンを指差し、自分を指差したヨンボクの説明に「なるほど」と頷く。

「そして僕らの上司の息子さん」

ジョンインが説明を加えるとハンが「と、おっしゃいますと?」と聞き返す。

「閻魔様の息子さん達です。長男のバンチャンさんと次男のイヨンボクさん。名字が違うのはヨンボクの母上が未婚の母だからです」

「ええぇっ!閻魔様の息子さん!?99回留年してるこの子が!?」

ハンが目を見開いてヨンボクを2度見3度見した。

「今年で卒業だから!」

ヨンボクがムキになって言い返すとバンチャンが意外、と目を見開いた。

「…卒業…なの?」

「さっき課題の提出がありまして…なんとか間に合いました」

ジョンインが満足そうに頷きながら言った。

「おめでとう!てっきり今年も駄目で、呼び出されたのかと」

ヨンボクにハグをしながらジョンインに尋ねた。

「さっきまでそのつもりだったのですが、丁度良い課題があったもので。すみません、今年もお世話になろうかと思いましたがキャンセルです」

めでたしです!
ジョンインが言うと「どちらにしてもお祝いしに行かなくては。父上も大喜びだ」と機嫌よくしていた。

「それはそうと、何故あの部屋に集まっていたの?それにあの青年はフェレットでは?」

あの部屋は後輩の部屋で、何故5人が集まっていて、何故フェレットが人間になっているのか経緯を聞いた。




「……という訳でありまして、居場所だけは先程把握できた次第です」

スンミンの説明にお祝いモードのバンチャンの表情が一気に曇り始める。

「父上に報告は?」

「まだです、こちらで処理しようかと。先程まで留年問題もありましたし、これ以上刺激する訳にはいかないかと思っていまして…」

少し考えたバンチャンが「俺のところでまず止め置いて。時間を少し貰える?」

これからフェレットに交渉する予定だったが、今のところは取りやめになった。
一旦自分達の世界に帰る事にした。


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