願いを叶えてみて



飼い犬を抱えてチャンビンの自宅を訪ねるとチャンビンが取り込み中だった…

そんな事より軽くパニックをお越しそうな状況に一瞬時が止まった。
まずはベランダに見覚えがある3人と2人がこちらを見て驚いている。
そしてそのうちの1人は自分の弟。
更にチャンビンに乗り上げているのは少し前にポテチの筒から引き抜いたはずのフェレットが人間に化けている。


どういう事だ!?

「ヒョン!これは違うくて…!」

チャンビンが慌てた様子で弁解しようとしたが、男が男と馴れ合っているのはこの際些細なことでしか無い。
何故あの5人がここにいるのか、何故フェレットが人間になっているのか。

「あ、うん…合コンいらなかったよね」

「違う!これは…親戚の子です!今預かってて…!」

「あ…そうなんだ、びっくりしたー」

バンチャンは騙されたふりをしてその場をおさめた。
靴を脱いで愛犬ベリーをフローリングに放つ。
途端に尻尾を振りながらチャンビンの元に走り寄っていき、犬に怯えたジニはチャンビンに抱きついた。

「ひええっ!!」

「いだだ!大丈夫だから!苦しい!苦しい!」

必死にジニを引き離す。
うっかり絞め殺されるところだった…

「久しぶり〜、ベリー、元気にしてた?」

ベリーを抱き上げると、隣でビクビクしながら不満そうに唇を尖らせるジニ。

「明日から急用で、ごめんな」

「大丈夫っすよ、ベリーも慣れてるんで」

「いや…隣の彼が怖がってるっていうか…」

バンチャンがジニをちらりと見た。
ベリーを見つめながら顔が引きつっているジニ。

「大丈夫、大丈夫だから、この子は噛まないし悪さもしない」

「うん、うちの子は訓練にも出してるからお利口だよ」

にっこりとバンチャンが微笑むと少し警戒を解いたジニが「ほんと…?」とチラチラベリーを見た。
疑いながらも少しずつ落ち着いていくジニ。
確かにこちらを見ながらも楽しそうに笑っている犬に敵意は無いように感じた。

「明日いっぱい預かって明後日迎えにくる感じですか?」

「うん、できるだけ早く戻るようにするから、よろしく頼んだよ」

両手を合わせてゴメンね!と改めて言うといそいそと玄関を出ていった。

「ヒョン…この犬可愛いね」

「お、慣れた?」

ジニは可愛いと言いながらも遠巻きにしているけれど。
ベリーもジニの様子を察して近づこうとはしない。

「うん、可愛い。毛並みが艶々で幸せそうな犬だなぁ」

「ヒョンが大事にして愛してるからね」

チャンビンがワシワシとベリーの頭を撫でる。
ジニがほっこり笑うとベリーが近づいたから勇気を出して背中を撫でた。

「愛されたら幸せな犬になるのねー」

ベリーが気持ちよさそうに目を閉じた。


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