願いを叶えてみて
流れ星に願いを叶える力があるのか…
流れ星なんてよくわからないけど、数ある星の何かだと思う。
新しいご主人にはケージやおもちゃを準備してもらい、ようやくペット人生を謳歌し始めたところだ。
前の所は怖すぎて逃げてきた。
ようやく落ち着いてきたら人が食べているものが凄く美味しそうにみえてきた。
ラーメンとやらは凄くいい匂いがするし、果物とやらも瑞々しくみえて食べてみたい。
毎日の主食であるペレットも美味しくはあるけど興味は湧くじゃん?
でも新しい飼い主は「体に悪いから駄目」の一点張りで絶対に食べさせてはくれなかった。
だからいつかは食べてみたいと思ってる。
そんな流れ星の話を聞いた日の明け方、いつものようになんとなく窓越しに空をみていた時の事だ。
窓の外に人影が映って、それがすり抜けて部屋の中に入ってきた。
フェレットとはいえ、それがおかしな事であるのはわかったから俺は怖くなってケージの角にまるまった。
逃げ場なんてないし。
『ハロー』
綺麗な顔の光り輝く人間が身体を屈めて俺に挨拶をしてきた。
見た目に反して低い声にびっくりした。
『君、人の食べ物を食べてみたいの?』
ニコニコしながら俺に聞くから頷いた。
悪い人には見えなかったんだよね。
『俺、学生なんだけど願い叶えさせてもらってもいい?単位がヤバくて留年しちゃいそうなんだよね』
留年とはなんなのかわからないけれど、人の食べ物を食べられるようになるなら大歓迎かも。
『ついでに寝てるあの人の願いも叶えたら単位が2倍で助かるんだよね、お願いしてもいいかな?』
断る理由もないから頷いた。
そしたら…… 俺の身体が発光してケージが弾けて気がついたら俺の身体が大きくなって、人間の形になっていた。
現実の事かと手をまじまじと見ていたらご主人と目が合った。
互いにびっくりしてたけど、絶対に俺の方がびっくりした自信がある。
だってフェレットから人間だぜ!
こんな事、ご主人に説明してもなかなか信じて貰えないし捨てられるかと思った。
最後は一応信じて貰えたけど。
さて、せっかく人間になった事だし人間の食べ物食べたい!
