君が好き




ヒョンジンが無事回復したのは3日後の事でいつものステージが戻ってきた。
そしてバラエティでは皆積極的に盛大にケミった。
アイエンの思惑通り、ステイ達の目を分散させるのに成功したし幾多ものサービスショットをプレゼントできた。

「ほんとはベタベタするの嫌いなのに!」

発案者のアイエンが1番嫌がってはいるが。 これも仕事と思えば…。

そんな様子を「不憫な子だなぁ…」とスンミンは思った。



「俺達も堂々としてられるわー」

「黙れ、クオッカ」

様々なケミを隠れ蓑にリノにちょっかいをかけるハンジソン。

「そんな事言わないで俺達もケミろうよ」

「ふん…っ」

ハンの視線がリノの真顔な横顔に刺さる。
時間の経過と共に緩んだリノの表情に同じく緩んだハン。

「抱くぞ、このやろ」

リノが聞こえないくらいの小さな声で囁く。

「おも…おももぉ…」

こんな所で何を言うの、と少し焦ったハン。

そう、実は誰にも人知れず密かに愛を育んでいたカップルがここにいたりする。
さすがプロアイドル。
今の今まで隠し通してきたのはさすがリノ。

男同士で付き合っているからこそ、チャンビン達の事を理解できている。
メンバーにすら言い出せない関係だけれど、匂わせのつもりはなくても普通のカップルみたいにしたいという気持ちはわかる。

でもこの職業を選んだ時点でそういう事は出来ないと覚悟していたし、それはハンジソンも同じだった。

「ヒョンジナ、尻大丈夫かな?」

「3日もありゃ治るだろ。その辺ハニの方がわかるだろ」

「いやぁ…そゆこと無かったからわからないや」

初めてのあの日を思い出したハンが「わかんね」といった表情でリノにふった。

「それは俺がとぉっても優しくしたから」

普段から照れ隠しか毒を吐くリノは実際のところ気遣い出来るし優しい。
それがパートナーとなると…より尽くしてくれるのだろう。

「はは…」

引きつった笑いの向こう側でチャンビンとヒョンジンが密かに見つめ合って幸せそうに笑っていたのに誰も気づかなかったらしい。

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