君が好き
「いっ………でっ!」
気持ちよく眠っていたヒョンジンは顔面に突然の痛みを感じて起きざるをえなかった。
何が顔面を襲ったのかを確認するために両手で探った。
「……っ」
両手で顔面からそれをどけるとまじまじとチャンビンを睨みつける。
顔面を襲ったものは丸太のように太いチャンビンの腕で、当の本人はすやすやと安らかに眠りについていた。
まだ夜明け前に不条理に起こされたヒョンジンはイラッとしながらも仕方がないと苛立ちを飲み込む。
そもそもチャンビンと一緒に寝ようと誘ったのは自分。
原因は自分にもある。
そう思えば気もおさまる。
二度寝を決め込もうと布団をかぶってモゾモゾしていたけれど、完全に目が覚めてしまったらしく入眠とはいかなかった。
仕方なく暗闇の中スマホを見たり、寝転がりながら軽く体を伸ばしてみたりもして時間が経過するのを待った。
ようやく部屋が薄暗くなってきて起床時間が近づいてきたのを感じる。
暇潰しにチャンビンの頬を指で指してみたり、唇を指で摘まんで伸ばしてみたり。
それでも起きる気配がないチャンビンの顎をこちょこちょしてみたりしてみる。
「ぜんっぜん、起きねぇな」
どのくらいいじくり回したら起きるのか試したくなったヒョンジンはチャンビンの服の袖から手を入れて腹をさすった。
まだまだ起きる気配が無いから本格的に遊ぼうと思ってチャンビンの横に胡座をかきながら臍に指を突っこんでみたり、腹や胸の上を人差し指と中指でトコトコ歩いてみたり暇人を謳歌していた。
それでも全く反応が無い様子に飽きてきたヒョンジンは諦めてリビングでゆっくりしようかと思った時だった。
これは……!
ふと目に入ったのはチャンビンの股間。
男の生理現象でもっこりしていたのを発見した。
寮生活をしていると他メンバーの生理現象を目撃することはあったし、自分も目撃されているだろう。
当たり前の事だから誰も追求しないし、見て見ぬふりだ。
暇人のヒョンジンは思った。
そういや、他人のってどうなってんだろなー…
基本布越しでしか見たことが無いからちょっと見てみたくなったというか。
変な意味じゃなく、興味本位で…。
▷見て見ぬふりをして去る
▷すっきり納得する為に確認する
この2択がコマンドとして現れ、悩んだ。
さすがに中身を確認するのはやり過ぎだ。
いやいや、こんなに何をしても寝入っているのだから、そっと確認してそっと戻せばバレないよ。
心の中で天使と悪魔が話し合いをしていた。
否定派の天使と肯定派の悪魔が互いの主張を繰り返していて…
『こんなに触って起きないんだから大丈夫!』
という悪魔からの太鼓判で決心をしたヒョンジンはそっとチャンビンのズボンと下着を一緒に下ろし始めた。
ドキドキとワクワクで心臓がバクバクしていたけどヒョンジンの目はウキウキとキラキラで輝いていた。
こんなに上手くいくものかとちょっと大胆になって多少強引にズボンと下着を下げたらチャンビンのチャンビンがひょこっと顔を出した。
あー、こんな感じか。
自分のとそう変わらな……
興味が満たされてふとチャンビンの顔を確認したら真顔でヒョンジンを見ていた。
「…はっ…!」
えっとこれは!
上手いこと言い訳が出来ずパニックになるヒョンジン。
やってる事はそれ以上でもなく、それ以下でもなく。
慌ててズボンと下着を定位置に引き上げてなかった事に。
リビングに慌てて逃げ出そうとしたヒョンジン。
お願いだからこのまま二度寝してヒョンの夢オチだった事に……!
ヒョンジンの思い届かず。
「ヒョンジナー…」
ベッドからいつもより低音が聞こえてきてギクリとした。
詰んだ!
