君が好き
「アイドル文化に付随するもう1つの文化。それはビーエルと百合なんだけれども」
「ビーエル?ゆり?」
「要するに同性のメンバー同士がイチャイチャしている様子を見て楽しむ文化、ってところ」
アイエンの説明にスンミンが「あぁ…ネットでよく見るやつか」と思い当たったようだった。
要するにファンが気に入ったメンバーを引っ付けて妄想を楽しむやつだ。
「そんで森に隠すってどういう繋がりが?」
リノの疑問は解消されない。
アイエン以外はみな同じだろう。
「チャンビニヒョン達が目立たなくなればいいんでしょ?なら俺達も公式で仲良さげにしとけばチャンビニヒョン達はさほど悪目立ちしなくて済むかと」
「なるほど、全員が対の状態で仲良くしてりゃ誰も2人を気に留めないってことかー。しかも万遍なく入れ替わり立ち替わる事でメンバー同士の交際の発覚を排除。イエニ、かしこっ」
森って俺達の事かー。
ハンが小さく拍手をしながら感心していた。
「内々でイチャイチャしまくってるグループって気持ち悪くないか?」
リノは想像してゾッとした。
ガタイが良い男達がいちゃつきすぎるグループ。
無理だわ…
「ヒョン、オネエになれって言ってるんじゃないんですよ。適度に仲良く程度で充分満足できますよ、物好きなファン達は」
例えば不意に手と手が触れる…
嬉しい事があれば肩を組んだり手を繋ぐ…
それだけで妄想逞しいファンにはご馳走なはず。
それが通常になれば多少チャンビニヒョン達が怪しい雰囲気を出し始めても麻痺してる。
「うちのマンネ、戦略たてられんの素晴らしい」
ハンが再び拍手を送る。
自己プロデュース型グループだから、事務所の許可はいらないはず。
「万が一のリスク管理ができるようになってきただけです。ケミの量産、どうですか?」
ほら、うちのパクジニョンさん、野郎は基本放置だから自分達でどうにかしないといけないんで。
女子なら手取り足取り面倒みてもらえるんだけどねー、とアイエンが小さくため息をついた。
