君が好き




今日は家族設定で小芝居をするバラエティーの撮影だ。
パフォーマンスが好きだが台本に沿いながらもふざけても良いノリの仕事も好きだ。
色んなケミが発生する収録だが、今回は俺、ヒョンジナの息子役。

ヒョンジナの女装が楽しみすぎてヒョンジナのメイクや衣装が終わるのを待った。

そして現れたのは髪をアップにしたヒョンジナ。

くうっ!こ、高貴!

メイクはしているけど、いつものステージの方がよっぽど濃いからナチュラルメイクに近くて自然な美しさ。
脚ががに股なのは仕方が無い。
そこまで求めるまい。
カメラの前でポロリしなけりゃ、それでいい。

ヒョンジナは若干ナルシスト入っているから自信満々に微笑んでいる。

ドラマに出て来る金持ちの家の奥様みたい。

「どう?」

「すげー綺麗」

「だろ」

その後しばらくして収録が始まって、いつも通りにふざけてステイに喜んでもらえるような内容を心がけた。
みんな楽しみにしてくれているだろうから、早く公開したいなと思う。

収録が終わって、ふざけていた余韻のままに控え室に向かう。
毎回楽しい収録だから仕事が終わってもしばらく引きずる事が多い。

「忖度無しで俺の方が綺麗じゃね?」

「いやいや、ガタイ良すぎて女らしくなかったけど。チャンビナ、どう思う?」

リノがチャンビンに話を振ってきた。
目の前には女装のヒョンジンとリノ。
どちらが綺麗かと言われると、どちらも綺麗だと答えるしかなく。
気持ち的にはヒョンジンに加勢したいところだが、リノの目力の圧も無視できない。

「リノヒョンは可愛くて、ヒョンジナは綺麗」 甲乙つけてはいけない。

それぞれ個性があって良いよね。

「聞いた?俺の方が綺麗だってよ」

「あん?俺だって可愛いんだよ。焼くぞ」

「2人ともやめて。マジでどっちもいい感じだから」

本気でやりあっている訳では無くて、暇潰しのコミュニケーションなのはわかるけど、しばらく続きそうなのラリーを断ち切った。
この2人が組むと大体ヒョンジナがリノヒョンにやられて終了する。
ちょっかい出しているのがヒョンジナで毎回返り討ちに合っているのに、いまだ繰り返しているのは仲が良いからだ。

「ヒョンジナ、一緒にトイレいこー」

「んー」

ヒョンジナを誘い出して部屋から脱出する。
ベタベタは勿論出来ないからあくまでもメンバー同士の絡み合い程度にしながらトイレに向かう。

部屋からトイレまでの短距離でもヒョンジナは楽しそうに音符を身にまとっている。
トイレに着いて中を見回して誰もいないのを確認してからヒョンジナを個室に引きずり込んだ。

「ヒョン!」

個室にヒョンジナを押し込んで俺も入って鍵を閉めたら当たり前に狭い。
個室は1人で入る前提だから当然だ。

「しっ…!」

俺は人差し指を唇の前に立てて静かにするように促した。
ヒョンジナはすぐに理解をして静かになった。

「めっちゃ綺麗」

小声でコソッと話すとヒョンジナは嬉しそうに照れて笑った。

「普段のヒョンジナもいいけど、女装も似合ってて惚れ直した」

照れのあまり俺の胸板をバシバシと叩きながら満更でもない様子のヒョンジナ。

イチャイチャタイム、楽しすぎる!

褒められて素直に喜んでくれるなんて、こっちも感想の言い甲斐がある。

いけそうだと思ってヒョンジナの頬を両手の平で包み込むとヒョンジナはキョトンとした表情でこっちを見たから、そのままヒョンジナにキスをした。
大人しくしているヒョンジナの下唇をあむあむと甘噛みしていると、ヒョンジナの目が閉じて抵抗も無かったから受け入れられたはずだ。
上唇も吸って、それから唇を割って舌を入れた。

「ん…っ」

一瞬ヒョンジナがたじろいだけれど、かまわず続けた。
ヒョンジナの舌に舌を絡めて堪能していると、ヒョンジナが膝から崩れ落ちそうになり壁に手をついた。

「…っ」

1度唇を離してヒョンジナを便座の蓋に座らせてから再開。

「ヒョ、ヒョン…っ」

色っぽい表情のヒョンジナを押し倒したいのを我慢して再び口づけした。
ここが家だったら一線を超えてたかも。

ヒョンジナの背中を左手で支え、右手で後頭部を支えた。
夢中でヒョンジナとキスをしていたらヒョンジナも俺の背中に腕を回して抱き付いてきた。

「…っヒョン、こんなところで」

「しょうがないだろ、したくなったんだから」

これ以上はしてはいけないとブレーキをかけた。
場所が場所なだけに欲がこれ以上爆発しないようにしなければ。
ヒョンジナが甘えて頬を俺の肩にすり寄せてじっと俺を見る。
そして俺の頬や首に触れるだけのキスをしてくる。

あ、もう無理だ。

ヒョンジナを振りほどいて個室から脱出する。
そして隣の個室に入った。

「ヒョーン?」

「大丈夫!先戻っといて!処理してから戻る」

健全な成人男性だから下半身が苦しくて1人で処理する事にした。

あいつは大丈夫なんだろうか。

できる事なら今すぐ抱きたかった…。

ヒョンジナになら襲われてもいいかな…なんて思っていたけれど前言撤回。
どっちかというと組み敷いてヒョンジナの様子を見ていたい。


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