君が好き



「ぶはっ!……は……?」

盛大に鼻と口からコーヒーを垂れ流しながら目を見開いた男。
いかにも放心状態でアホヅラでよろしい。

「だからさ、好きなんだよね。お前の事」

アホヅラのそいつはさらに口をあんぐりとあけ、さらなるアホな顔をした。
普通にしてりゃ美形なのにこういう残念な所が俺は好きだ。
仕事が早めに終わってまったり時間。
外じゃカラスがカァカァ鳴きながら今夜の寝床を目指している。
外からの夕日が差している自然光の中、目の前で鼻や口から流れ出たコーヒーを手の甲で拭っているのはヒョンジン。
舞台に立てばメイクも相成って妖艶な演出をするこいつは人前に出ない時はただ可愛いやつ。

「ヒョン…俺、自分より腕が太い人とは付き合えない…」

「じゃあ筋トレ辞めたら付き合えるんか?」

これ以上見開けないくらい見開いた目で俺を穴が空くほど見たヒョンジナ。
わなわなと唇を震わせながら


「お、オトコノコとはさすがに…」


急に片言になるヒョンジナにキュンとしつつもこれ以上詰めるのも可哀想になり俺はヒョンジナの肩を叩いて「返事はまだ先でいいから」と言い残して部屋を出た。



その日の夜、他のメンバーやマネージャーが集まり新宿舎への引っ越しと部屋割りが発表された。


「チャンビン、ヒョンジン、同室な」


マネージャーが言った瞬間ヒョンジュンが「んがっ!」と聞いたことがない声を上げて白目を剥いた。

「どうしたヒョンジナ!」
「ヒョン!どうした!」

メンバーにゆっさゆっさ肩を揺さぶられるヒョンジナの口から魂が抜け出ているのが目に見えるようだ。
それすら可愛く思えるのは病気かな。

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