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「…佐原奈々絵を十番隊第三席に任ずるものとする。」
松本副隊長から任命状を受け取る。
あの日、日番谷隊長に稽古をつけてもらって以来、
葛城くんとも日番谷隊長ともほぼ会うことはなく、
ただがむしゃらに鍛錬を重ねた。
葛城くんは最初のうちはちょくちょく会いに来てくれてたけど、
私が席官になるまでは他のことを考えれないと伝え、
葛城くん自身も席官になれるよう精進すると言ってからは会いに来なくなった。
数年経ち、ようやく…ようやく念願だった三席になれた。
これからは日番谷隊長の役に立てるようにさらに精進していこう。
「奈々絵〜っ!おめでとうっ!!」
がばっと抱きついてお祝いの言葉をくれた松本副隊長。
「松本副隊長、ありがとうございます。」
「これで隊長の心配事も少しは減るわねー!」
「え?」
「あ、こっちの話だから気にしないで。
それにしても、数年で三席になれるとは大したもんね!」
「いえ、皆さんのお力のおかげですから。」
「でも、努力をし続けたのはあんたなんだから!そんな子が部下で誇らしいわ〜!」
「ありがとうございます。」
「で、どうするの?」
「どう、とは?」
「ようやく、隊長に近づけたんだから、告白とか」
「しないです!!私は、本当に、ただ日番谷隊長のお役に立てれば、それだけで良いので…」
「…奈々絵は頑固ねぇ。じゃあ、葛城と付き合うの?」
「……まだ、分かりません…」
「え!?その反応は可能性あるってこと!?ちょっとお姉さんに詳しく聞かせなさい!!」
「いや、えっと…数年前に好きだって言われて…
好きになってもらえるよう頑張るからまだ返事はしないでくれって…」
「あいつ、なかなかやるわね…」
「もう時間も経ってますし、向こうの気持ちが変わってる可能性もありますけど…
もし、変わってなかったら…私はどうしたら良いのか分からなくて…」
「…奈々絵としてはどうしたいの?」
「私は…ずっと友達としか思ってなくて…
でも、ずっと私の傍で支えてくれた葛城くんの気持ちも
無碍にするのも嫌なので…真剣に考えてみようと思います。」
「そう。あたしは奈々絵が後悔しないならそれで良いわ!しっかり悩みなさい!!」
「ありがとうございます!」
「で、さっそくなんだけどね、あたし、ちょーっと用事があるから、
あたしの代わりに執務室で仕事しててくれない?」
「え?それなら、書類だけいただいて自室でやりますよ⁇」
「あたしが戻ってくるまででいいから!ね!!お願い!」
「わ、かりました…」
執務室には日番谷隊長もいるんだよなぁ…
…うーん、まあ、挨拶も兼ねて行くしかないか…
「失礼します。十番隊佐原奈々絵です。」
「入れ。何か用事か?」
「あ、えっと…これからは三席としてより一層日番谷隊長の
お役に立てるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします。」
「あぁ。」
「それと…松本副隊長から手紙を預かってきました。」
「松本から?………あのやろーっ…」
日番谷隊長は松本副隊長からの手紙を読むとぐしゃっと握りしめて拳を震わせていた。
「えっと、松本副隊長が戻られるまでは私が代わりにお仕事やりますので、何かあれば仰ってください。」
「……すまねぇが、よろしく頼む。」
「はいっ!」
まさか、いきなり仕事を頼まれるとは思ってなかったけど、
日番谷隊長のお役に立てるなら、頑張るしかない!
「………」
筆を動かす音だけが響く。
ちらりと日番谷隊長のほうを見る。
綺麗な銀髪、翡翠色の瞳。
やっぱりいつ見てもカッコいいなぁ…
「…佐原。」
「っ…はい!」
やばい、日番谷隊長見てたのバレたのかな…
「少し休憩するか。」
「あ、はい。ではお茶淹れてきますね!」
良かった、バレてなかったみたいだ。
私は日番谷隊長の机に置いてあった湯呑みを取り、新しいお茶を入れに行く。
「どうぞ。」
「あぁ、ありがとう。」
ソファに座って待っていた日番谷隊長の前に湯呑みを置き、
私は遠慮がちに少し離れた場所に座る。
「やっと、言っていた三席になれたな。」
「…はい、ようやく日番谷隊長のお役に立てそうです!」
「…なぁ。」
「はい?」
じっと日番谷隊長に見つめられる。
静寂な時が流れて、私の心臓の音が聞こえてしまうんじゃないか
というくらいドキドキしてしまう。
「…その、だな」
「たいちょー!戻りましたー!!」
日番谷隊長が何か言いかけた瞬間、松本副隊長が執務室に入ってきた。
「……まつもとぉーっ…」
「あれ?もしかしてお邪魔しちゃいました??あたし、もっかい休憩に…」
「部下に仕事任せて遊ぶ奴があるか!仕事しやがれ!!」
「えー…」
「では、私は自室に戻りますね。」
「え、奈々絵もう帰っちゃうの?もうちょっとここにいても良いのよー?」
「いえ、私自身の仕事もあるので。」
「松本が迷惑かけてすまなかったな。」
「いえいえ!また、私に出来ることがあれば仰ってください!では失礼します。」
うー、ドキドキしっぱなしだぁ…
松本副隊長が戻ってこなかったら、何を言われてたんだろうか…
松本副隊長から任命状を受け取る。
あの日、日番谷隊長に稽古をつけてもらって以来、
葛城くんとも日番谷隊長ともほぼ会うことはなく、
ただがむしゃらに鍛錬を重ねた。
葛城くんは最初のうちはちょくちょく会いに来てくれてたけど、
私が席官になるまでは他のことを考えれないと伝え、
葛城くん自身も席官になれるよう精進すると言ってからは会いに来なくなった。
数年経ち、ようやく…ようやく念願だった三席になれた。
これからは日番谷隊長の役に立てるようにさらに精進していこう。
「奈々絵〜っ!おめでとうっ!!」
がばっと抱きついてお祝いの言葉をくれた松本副隊長。
「松本副隊長、ありがとうございます。」
「これで隊長の心配事も少しは減るわねー!」
「え?」
「あ、こっちの話だから気にしないで。
それにしても、数年で三席になれるとは大したもんね!」
「いえ、皆さんのお力のおかげですから。」
「でも、努力をし続けたのはあんたなんだから!そんな子が部下で誇らしいわ〜!」
「ありがとうございます。」
「で、どうするの?」
「どう、とは?」
「ようやく、隊長に近づけたんだから、告白とか」
「しないです!!私は、本当に、ただ日番谷隊長のお役に立てれば、それだけで良いので…」
「…奈々絵は頑固ねぇ。じゃあ、葛城と付き合うの?」
「……まだ、分かりません…」
「え!?その反応は可能性あるってこと!?ちょっとお姉さんに詳しく聞かせなさい!!」
「いや、えっと…数年前に好きだって言われて…
好きになってもらえるよう頑張るからまだ返事はしないでくれって…」
「あいつ、なかなかやるわね…」
「もう時間も経ってますし、向こうの気持ちが変わってる可能性もありますけど…
もし、変わってなかったら…私はどうしたら良いのか分からなくて…」
「…奈々絵としてはどうしたいの?」
「私は…ずっと友達としか思ってなくて…
でも、ずっと私の傍で支えてくれた葛城くんの気持ちも
無碍にするのも嫌なので…真剣に考えてみようと思います。」
「そう。あたしは奈々絵が後悔しないならそれで良いわ!しっかり悩みなさい!!」
「ありがとうございます!」
「で、さっそくなんだけどね、あたし、ちょーっと用事があるから、
あたしの代わりに執務室で仕事しててくれない?」
「え?それなら、書類だけいただいて自室でやりますよ⁇」
「あたしが戻ってくるまででいいから!ね!!お願い!」
「わ、かりました…」
執務室には日番谷隊長もいるんだよなぁ…
…うーん、まあ、挨拶も兼ねて行くしかないか…
「失礼します。十番隊佐原奈々絵です。」
「入れ。何か用事か?」
「あ、えっと…これからは三席としてより一層日番谷隊長の
お役に立てるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします。」
「あぁ。」
「それと…松本副隊長から手紙を預かってきました。」
「松本から?………あのやろーっ…」
日番谷隊長は松本副隊長からの手紙を読むとぐしゃっと握りしめて拳を震わせていた。
「えっと、松本副隊長が戻られるまでは私が代わりにお仕事やりますので、何かあれば仰ってください。」
「……すまねぇが、よろしく頼む。」
「はいっ!」
まさか、いきなり仕事を頼まれるとは思ってなかったけど、
日番谷隊長のお役に立てるなら、頑張るしかない!
「………」
筆を動かす音だけが響く。
ちらりと日番谷隊長のほうを見る。
綺麗な銀髪、翡翠色の瞳。
やっぱりいつ見てもカッコいいなぁ…
「…佐原。」
「っ…はい!」
やばい、日番谷隊長見てたのバレたのかな…
「少し休憩するか。」
「あ、はい。ではお茶淹れてきますね!」
良かった、バレてなかったみたいだ。
私は日番谷隊長の机に置いてあった湯呑みを取り、新しいお茶を入れに行く。
「どうぞ。」
「あぁ、ありがとう。」
ソファに座って待っていた日番谷隊長の前に湯呑みを置き、
私は遠慮がちに少し離れた場所に座る。
「やっと、言っていた三席になれたな。」
「…はい、ようやく日番谷隊長のお役に立てそうです!」
「…なぁ。」
「はい?」
じっと日番谷隊長に見つめられる。
静寂な時が流れて、私の心臓の音が聞こえてしまうんじゃないか
というくらいドキドキしてしまう。
「…その、だな」
「たいちょー!戻りましたー!!」
日番谷隊長が何か言いかけた瞬間、松本副隊長が執務室に入ってきた。
「……まつもとぉーっ…」
「あれ?もしかしてお邪魔しちゃいました??あたし、もっかい休憩に…」
「部下に仕事任せて遊ぶ奴があるか!仕事しやがれ!!」
「えー…」
「では、私は自室に戻りますね。」
「え、奈々絵もう帰っちゃうの?もうちょっとここにいても良いのよー?」
「いえ、私自身の仕事もあるので。」
「松本が迷惑かけてすまなかったな。」
「いえいえ!また、私に出来ることがあれば仰ってください!では失礼します。」
うー、ドキドキしっぱなしだぁ…
松本副隊長が戻ってこなかったら、何を言われてたんだろうか…