隣の伊達さん
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
スーパーマーケットから帰ってきて、早速昼食作りに取り掛かる。
朝ごはんはパンとヨーグルトで済ませていたので、お昼は正国のためにきちんと作ってあげよう。
買ってきたものは、ケチャップ、玉ねぎ、鶏肉、卵だ。もうだいたいお分かりだろう。そう、作るものはオムライスである。
「いやぁ、これ作るの久しぶりだけど、大丈夫かなぁ」
「何作るんだ?」
「オムライス」
「へぇ」
そういや最近食ってねえな、と零したので丁度良いだろう。
玉ねぎを炒めて、鶏肉を投入。更に米を追加して、そこにケチャップを入れる。グリーンピースは正国が嫌いなので入れない。
我が家流のチキンライスが出来上がったら、それをひとまずお皿に盛る。正国のお皿には多めに盛っておいた。食べ盛りだもんね。
次は一番大切な卵だ。
「見てなさいよ」
薄くバターを引いたフライパンに卵をひく。焼き上がったら、そのまま皿に盛ったチキンライスの上に乗せる。よしうまく行った。そこにケチャップで「まさくに」と書き、ハートで囲う。かわいー!
「おい勝手に描くな」
「いーじゃんいーじゃん。はい、完成!」
「おいケチャップ貸せ」
要求にしたがって大人しくケチャップを渡すと、何も描かれていない私のオムライスに「ナマエ」と描き、ぐちゃぐちゃの円で囲った。円の最後はケチャップが無くなって空気が出てきてしまったらしく、無残に飛び散っている。字も汚いし、全体的に汚い。
「お返しだ」
でも、ぶっきらぼうに言うその姿が、反抗期に入る前の正国と重なって、なんだか胸が暖かくなった。
「……うん、ありがとう。さ、食べよう」
いただきます、と言ってから手を付ける。うん、我ながら美味しくできたと思う。やはりバターを使ったことが決め手だろう。うーん、自画自賛。
「美味しいね」
「自分で言うなよ。美味いけど」
良かった。口にあったようだ。
「お母さんも、そんなに心配しなくたって大丈夫なのに。私結構生活力あるんだよ?」
「家では全然そんなふうに見えてなかったってことだろ」
「返す言葉もございません」
母はいつだって世話焼きだったから、私のこういった姿を見ていないだけなのだ。
「……俺、やっぱり大学行くわ。で、まだ剣道続ける」
「うん。いいと思うよ。人生一回きりだからね。やりたいことやりな。サポートはしてあげるから」
「ん。さんきゅ」
若いうちにした経験は、間違いなく正国の宝物になる。それが楽しいものであれ、苦いものであれ、この先の人生にきっと大きな影響を与えるだろう。
満腹になったら、何だか眠くなってきた。少しだけ、眠っても良いだろうか。
朝ごはんはパンとヨーグルトで済ませていたので、お昼は正国のためにきちんと作ってあげよう。
買ってきたものは、ケチャップ、玉ねぎ、鶏肉、卵だ。もうだいたいお分かりだろう。そう、作るものはオムライスである。
「いやぁ、これ作るの久しぶりだけど、大丈夫かなぁ」
「何作るんだ?」
「オムライス」
「へぇ」
そういや最近食ってねえな、と零したので丁度良いだろう。
玉ねぎを炒めて、鶏肉を投入。更に米を追加して、そこにケチャップを入れる。グリーンピースは正国が嫌いなので入れない。
我が家流のチキンライスが出来上がったら、それをひとまずお皿に盛る。正国のお皿には多めに盛っておいた。食べ盛りだもんね。
次は一番大切な卵だ。
「見てなさいよ」
薄くバターを引いたフライパンに卵をひく。焼き上がったら、そのまま皿に盛ったチキンライスの上に乗せる。よしうまく行った。そこにケチャップで「まさくに」と書き、ハートで囲う。かわいー!
「おい勝手に描くな」
「いーじゃんいーじゃん。はい、完成!」
「おいケチャップ貸せ」
要求にしたがって大人しくケチャップを渡すと、何も描かれていない私のオムライスに「ナマエ」と描き、ぐちゃぐちゃの円で囲った。円の最後はケチャップが無くなって空気が出てきてしまったらしく、無残に飛び散っている。字も汚いし、全体的に汚い。
「お返しだ」
でも、ぶっきらぼうに言うその姿が、反抗期に入る前の正国と重なって、なんだか胸が暖かくなった。
「……うん、ありがとう。さ、食べよう」
いただきます、と言ってから手を付ける。うん、我ながら美味しくできたと思う。やはりバターを使ったことが決め手だろう。うーん、自画自賛。
「美味しいね」
「自分で言うなよ。美味いけど」
良かった。口にあったようだ。
「お母さんも、そんなに心配しなくたって大丈夫なのに。私結構生活力あるんだよ?」
「家では全然そんなふうに見えてなかったってことだろ」
「返す言葉もございません」
母はいつだって世話焼きだったから、私のこういった姿を見ていないだけなのだ。
「……俺、やっぱり大学行くわ。で、まだ剣道続ける」
「うん。いいと思うよ。人生一回きりだからね。やりたいことやりな。サポートはしてあげるから」
「ん。さんきゅ」
若いうちにした経験は、間違いなく正国の宝物になる。それが楽しいものであれ、苦いものであれ、この先の人生にきっと大きな影響を与えるだろう。
満腹になったら、何だか眠くなってきた。少しだけ、眠っても良いだろうか。