斬島
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人間主と斬島君の話
「斬島は、死ぬの怖くないの?」
獄卒である彼に、人間である私からの疑問を投げかけれる。もちろん彼はきょとんとした顔でこちらを見つめ返すばかりである。
「だって、獄卒って死なないわけじゃないんでしょう?」
これは彼の同僚から聞いた話だ。自分たちは死なない。もちろんそれに似た状態になることもあるが、再生すれば再び活動が可能になる。だからあまり心配しなくてもよい。緑色の眼をした獄卒は、酒瓶片手にそう語っていた。
「まあ、死に近い概念は持ち合わせているが」
「でしょ?怖くないの?」
「別にこの体が重傷を負ったところで、俺の存在が消えるわけではない。谷裂が回収に来るしな。だが俺たちのこれは死ではないんだ。ないものを怖がることはできない」
「そっか。じゃあもし、現世の人間みたいに、存在が消えてなくなってしまうとして、それは怖いと感じるの?」
「……。わからない。考えたこともない。そもそも俺たちは現世の人間に比べて恐怖へのセンサーが鈍くできているからな。ただ、俺にも手放したくないものはある。大切なものを手に入れてしまった分、それを失うことを惜しいとは思うだろう」
そういってこちらを見つめてくる彼に、私は大変な満足を覚えて頬を緩めた。
「へえ」
人はそれを「怖い」と言うんだよ、斬島。
「斬島は、死ぬの怖くないの?」
獄卒である彼に、人間である私からの疑問を投げかけれる。もちろん彼はきょとんとした顔でこちらを見つめ返すばかりである。
「だって、獄卒って死なないわけじゃないんでしょう?」
これは彼の同僚から聞いた話だ。自分たちは死なない。もちろんそれに似た状態になることもあるが、再生すれば再び活動が可能になる。だからあまり心配しなくてもよい。緑色の眼をした獄卒は、酒瓶片手にそう語っていた。
「まあ、死に近い概念は持ち合わせているが」
「でしょ?怖くないの?」
「別にこの体が重傷を負ったところで、俺の存在が消えるわけではない。谷裂が回収に来るしな。だが俺たちのこれは死ではないんだ。ないものを怖がることはできない」
「そっか。じゃあもし、現世の人間みたいに、存在が消えてなくなってしまうとして、それは怖いと感じるの?」
「……。わからない。考えたこともない。そもそも俺たちは現世の人間に比べて恐怖へのセンサーが鈍くできているからな。ただ、俺にも手放したくないものはある。大切なものを手に入れてしまった分、それを失うことを惜しいとは思うだろう」
そういってこちらを見つめてくる彼に、私は大変な満足を覚えて頬を緩めた。
「へえ」
人はそれを「怖い」と言うんだよ、斬島。
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