すごく短いのとか没とか
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持ち主に幸せを運ぶという刀、脇差物吉貞宗。私の本丸の彼は、どうやら他とは少し違うらしい。
「主様主様、お出かけですか?でしたらどうぞ僕をお持ちになってください!」
こうして、事あるごとに自分を持たせたがるのだ。ついて来ればよいところを、わざわざ『持ち物』として扱わせようとする。
「物吉くん、前にも言ったけど、現世に行くときは原則、刀剣男子を人の姿のまま連れていくことになっているの。だから、行くならその本体は君が持っていてね」
毎回こう言い聞かせているのだが、すぐにぶすくれた顔になって何処かに行ってしまう。
「嫌です。僕は主様に持っていていただきたいんです」
「そうは言われてもなあ。ねえ、どうして人の姿では着いてきてくれないの?」
前々から気になっていたが、時間の無さ故にいつも聞けていなかったこと。そろそろきちんと聞いておいた方が良いだろう。
「だって、僕は主様に持っていだたかないと意味が無いんです」
意味とは何だろう。やはり元が物であるから、持ち主がほしいのだろうか。いやでもすでに彼は彼という持ち主を、ひいては私という将を得ているはずなのに。
「僕を持っていれば、幸運が訪れます。でもそれは、刀の僕の話。人間の僕じゃ無いんです。幸運を運ぶことが僕の逸話なのに、それができなくなってしまったら、きっと僕の存在価値は無くなってしまうんです」
なんだ、そんなことか、ときづけば口にでていた。
彼は自分自身の価値を勘違いしている。そして自身の能力も。
「物吉くん。私は十分に幸福を運んできてもらってるよ」
でも、だって、などといってまだ浮かない顔をしている。
「私は物吉くんが来てくれてとっても嬉しかったし、楽しい本丸生活を遅れてるのも物吉くんやみんなのおかげだよ。こんな戦争の最中に、笑って生きていられるのって、とても幸福なことだと思わない?」
「そう、なんですかね」
「そうだよ。私はもう十分に幸せ。だから、人の体をせっかく得たあなたに、今度は私が幸せをあげたいの」
「僕の、幸せ」
「うん。あなたの幸せ」
少し考えるような素振りを見せたあと、彼は顔を上げた。
「僕の幸せは、あなたと共にあれること。これからも、お側に置いてください。ただし、刀の姿ではなく、この、人の姿で」
もちろん。
そう言って取った彼の手は、とても暖かかった。
「主様主様、お出かけですか?でしたらどうぞ僕をお持ちになってください!」
こうして、事あるごとに自分を持たせたがるのだ。ついて来ればよいところを、わざわざ『持ち物』として扱わせようとする。
「物吉くん、前にも言ったけど、現世に行くときは原則、刀剣男子を人の姿のまま連れていくことになっているの。だから、行くならその本体は君が持っていてね」
毎回こう言い聞かせているのだが、すぐにぶすくれた顔になって何処かに行ってしまう。
「嫌です。僕は主様に持っていていただきたいんです」
「そうは言われてもなあ。ねえ、どうして人の姿では着いてきてくれないの?」
前々から気になっていたが、時間の無さ故にいつも聞けていなかったこと。そろそろきちんと聞いておいた方が良いだろう。
「だって、僕は主様に持っていだたかないと意味が無いんです」
意味とは何だろう。やはり元が物であるから、持ち主がほしいのだろうか。いやでもすでに彼は彼という持ち主を、ひいては私という将を得ているはずなのに。
「僕を持っていれば、幸運が訪れます。でもそれは、刀の僕の話。人間の僕じゃ無いんです。幸運を運ぶことが僕の逸話なのに、それができなくなってしまったら、きっと僕の存在価値は無くなってしまうんです」
なんだ、そんなことか、ときづけば口にでていた。
彼は自分自身の価値を勘違いしている。そして自身の能力も。
「物吉くん。私は十分に幸福を運んできてもらってるよ」
でも、だって、などといってまだ浮かない顔をしている。
「私は物吉くんが来てくれてとっても嬉しかったし、楽しい本丸生活を遅れてるのも物吉くんやみんなのおかげだよ。こんな戦争の最中に、笑って生きていられるのって、とても幸福なことだと思わない?」
「そう、なんですかね」
「そうだよ。私はもう十分に幸せ。だから、人の体をせっかく得たあなたに、今度は私が幸せをあげたいの」
「僕の、幸せ」
「うん。あなたの幸せ」
少し考えるような素振りを見せたあと、彼は顔を上げた。
「僕の幸せは、あなたと共にあれること。これからも、お側に置いてください。ただし、刀の姿ではなく、この、人の姿で」
もちろん。
そう言って取った彼の手は、とても暖かかった。