主さん、これやるよ。この間の祭の帰りにさ、何となく萬屋に入ったら見つけたんだ。なんかさ、可愛いだろ、それ。主さんさんに似合うと思うから、ちょっと今試しに付けてみてくれよ。うん、このオレンジ色がさ、主さんの色な気がして。なんつーか、優しいんだ。出陣先から戻ると。絶対主さんが一番に出迎えてくれるだろ。霊力に色なんてないけど、主さんの霊力はきっとこんな感じの優しい色だぜ。俺にはわかるんだ。皆も思ってる。ただ、口には出さないだけで。照れ臭いんだろ。俺だって、ちょっとは恥ずかしいと思うけどさ、でも言わなきゃ伝わらない。だったら、言った方がいいに決まってるんだ。･･････、おっ、できたのか。なんだなんだ、超似合ってるぜ、主さん。やっぱりこの色にして正解だったな。なあそれ、これから毎日使ってくれよ。え？ボロボロになっちゃうって？良いんだよ。使わずにいて、いつの間にか劣化しちまうよりましだろ。俺も刀だから分かるけどさ、使ってもらうって、上手く言えないけどすげえ嬉しいことなんだよ。だからさ、頼むよ。それ、大切に使ってくれると嬉しい。それになんか、主さんが俺のお気に入りの色を身につけてるって思うと、気分良いし。