愛をこめて花束を
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「朝か……」
あの後、化粧も落とさずにベッドに横になった。
なにもする気がなくてそうしただけで、眠れないと思っていたのに気が付いたら眠っていたらしい。
のろのろと起き上がって鏡を見ると酷い顔だ。
後方に、ヴェインからもらった薔薇の花束が映りこんでいた。
「バカみたい……」
街でヴェインと一番仲の良い異性だという自負があった。
でも、その結果がこれ。『永遠の友情』。
ずっと友達でいられるのだから、良かったじゃないか。下手に告白してどうするの? 友情すら壊れてしまったら?
そう考えて私は首を振った。
このままじゃ嫌だ。
友達としてしか見てもらえない。
たとえ振られてしまっても、想いも伝えずに終わってしまうのは嫌だ。
もし友達でいられなくなっても、この気持ちに蓋をし続けるなんてムリだ。
ヴェインに伝えなくちゃ。
この気持ちが萎えてしまわないように急いで身支度を整える。
「ナマエ!」
「ヴェイン!? こんな所でどうしたの!?」
家を出てすぐにヴェインに会った。
探さずに済んだのは良かったけれど、早すぎてまだ心の準備ができていない。
バカ。さっき決心したばかりなのにもう怖気づいてしまったのか。
「昨日のナマエの様子がおかしかった気がして」
そんなことのためにわざわざ来てくるなんて。
私が勝手にショックを受けただけなのに。
その優しさに、ますます好きになってしまう。単純な私はすぐに舞い上がってしまう。
だから、今が言うチャンスだ。
「ごめん、これは受け取れない」
昨日ヴェインにもらった花束を差し出した。
「ヴェインが友達として私を大切にしてくれるのは嬉しいよ。……でも、私は友達でいたくない。ヴェインのことが、男の人として好きだから、友達のままじゃイヤなの……」
言ってしまった。
ついに言ってしまった。
達成感のような絶望感のような謎の気持ちが襲ってきて、泣きたくなった。
ヴェインはというと、そのまま屈みこんでしまった。
「あ~俺、ほんと情けねぇな……」
「そ、そんなことない!」
ヴェインの格好良さは私が知っている。
なんて、ますます恥ずかしいことを言って私はどうするのだろう。
ヴェインは、今度はガバッと立ち上がると私を抱きしめた。
「俺もナマエが好きだっ!!」
「っ!?」
抱きしめられたうえにそんなことを言われて、混乱してしまう。
「ごめん!本当は迷ったんだ……。ランちゃんたちが恋人にあげるって盛り上がってるの見たらさ……。もし、俺も告白を意味する花言葉を送ったらどうなるんだろうなって。
でも、俺とナマエは恋人じゃなくて友達だ。もし、振られたら? 友達ですらなくなったら? そう思うと、怖くなっちまった……。それでナマエを傷つけちまうなんて! 本当にごめんっ!!」
謝りながらもぎゅうぎゅうと痛いくらいに抱きしめてくる。
逞しい胸元が顔に当たってヴェインの大きな鼓動が聞こえてきた。きっと私の心臓の音も同じくらい大きい。
「ヴェ、ヴェイン……ちょっと苦しいから……」
「悪ぃ!」
解放された私は深く息を吸った。少し落ち着かなくては。
ヴェインも、私のことが、好き……。
反芻すると落ち着かなくなる。ダメだ、落ち着け。落ち着け。
まだドキドキと早鐘を打つ胸を押さえて鎮まるように祈る。
「謝らないで、ヴェイン。私も同じだったから。告白する勇気がなくて、今の関係に甘えていたの」
仲の良い友達。そこから動く勇気がなかった。
でも、ヴェインからの友情という花言葉にこのまま一生変わらないんだと事実を突きつけられたような気分だった。
今までの関係は心地良かったけど、ずっとそのままで良いなんて本当は思っていなかったのに。
なにかが事態を好転してくれるなんて期待していたのだろうか。そんなもの、自分で動くしかなかったのに。
「気持ちを伝えてくれてありがとな。やっぱりナマエはすげぇな」
「ううん、きっかけはヴェインがくれたから。なにもなければ、私もきっと告白できなかったよ。だから、ありがとう、ヴェイン」
私を傷つけてしまったとヴェインが気に病まないように、できるだけ明るく笑う。
ヴェインは複雑な顔で微笑んだ後、表情を引き締めた。
「もう一回、改めて言わせてくれ。……ナマエ。俺はお前が好きだ。俺と付き合ってくれないか?」
「……喜んで」
二人で笑い合った後に抱きしめられた。それから、少し間を置いて口づけが降ってくる。
瞳を閉じる寸前、花束が目に入った。
今はもう愛のしるしに変わった、13本の薔薇の花束。
あの後、化粧も落とさずにベッドに横になった。
なにもする気がなくてそうしただけで、眠れないと思っていたのに気が付いたら眠っていたらしい。
のろのろと起き上がって鏡を見ると酷い顔だ。
後方に、ヴェインからもらった薔薇の花束が映りこんでいた。
「バカみたい……」
街でヴェインと一番仲の良い異性だという自負があった。
でも、その結果がこれ。『永遠の友情』。
ずっと友達でいられるのだから、良かったじゃないか。下手に告白してどうするの? 友情すら壊れてしまったら?
そう考えて私は首を振った。
このままじゃ嫌だ。
友達としてしか見てもらえない。
たとえ振られてしまっても、想いも伝えずに終わってしまうのは嫌だ。
もし友達でいられなくなっても、この気持ちに蓋をし続けるなんてムリだ。
ヴェインに伝えなくちゃ。
この気持ちが萎えてしまわないように急いで身支度を整える。
「ナマエ!」
「ヴェイン!? こんな所でどうしたの!?」
家を出てすぐにヴェインに会った。
探さずに済んだのは良かったけれど、早すぎてまだ心の準備ができていない。
バカ。さっき決心したばかりなのにもう怖気づいてしまったのか。
「昨日のナマエの様子がおかしかった気がして」
そんなことのためにわざわざ来てくるなんて。
私が勝手にショックを受けただけなのに。
その優しさに、ますます好きになってしまう。単純な私はすぐに舞い上がってしまう。
だから、今が言うチャンスだ。
「ごめん、これは受け取れない」
昨日ヴェインにもらった花束を差し出した。
「ヴェインが友達として私を大切にしてくれるのは嬉しいよ。……でも、私は友達でいたくない。ヴェインのことが、男の人として好きだから、友達のままじゃイヤなの……」
言ってしまった。
ついに言ってしまった。
達成感のような絶望感のような謎の気持ちが襲ってきて、泣きたくなった。
ヴェインはというと、そのまま屈みこんでしまった。
「あ~俺、ほんと情けねぇな……」
「そ、そんなことない!」
ヴェインの格好良さは私が知っている。
なんて、ますます恥ずかしいことを言って私はどうするのだろう。
ヴェインは、今度はガバッと立ち上がると私を抱きしめた。
「俺もナマエが好きだっ!!」
「っ!?」
抱きしめられたうえにそんなことを言われて、混乱してしまう。
「ごめん!本当は迷ったんだ……。ランちゃんたちが恋人にあげるって盛り上がってるの見たらさ……。もし、俺も告白を意味する花言葉を送ったらどうなるんだろうなって。
でも、俺とナマエは恋人じゃなくて友達だ。もし、振られたら? 友達ですらなくなったら? そう思うと、怖くなっちまった……。それでナマエを傷つけちまうなんて! 本当にごめんっ!!」
謝りながらもぎゅうぎゅうと痛いくらいに抱きしめてくる。
逞しい胸元が顔に当たってヴェインの大きな鼓動が聞こえてきた。きっと私の心臓の音も同じくらい大きい。
「ヴェ、ヴェイン……ちょっと苦しいから……」
「悪ぃ!」
解放された私は深く息を吸った。少し落ち着かなくては。
ヴェインも、私のことが、好き……。
反芻すると落ち着かなくなる。ダメだ、落ち着け。落ち着け。
まだドキドキと早鐘を打つ胸を押さえて鎮まるように祈る。
「謝らないで、ヴェイン。私も同じだったから。告白する勇気がなくて、今の関係に甘えていたの」
仲の良い友達。そこから動く勇気がなかった。
でも、ヴェインからの友情という花言葉にこのまま一生変わらないんだと事実を突きつけられたような気分だった。
今までの関係は心地良かったけど、ずっとそのままで良いなんて本当は思っていなかったのに。
なにかが事態を好転してくれるなんて期待していたのだろうか。そんなもの、自分で動くしかなかったのに。
「気持ちを伝えてくれてありがとな。やっぱりナマエはすげぇな」
「ううん、きっかけはヴェインがくれたから。なにもなければ、私もきっと告白できなかったよ。だから、ありがとう、ヴェイン」
私を傷つけてしまったとヴェインが気に病まないように、できるだけ明るく笑う。
ヴェインは複雑な顔で微笑んだ後、表情を引き締めた。
「もう一回、改めて言わせてくれ。……ナマエ。俺はお前が好きだ。俺と付き合ってくれないか?」
「……喜んで」
二人で笑い合った後に抱きしめられた。それから、少し間を置いて口づけが降ってくる。
瞳を閉じる寸前、花束が目に入った。
今はもう愛のしるしに変わった、13本の薔薇の花束。
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