7.悪夢のような現実
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「お待たせしました」
目が覚めると、廃墟のように荒れ果てた場所にいた。
ナマエを拘束しているのは、やはり樺根だった。
少し離れた所から、日辻の声が聞こえてくる。
「僕は……暴力を信じてる」
「クフフ」
迷いなくきっぱりと放たれ言葉に、樺根は満足そうに笑っている。
ナマエは目を伏せた。
それからは、戦っているであろう音が響いた。
激しい破裂音。日辻の、呻くような声。
「おねがい、止めて……っ」
イヤイヤと首を振る。
思わず出た叫びは、ここからでは日辻に届くはずも無い。
いや、もし目の前にいたとしてもナマエの声はまだ届くのだろうか。
「貴様は……なぜそこまで堕ちた」
しばらく経ってから、日辻のものではない男の声が聞こえてきた。
彼が、六道骸?
やけに悲しげな声が耳に残る。
「それが人間だからですよ」
答えたのは、樺根。
骸も日辻も、彼を見ていた。
「樺根!ナマエ!?」
いつの間にか、彼らのすぐ近くに立っていたのだ。
樺根は全て自分の仕組んだことだと説明する。
しかし、進んだのは日辻自身。決定権は日辻にあった。
目の前に開かれた道を、拒む事だってできた。
だが、彼は迷わずに進んでいったのだ――血と暴力に染まった道を。
「大事な後輩を殴っても、愛する彼女を殴っても、何も感じられなくなるくらいに」
愉しそうに、樺根はナマエと日辻を見遣った。
「可哀相に……彼女はあなたを信じようとしていたのに」
これが樺根?気が弱く、そして、二人を尊敬していた樺根が――。
そう考えようとして、記憶の中の樺根があやふやだと気付く。
樺根の顔を見れば、右目に浮かぶ『六』の文字。
「六道……骸」
無意識に、日辻は呟いていた。
二人が樺根と呼んでいた少年こそが、六道骸。
六道骸を名乗っていた男は、影だったのだ。
全ては、幻だった。
日辻の理想の世界を、骸が見せていただけ。
そして、一番夢であって欲しかったことだけが、ただ一つの現実だった。
「あなたが暴力におぼれたこと」
骸は冷たく宣告した。
不良達にかけられた日辻に服従するという暗示を解き、日辻から受けた暴力の記憶だけが残った彼等が、どうするか――。
震えて止めろと懇願する日辻だが、骸がやめるはずがない。
ナマエも必死で叫んだ。
「止めて!! どうしてこんな事をっ!?」
「おやおや、どうして貴女が止めるのですか? 貴女も、この男から酷い仕打ちを受けたではありませんか。いっそ、一緒に復讐でもしたらどうですか?」
「酷い仕打ちって……それは、あなたのせいじゃない!! あなたが、日辻君を陥れた! 暴力の道に、日辻君を誘い込んだんじゃないっ!!」
「随分威勢が良いですねぇ」
骸はナマエを嘲った。
「僕のせいにしたい気持ちは分かります……。しかし、先程も言った通り、この道を進んだのは彼自身です。自ら血と暴力に溺れ。人を――貴女を騙し、傷つけても、罪の意識すら感じない。それが、彼の本当の姿なんですよ。貴女は、それでもまだ彼を好きだと、彼を信じると言えるのですか?」
「違うっ! もし、本当に、日辻君自身が選んだのだとしても! 私は復讐なんてしたくない! まだやり直せる! まだ……まだ日辻君のこと……!」
「クフフ……貴女はまだ分からないのですね……。残念ながら、それは叶いませんがね。さぁ、お喋りはこのくらいにして、いきますよ」
「いや、止めてぇっーー!!!」
目が覚めると、廃墟のように荒れ果てた場所にいた。
ナマエを拘束しているのは、やはり樺根だった。
少し離れた所から、日辻の声が聞こえてくる。
「僕は……暴力を信じてる」
「クフフ」
迷いなくきっぱりと放たれ言葉に、樺根は満足そうに笑っている。
ナマエは目を伏せた。
それからは、戦っているであろう音が響いた。
激しい破裂音。日辻の、呻くような声。
「おねがい、止めて……っ」
イヤイヤと首を振る。
思わず出た叫びは、ここからでは日辻に届くはずも無い。
いや、もし目の前にいたとしてもナマエの声はまだ届くのだろうか。
「貴様は……なぜそこまで堕ちた」
しばらく経ってから、日辻のものではない男の声が聞こえてきた。
彼が、六道骸?
やけに悲しげな声が耳に残る。
「それが人間だからですよ」
答えたのは、樺根。
骸も日辻も、彼を見ていた。
「樺根!ナマエ!?」
いつの間にか、彼らのすぐ近くに立っていたのだ。
樺根は全て自分の仕組んだことだと説明する。
しかし、進んだのは日辻自身。決定権は日辻にあった。
目の前に開かれた道を、拒む事だってできた。
だが、彼は迷わずに進んでいったのだ――血と暴力に染まった道を。
「大事な後輩を殴っても、愛する彼女を殴っても、何も感じられなくなるくらいに」
愉しそうに、樺根はナマエと日辻を見遣った。
「可哀相に……彼女はあなたを信じようとしていたのに」
これが樺根?気が弱く、そして、二人を尊敬していた樺根が――。
そう考えようとして、記憶の中の樺根があやふやだと気付く。
樺根の顔を見れば、右目に浮かぶ『六』の文字。
「六道……骸」
無意識に、日辻は呟いていた。
二人が樺根と呼んでいた少年こそが、六道骸。
六道骸を名乗っていた男は、影だったのだ。
全ては、幻だった。
日辻の理想の世界を、骸が見せていただけ。
そして、一番夢であって欲しかったことだけが、ただ一つの現実だった。
「あなたが暴力におぼれたこと」
骸は冷たく宣告した。
不良達にかけられた日辻に服従するという暗示を解き、日辻から受けた暴力の記憶だけが残った彼等が、どうするか――。
震えて止めろと懇願する日辻だが、骸がやめるはずがない。
ナマエも必死で叫んだ。
「止めて!! どうしてこんな事をっ!?」
「おやおや、どうして貴女が止めるのですか? 貴女も、この男から酷い仕打ちを受けたではありませんか。いっそ、一緒に復讐でもしたらどうですか?」
「酷い仕打ちって……それは、あなたのせいじゃない!! あなたが、日辻君を陥れた! 暴力の道に、日辻君を誘い込んだんじゃないっ!!」
「随分威勢が良いですねぇ」
骸はナマエを嘲った。
「僕のせいにしたい気持ちは分かります……。しかし、先程も言った通り、この道を進んだのは彼自身です。自ら血と暴力に溺れ。人を――貴女を騙し、傷つけても、罪の意識すら感じない。それが、彼の本当の姿なんですよ。貴女は、それでもまだ彼を好きだと、彼を信じると言えるのですか?」
「違うっ! もし、本当に、日辻君自身が選んだのだとしても! 私は復讐なんてしたくない! まだやり直せる! まだ……まだ日辻君のこと……!」
「クフフ……貴女はまだ分からないのですね……。残念ながら、それは叶いませんがね。さぁ、お喋りはこのくらいにして、いきますよ」
「いや、止めてぇっーー!!!」