4.亀裂
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「ミョウジさん……」
「樺根君!」
久しぶりに樺根に会えた。
だが、彼の姿を見て伝えようとしていた言葉は全て吹き飛んだ。
ぎこちない笑みを浮かべる樺根の顔は、あちこち腫れあがっている。
「どうしたのっ!?」
「いえ、何でもありません……」
「そんなわけわけないでしょう! とりあえず、保健室に行こう?冷やさないと……」
ナマエは強引に樺根の手を引いた。
「それにしても……どうして……誰かにやられたの……?」
平和になったはずの学校。
もう誰も暴力なんて振るわないはず。
そう思うが、心の奥底では樺根の返答を恐れていた。
今までが上手く行きすぎている。こんなに全てが上手くいくなんて本当は無かったのではないか。
ぱっとそんな考えが頭の隅に浮かんだ。
「……会長……会長が、僕を――」
それでも、その答えはあまりにも予想外で。
ナマエはその場で固まってしまう。
まさか、日辻が!?
他の誰でもない、暴力を嫌い、学校を良くしようと励んでいた彼が?
「いえ、でも僕が悪いんです……。僕が会長を怒らせてしまったから――」
しゅんとする樺根。
彼が嘘をついているとは思えない。
だが、日辻がそんなことをするとも考えられなかった。
「……樺根君は悪くないよ……」
しかし、どうして良いか分からずただ保健室への道を歩く。
しばらく沈黙が続いた。
「か、ばねくん……ほ、本当に……日辻君が? ほ、ほら……もしかしたらよく似た別の人だったとか……」
「そうですよね……ミョウジさんは、会長のことが好きなんですし……僕よりも、会長のことを信じるのは当たり前ですよね……」
悲しげに顔を伏せる樺根に、ナマエの胸が痛む。
ただでさえ殴られて傷ついているであろう彼を、疑ってしまった。
「ごめん、樺根く…。そんなつもりじゃ……ただ、信じたくなくて――」
「いえ……僕なんかより会長のことを信じるのは当然ですよ……」
「ちが……ちがうの……」
空気はどんどん重くなっていく。
少し前までの幸福に満ちた世界が嘘のようだった。
手当てを終えたナマエは、樺根を送ると申し出た。
その頃には大分落ち着いて元気そうに振舞っていた樺根だが、一人にするのは気が引る。
「そんなことはさせられませんよ!せめて逆です。僕がミョウジさんを送る立場ですよ」
最終的には、あんな会話をした後では自分と居たくないかもしれないとも思い、樺根と別れた。
となれば、ナマエがやるのはただ一つ。
日辻に会うことだった。
「樺根君!」
久しぶりに樺根に会えた。
だが、彼の姿を見て伝えようとしていた言葉は全て吹き飛んだ。
ぎこちない笑みを浮かべる樺根の顔は、あちこち腫れあがっている。
「どうしたのっ!?」
「いえ、何でもありません……」
「そんなわけわけないでしょう! とりあえず、保健室に行こう?冷やさないと……」
ナマエは強引に樺根の手を引いた。
「それにしても……どうして……誰かにやられたの……?」
平和になったはずの学校。
もう誰も暴力なんて振るわないはず。
そう思うが、心の奥底では樺根の返答を恐れていた。
今までが上手く行きすぎている。こんなに全てが上手くいくなんて本当は無かったのではないか。
ぱっとそんな考えが頭の隅に浮かんだ。
「……会長……会長が、僕を――」
それでも、その答えはあまりにも予想外で。
ナマエはその場で固まってしまう。
まさか、日辻が!?
他の誰でもない、暴力を嫌い、学校を良くしようと励んでいた彼が?
「いえ、でも僕が悪いんです……。僕が会長を怒らせてしまったから――」
しゅんとする樺根。
彼が嘘をついているとは思えない。
だが、日辻がそんなことをするとも考えられなかった。
「……樺根君は悪くないよ……」
しかし、どうして良いか分からずただ保健室への道を歩く。
しばらく沈黙が続いた。
「か、ばねくん……ほ、本当に……日辻君が? ほ、ほら……もしかしたらよく似た別の人だったとか……」
「そうですよね……ミョウジさんは、会長のことが好きなんですし……僕よりも、会長のことを信じるのは当たり前ですよね……」
悲しげに顔を伏せる樺根に、ナマエの胸が痛む。
ただでさえ殴られて傷ついているであろう彼を、疑ってしまった。
「ごめん、樺根く…。そんなつもりじゃ……ただ、信じたくなくて――」
「いえ……僕なんかより会長のことを信じるのは当然ですよ……」
「ちが……ちがうの……」
空気はどんどん重くなっていく。
少し前までの幸福に満ちた世界が嘘のようだった。
手当てを終えたナマエは、樺根を送ると申し出た。
その頃には大分落ち着いて元気そうに振舞っていた樺根だが、一人にするのは気が引る。
「そんなことはさせられませんよ!せめて逆です。僕がミョウジさんを送る立場ですよ」
最終的には、あんな会話をした後では自分と居たくないかもしれないとも思い、樺根と別れた。
となれば、ナマエがやるのはただ一つ。
日辻に会うことだった。