ボクの先生はヒーロー

【11 星よりの声】
[ボクの先生はヒーロー]



 3代目火影はカカシ、イルカと共にアスマから奈良家で起こった出来事の報告を受けていた。

「光る声、ねえ……」

「ああ。しかも話してた内容が内容でなあ……」

 文化レベルがどうこうとか、注意すべきはなんとかって話しだそうだ。

「ね、注意すべきはうんぬんってところはなんなのよ?」

「や、いのの話が要領を得なくて……」

「分からなかったのね……」

 がっかり、と言葉でも態度でも示すカカシに、アスマはしょーがねえだろと返す以外にない。

 だが、上忍2人の軽いコントの傍らでイルカは3代目の背後を示し、叫んだ。

「火影様っ!」

 3代目の背後にある窓、その外に不思議なものが浮かんでいた。

「なんだっ」

 カカシに遅れるものの、3代目とアスマは共に窓へ張り付く。彼らの背後からイルカも外を覗いた。

 ちょうど、里で最も高い建物である火影の執務室と同じ高さにそれはある。
 
 きっと、里のどこからでも見ることができるだろう、四角く青白い光。

 その表面に雪が降るような乱れが生じ、やがてある形を成していく。

 直立した白銀のキツネに似た姿をした、人のように見えた。

 木ノ葉隠れの里に住む多くの人々は、まだ癒えぬ過去の傷を思い出す。

 きっと多くの者があの憎悪をナルトへ向けてしまう。

 予想していたこととはいえ、まだなんの対策も高じていないのだ。

 3代目は歯軋りをし、カカシの目は険しくなる。

『ワレワレはコギツネ座亜鈴星雲カラやってキタ、フォックス星人デアル』

 その時、不明瞭な言葉が、里中の人々の聴覚に響いてきた。

『数度ノ調査ニヨリ、コノ惑星はワレワレが暮ラスに適合スルことヲ確信シタ』

 突飛な言葉にカカシは我が耳を疑う。

『ワレワレはコレより、コノ惑星ノ植民地化ヲ進メル』

 しかし、周囲の人々は至極真面目な顔でその声を聞いていた。

『抵抗ハ無駄デアル
 ワレワレに、忍術ハ通ジヌ』

 そして、フォックス星人なるもの達の宣戦布告が終了すると同時に、3代目は不敵に微笑んだ。

「総員、第1級戦闘配置につけ」

───これより、敵を殲滅する。
 


 【続く】
‡蛙女屋蛙姑。@iscreamman‡
WRITE:2005/12/22
UP DATE:2006/02/02(PC)
   2008/12/05(mobile)
RE UP DATE:2024/08/10
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