nartic boyで読みたいカカイル

【Cross Walk of Life】
   〜 第3位 なれ初め 〜
[nartic boyで読みたいカカイル]



 木ノ葉病院を出たところで、イルカは大きく伸びをした。

 途端、体のあちこちが一斉に痛みを訴える。

 けれど、ミズキからナルトを庇って負った傷は、そう酷くはない。
 流石に腹や胸でクナイを、背中で風魔手裏剣を受けた傷は医療忍術で塞いでもらったが───通常ランクの任務なら支障なく就けるだろう。
 勿論、中忍として、のだ。

 だがこの怪我がなくとも、しばらくは任務を言い付かることはない。

 昨日でイルカの受け持っていたアカデミー生たちが全て、卒業したのだ。

 上忍師による下忍合否判定は明日。

 イルカの仕事は、ふるい落とされてアカデミーへ戻される下忍候補生たちをもう一度迎え入れてやること。

 これまでにも経験したことだが、やはり気が重い。
 
 全員が認められるワケではないと分かっている。
 だがそれでも、送り出した27人の顔を思い浮かべ、大丈夫だと自分に言い聞かせた。

 その度に、7班の子供たちが特に気に掛かる。

 病院へ来る前に子供たちを上忍師へ引き渡したのだが、7班の上忍師だけが顔を見せなかった。

 どういう事情かは知らされなかったが、遅れてくるはずだと聞いている。

 その人をよく知っているらしい顔見知りの上忍曰く「いつものことだ」そうだが、やはりきちんと会っておきたかった。

───アイツらを、ちゃんとみてくれる人だといいが……

 合否よりもまず、そのことがイルカを不安にさせている。



   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



 同じ頃、アカデミーのテラスにカカシは新たな部下───いや教え子となる7班の下忍たちを連れ出し、自己紹介をはじめていた。

 しかし、それはただ班内の交流を深めるためだけではない。
 明日のことを伝える、前振りのようなものだ。

「もっと好きなものはイルカ先生におごってもらった一楽のラーメン!!」

 そう宣言する子供の声に、カカシは思考を止めた。それは一瞬のことで、すぐに子供たちの語る言葉に意識を向ける。
 
 相変わらずラーメンのことばかりを話す子供に呆れ、そして予想していなかった成長の仕方に興味を覚えた。

 だが、頭の一角は、その名を懐かしく反芻している。

───イルカ、先生か……



 【続く?】
‡蛙女屋蛙娘。@ iscreamman‡
WRITE:2005/04/14
UP DATE:2005/04/14(PC)
   2009/10/30(mobile)
RE UP DATE:2024/08/05



   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



カカイルの馴れ初めとなればやっぱし、ここから始めるべきでしょう!
……って、全然発展しないんです、ケド
カカシさんはイルカ先生のこと知ってたケド、イルカ先生はカカシさんを知らないデス
タイトルは「人生の交差点」ってカンジで!

‡蛙女屋蛙娘。@ iscreamman‡
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