Trick or Treat
【悪戯しちゃうぞ 1】
[Trick or Treat]
「とりっかーとり~とーっ!」
予想通りの掛け声と共に帰ってきた同居人へ向け、イルカは用意しておいた術を発動する。
普段ならいくら油断しまくりとはいえ、絶対にかからないだろうが、今日は特別だ。
なにしろ、イルカが泣きつくふりをしてもちかけたこの悪戯に、嬉々として乗ってきた火影様が直々に用意してくれた術。
例え、里屈指の上忍とは言え、そうそう抵抗できないハズだ。
案の定、ボフンと白煙が上がると同時に目前に迫っていた面妖な衣装が落ちてゆく。
「………」
流石に上忍、突然、術をかけられても慌てないのか、声一つださない。
そして、恐る恐るといった風情で、衣装の隙間から顔を出す。
「……ふみゃあん……っ!? にゃ、にゃにゃーーーっ!」
多分、これを為したイルカへ呼びかけようとした自分の声で、どんな姿に変化させられたのか察したのだろう。
マンガのような仕草で白いほわほわの毛に包まれた桃色の肉球の前足を確認すると、頭を抱えて吠え出した。
「みゃあーん、にゃうん、みゃーっ!」
「はいはい。ご近所迷惑ですから静かにしてくださいね~」
パニックを起こす白猫の首根っこをつまんで抱き上げ、イルカはご機嫌で台所へ消えていく。
【了】
‡蛙女屋蛙娘。@ iscreamman‡
WRITE:2005/10/24
UP DATE:2005/11/02(PC)
2009/10/20(mobile)
RE UP DATE:2024/08/05
[Trick or Treat]
「とりっかーとり~とーっ!」
予想通りの掛け声と共に帰ってきた同居人へ向け、イルカは用意しておいた術を発動する。
普段ならいくら油断しまくりとはいえ、絶対にかからないだろうが、今日は特別だ。
なにしろ、イルカが泣きつくふりをしてもちかけたこの悪戯に、嬉々として乗ってきた火影様が直々に用意してくれた術。
例え、里屈指の上忍とは言え、そうそう抵抗できないハズだ。
案の定、ボフンと白煙が上がると同時に目前に迫っていた面妖な衣装が落ちてゆく。
「………」
流石に上忍、突然、術をかけられても慌てないのか、声一つださない。
そして、恐る恐るといった風情で、衣装の隙間から顔を出す。
「……ふみゃあん……っ!? にゃ、にゃにゃーーーっ!」
多分、これを為したイルカへ呼びかけようとした自分の声で、どんな姿に変化させられたのか察したのだろう。
マンガのような仕草で白いほわほわの毛に包まれた桃色の肉球の前足を確認すると、頭を抱えて吠え出した。
「みゃあーん、にゃうん、みゃーっ!」
「はいはい。ご近所迷惑ですから静かにしてくださいね~」
パニックを起こす白猫の首根っこをつまんで抱き上げ、イルカはご機嫌で台所へ消えていく。
【了】
‡蛙女屋蛙娘。@ iscreamman‡
WRITE:2005/10/24
UP DATE:2005/11/02(PC)
2009/10/20(mobile)
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