One Day

【せんせい】
   ~ ある秋の日 05 ~
[One Day]



 近付く気配に振り返り、呟いた声はどこか呆れたように響く。

「火影様」

「やだなあ、カカシくんまでそんな呼び方して」

 相変わらずお堅いんだから。

 年齢に見合わぬ仕草で嫌がる人は苦く、でもどこか気恥ずかしそうに微笑んで言った。

「今までどおり、先生って呼んでよ」

「でも、火影様でしょ」

 つっぱねた言い方だなと自分でも思いながら、カカシは自分から訂正することができない。

「……嫌でしたら、4代目とお呼びしますよ」

「そうだね。3代目もご健在だし……」

 でもねえ、カカシくん。

「オレはいつまでも君の先生のつもり、なんだけど?」

「……それって、オレはずっと先生に勝てないって、聞こえます」



 【了】
‡蛙女屋蛙娘。@ iscreamman‡
WRITE:2005/09/26
UP DATE:2005/10/10(PC)
   2009/09/20(mobile)
RE UP DATE:2024/08/05
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