ボクの先生はヒーロー

【24 閃き、響く】
[ボクの先生はヒーロー]



「見つけたぜっ」

 シカマルの予測は外れ、手掛かりを見つけたのはキバと赤丸だった。
 内円の縁に鼻を近づけ、覚えのある臭いを辿る。

「この辺りに出入り口があるのは間違いねえ。ナルトの臭いがしやがる」

「本当か?」

「ああ、アイツの臭いは忘れねえよっ」

 不思議そうに問うサスケに、キバは顔をしかめる。
 察した者は、苦笑いを浮かべるか、笑いを噛み殺す。
 中忍試験でキバはナルトの強烈な臭気を嗅がされたのだ。

「ヒナタ」

 呆れ顔でシカマルが促す前に、ヒナタは《白眼》を発動させ、キバが示した辺りを視ている。

「通路がある。出入り口を開ける仕掛けは……」

 ヒナタの指した先に、大人2人が並べる程に区切られた場所があった。
 しかし、扉のように手を掛ける部分があるわけではなく、一見しただけでは開き方は見当もつかない。

「多分、電気式のからくり仕掛けだと……」

「からくり、だと?」
 
 シカマルは問い返し、ようやく見つけたの出入り口を睨んだ。

 忍術ならば対処できるが、電気式のからくり仕掛けには門外漢。
 どうした物かと悩みだしたシカマルを、サスケが押しのける。

「退いてろ」

 周りを囲む仲間たちに一応、警告を発し、印を組んだ。
 サスケの左手に、放電が走る。

 シカマルは慌てた。
 確かに《千鳥》ならばこの扉も破壊できるだろうが、敵にも悟られる。

「待てよっ」

 制止の声より先に、サスケは左手を扉に押し当てた。

 一瞬、扉の周囲に電光が走る。

 そして、密かな破裂音を伴って扉が横に滑り、通路が露わになった。

「さあ、行こうか」

 サスケは事も無げに言い捨て、真っ先に飛び込んで行く。
 《千鳥》の放電で、電気式のからくり仕掛けを動かしたのだ。

 さすがサスケくん、と騒ぎながらサクラといのも追い掛ける。

 もちろん、苦笑いを浮かべるシカマルも。
 


 【続く】
‡蛙女屋蛙姑。@iscreamman‡
WRITE:2009/06/14
UP DATE:2009/06/15(mobile)
RE UP DATE:2024/08/10
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