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【4:あるいていこう】
〜MISSING LINK β〜
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イルカが目覚めた時、まだ夜は明けていなかった。
寝不足ではないが、身体の気だるさには少々まいる。
寝返りを打とうかと思ったが、しっかりと背後から抱き込まれている上に、狭い1人用の寝台で男2人で寝ている状況では無理そうだった。
辛うじて動かせる腕で上掛けをずりあげ、カカシの肩まで覆ってやる。
視線を窓に戻すと、徐々に空が明るさを増していっているのが分かった。
───そういえば、こんな時間だったな……
イルカは思い返す。
任務の帰還途中、里の近くでカカシと出会った時のことを。
あの時、自分を待ち構えているカカシを避けることも、いつも通りのイルカ先生のフリもできた。
なのに、何故かそうしなかった自分。
そう、あれは紛れもなく、イルカ自身の選択だった。
カカシに、何かを期待していたのだろう。
あの日、あの時間にカカシと出会わなければ、カカシがイルカに興味を示さなければ、うみのイルカはいなくなっていただろう。
───きっと、好きだったんだろうな……
あの朝に見た、朝日に照らされたカカシの髪の輝きが忘れられない。
まるで、星のない夜に見つけた灯火のようにイルカには思えた。
ただそんなことは、言ってやるつもりもない。
これ以上、好きにされたら流石に身体がどうにかなってしまう。
それでも、自分を抱きこんで幸せそうな寝息を立てる男の腕に触れて、イルカは再び眠りに落ちていった。
* * * * *
耳元で誰かが忍び笑いをしている。
そんな、あまり愉快ではない目覚め方をした。
徐々に頭が覚醒してくると、その笑いの主に思い至り、ますます不愉快になっていく。
「イルカせんせ~ぇ、起きてるんでしょー」
抱きこまれているせいで、その忍び笑いが直接身体に伝わってくる。
けれどいつまでもこのままでいると、もっと危険な状況に陥りそうだ。
観念して、できるだけ今目が覚めましたという風に、嫌々ながらイルカは目を開けた。
「おっはよーございます♡ イルカせんせ~♡」
「……オハヨウゴザイマス、カカシサン」
「うっわー、棒読みですねー。でも、そーゆーアナタも可愛いでーす♡」
上機嫌でそんな頭の悪いことを言って、カカシはイルカを抱きしめる腕を強くする。
「あー、シアワセ~♡ 目が覚めたら夢でしたーとかだったらどーしよって、思ってたんですよー」
「あの、カカシさん。オレ……シャワー浴びたいんで放してもらえませんか?」
「もちょっとこーしてません?」
「……オレとしてもそうしたいのはヤマヤマですが、そうしていられない状況なんで」
小声で一気に言ってやれば、カカシから甘えた気配がすぐに消えた。
抱きこんでくる力も弱くなり、それでも労わるようにイルカに触れてくる。
「あー、スイマセン。身体、大丈夫デスか? 浴室まで運びましょーか?」
「それはいいです。平気ですよ。それに狭いですからね、運んでもらう程じゃありません」
言い様、イルカは身を起こして裸のまま、浴室へ向かう。
その姿を呆然と見送ったカカシが、なにやらじたばたしている物音を聞きながら、シャワーのコックをひねる。
夕べのカカシ同様に、冷たい水を浴びながら徐々に温くなるのを待つ。
見下ろす身体のそこここに、夕べ触れられた跡が残っていた。
その一つ一つにカカシの想いが刻み込まれているのだと思うと、急に居たたまれなくなる。
イルカはシャワーの勢いを強くした。
* * * * *
浴室から出る時に身体を拭ったタオルを腰に巻きつけ、新しいタオルで髪に残った水分を拭いながらイルカは部屋に戻った。
途端に、まだ寝台の上で膝を抱えていたカカシが拗ねた声を出す。
「……イルカせんせー、オレのことなんかちーっとも意識してないデショー」
その声を無視し、冷蔵庫に残っていた缶ビールを2本取り出してイルカは問う。
「カカシさんも飲みますか?」
「あー、頂きます」
カカシに寄り添うように腰掛け、缶を1本渡してから、ようやく先程の答えを口にする。
「これから一緒に暮らすのに、一々意識しあってたら身体がもたないでしょう? それ言うなら、あなただって! せめて隠してください」
「確かに、今は先生のこととやかく言えるような状態じゃありませんけど、だからってそのカッコはあんまり無防備過ぎます! オレの理性が持ちません!!」
ぷしっと音を立ててプルタブを引き上げつつ、イルカは未だに全裸なカカシの状態を視認した。
「ああ、確かに崩壊寸前ですね」
「さらっと言わんでください! そーゆーコトをっ! 男らしすぎて惚れますから!」
「すみません。オレ、こーゆー性格なんです」
一気にビールをあおるイルカの様子を盗み見ながら、カカシも缶を開けた。
「もしかしてイルカ先生。オレに同棲諦めさせようとしてませんか?」
「んー、どうでしょうね。でも、この程度でおたつくようなら、一緒に暮らしていけませんよ」
「そりゃあ、そうですケド」
うつむいてビールをすすりながら、カカシは続ける。
「でもねーぇ、すっごい好きな人にそーゆーオイシイカッコで目の前ウロウロされたら、誘われてるんじゃないって頭では分かってても、襲いたくなるのが男ってもんデショー?」
「ええ」
「……分かってて、やってんですか?」
「同居って初日が肝心だと思うんですよ。互いの相互理解というか、関係の明確化に。だから、境界線を自分の中で引いておきたかったんです」
「……境界線、デスカ?」
「こういう格好であなたの前に出て手をだされたら、以後は控えるつもりでした」
にっこりと微笑むイルカに、カカシは思わず手にしていた缶を握りつぶす。
「……つもり、でした……って……あなた、今後ずっと、風呂上りにそーゆーカッコでオレの前をうろつく気なんですかーぁっ!?」
「はい」
にこにこと笑顔で返すイルカに、カカシは深く深くため息をついた。
「……はーぁっ……もう、カンベンしてくださいよー」
「……まあ正直に言うと、着替えを忘れたってだけなんですけどね」
「だったら、もーちょっと……ってタオルも濡れてんじゃないですかっ!?」
夕べ自分が使ったバスタオルをイルカの腰に巻きつけてから、カカシはまだ濡れたままのイルカの髪を拭いにかかる。
「イルカ先生が意外と手のかかる人だって分かりましたから、今後はこーなんないようにオレが気をつけます。それでいいでしょう?」
「はい。よろしくお願いします、カカシさん」
カカシにされるがままになりながら答えるイルカの声には、かすかに笑いが含んでいた。
「なーにがオカシイんでーすか?」
「いや、まさか天下のはたけカカシに髪を拭かれるとは思ってなかったので」
「髪ぐらいなんですか。オレは今後イルカ先生にありとあらゆるコトをしますよ!」
「……そう力強く宣言されると、一体何をされるのか不安になりますね……」
それまで丁寧に髪を拭っていたカカシの手が、タオル越しにイルカを抱きこんできた。
「カカシさん?」
「無理だけは、しないでよね。イルカ先生……」
カカシは、イルカがワザとふざけた雰囲気にしているのだと思ったらしい。
そうではないのだと、タオル越しに見つめても、何も伝わらない。
イルカもカカシを抱き返して、答えた。
「無理はしません」
「今は、へーきですか?」
「ええ。いつもより、すっきりしてるくらいです」
その言葉にしばしの沈黙が続いた。
お互いに夕べのコトを思い出してしまったのだろう。
あわててイルカが弁解する。
「あー。それもあるんですけど。でも、なんと言ったらいいのか……今まで意識のどこかにフィルターがかかってたみたいだったのが、クリアになって……」
「それって、切り替わる意識がなくなったってコトですか?」
「え? ……どう、なんでしょう……自分では、よく分かりません」
言われて、今朝はまだ意識の切り替えが一度もないことに気付く。
近頃は頻繁に切り替えがあったというのに。
昨日は、任務中に起こった切り替えに、ひどく不安だったのに。
カカシと会って、その不安までもがきれいに消えていた。
───カカシさんが、今の要因対象だけど……
目の前の裸のカカシの胸に、縋るように抱きついてみた。
「イルカせんせぇ?」
呼ばれて、頭にかけられたままのバスタオルの隙間からカカシを見上げる。
少し驚いたように、覗き込んでくるその表情に安堵感が広がっていく。
───きっと、大丈夫だ……
そう思えてくるから、不思議だった。
自分の気持ちにくすぐったくなり微笑む。
そんなイルカを見ながら、カカシがぽつりといった。
「なんかイルカせんせい、お嫁さんみたいですー」
頭に被った白いバスタオルに、花嫁のヴェールを見たのだろう。
そういう見立てをされるのは気恥ずかしかったが、何故か嬉しそうに頬を染めるカカシを可愛いと思った時点で自分の負けだと諦めていた。
「じゃあ、誓いのキスでもしておきましょうか?」
「え? いいんですか?」
まさかイルカからそんな言葉が聞けるとは思っていなかったのだろう。
カカシの慌てぶりがおかしくて、わざと拗ねた声をだしてやる。
「嫌ですか?」
「いいえ! 是が非でも、お願いします!」
「はい。こちらこそ末永く、よろしくお願いします」
寝乱れたままのベッドの上で、裸のままお互い向かい合って頭を下げていた。
口付けを交わす。
軽く唇を合わすだけの、けれど今精一杯の思いを込めたキスを。
そしてどちらともなく、誓った。
「「ずっと一緒に、歩いていきましょう」」
【了】
‡蛙女屋蛙娘。@iscreamman‡
WRITE:2004/11/25
UP DATE:2004/12/01(PC)
2009/11/07(mobile)
RE UP DATE:2024/07/30
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イルカが目覚めた時、まだ夜は明けていなかった。
寝不足ではないが、身体の気だるさには少々まいる。
寝返りを打とうかと思ったが、しっかりと背後から抱き込まれている上に、狭い1人用の寝台で男2人で寝ている状況では無理そうだった。
辛うじて動かせる腕で上掛けをずりあげ、カカシの肩まで覆ってやる。
視線を窓に戻すと、徐々に空が明るさを増していっているのが分かった。
───そういえば、こんな時間だったな……
イルカは思い返す。
任務の帰還途中、里の近くでカカシと出会った時のことを。
あの時、自分を待ち構えているカカシを避けることも、いつも通りのイルカ先生のフリもできた。
なのに、何故かそうしなかった自分。
そう、あれは紛れもなく、イルカ自身の選択だった。
カカシに、何かを期待していたのだろう。
あの日、あの時間にカカシと出会わなければ、カカシがイルカに興味を示さなければ、うみのイルカはいなくなっていただろう。
───きっと、好きだったんだろうな……
あの朝に見た、朝日に照らされたカカシの髪の輝きが忘れられない。
まるで、星のない夜に見つけた灯火のようにイルカには思えた。
ただそんなことは、言ってやるつもりもない。
これ以上、好きにされたら流石に身体がどうにかなってしまう。
それでも、自分を抱きこんで幸せそうな寝息を立てる男の腕に触れて、イルカは再び眠りに落ちていった。
* * * * *
耳元で誰かが忍び笑いをしている。
そんな、あまり愉快ではない目覚め方をした。
徐々に頭が覚醒してくると、その笑いの主に思い至り、ますます不愉快になっていく。
「イルカせんせ~ぇ、起きてるんでしょー」
抱きこまれているせいで、その忍び笑いが直接身体に伝わってくる。
けれどいつまでもこのままでいると、もっと危険な状況に陥りそうだ。
観念して、できるだけ今目が覚めましたという風に、嫌々ながらイルカは目を開けた。
「おっはよーございます♡ イルカせんせ~♡」
「……オハヨウゴザイマス、カカシサン」
「うっわー、棒読みですねー。でも、そーゆーアナタも可愛いでーす♡」
上機嫌でそんな頭の悪いことを言って、カカシはイルカを抱きしめる腕を強くする。
「あー、シアワセ~♡ 目が覚めたら夢でしたーとかだったらどーしよって、思ってたんですよー」
「あの、カカシさん。オレ……シャワー浴びたいんで放してもらえませんか?」
「もちょっとこーしてません?」
「……オレとしてもそうしたいのはヤマヤマですが、そうしていられない状況なんで」
小声で一気に言ってやれば、カカシから甘えた気配がすぐに消えた。
抱きこんでくる力も弱くなり、それでも労わるようにイルカに触れてくる。
「あー、スイマセン。身体、大丈夫デスか? 浴室まで運びましょーか?」
「それはいいです。平気ですよ。それに狭いですからね、運んでもらう程じゃありません」
言い様、イルカは身を起こして裸のまま、浴室へ向かう。
その姿を呆然と見送ったカカシが、なにやらじたばたしている物音を聞きながら、シャワーのコックをひねる。
夕べのカカシ同様に、冷たい水を浴びながら徐々に温くなるのを待つ。
見下ろす身体のそこここに、夕べ触れられた跡が残っていた。
その一つ一つにカカシの想いが刻み込まれているのだと思うと、急に居たたまれなくなる。
イルカはシャワーの勢いを強くした。
* * * * *
浴室から出る時に身体を拭ったタオルを腰に巻きつけ、新しいタオルで髪に残った水分を拭いながらイルカは部屋に戻った。
途端に、まだ寝台の上で膝を抱えていたカカシが拗ねた声を出す。
「……イルカせんせー、オレのことなんかちーっとも意識してないデショー」
その声を無視し、冷蔵庫に残っていた缶ビールを2本取り出してイルカは問う。
「カカシさんも飲みますか?」
「あー、頂きます」
カカシに寄り添うように腰掛け、缶を1本渡してから、ようやく先程の答えを口にする。
「これから一緒に暮らすのに、一々意識しあってたら身体がもたないでしょう? それ言うなら、あなただって! せめて隠してください」
「確かに、今は先生のこととやかく言えるような状態じゃありませんけど、だからってそのカッコはあんまり無防備過ぎます! オレの理性が持ちません!!」
ぷしっと音を立ててプルタブを引き上げつつ、イルカは未だに全裸なカカシの状態を視認した。
「ああ、確かに崩壊寸前ですね」
「さらっと言わんでください! そーゆーコトをっ! 男らしすぎて惚れますから!」
「すみません。オレ、こーゆー性格なんです」
一気にビールをあおるイルカの様子を盗み見ながら、カカシも缶を開けた。
「もしかしてイルカ先生。オレに同棲諦めさせようとしてませんか?」
「んー、どうでしょうね。でも、この程度でおたつくようなら、一緒に暮らしていけませんよ」
「そりゃあ、そうですケド」
うつむいてビールをすすりながら、カカシは続ける。
「でもねーぇ、すっごい好きな人にそーゆーオイシイカッコで目の前ウロウロされたら、誘われてるんじゃないって頭では分かってても、襲いたくなるのが男ってもんデショー?」
「ええ」
「……分かってて、やってんですか?」
「同居って初日が肝心だと思うんですよ。互いの相互理解というか、関係の明確化に。だから、境界線を自分の中で引いておきたかったんです」
「……境界線、デスカ?」
「こういう格好であなたの前に出て手をだされたら、以後は控えるつもりでした」
にっこりと微笑むイルカに、カカシは思わず手にしていた缶を握りつぶす。
「……つもり、でした……って……あなた、今後ずっと、風呂上りにそーゆーカッコでオレの前をうろつく気なんですかーぁっ!?」
「はい」
にこにこと笑顔で返すイルカに、カカシは深く深くため息をついた。
「……はーぁっ……もう、カンベンしてくださいよー」
「……まあ正直に言うと、着替えを忘れたってだけなんですけどね」
「だったら、もーちょっと……ってタオルも濡れてんじゃないですかっ!?」
夕べ自分が使ったバスタオルをイルカの腰に巻きつけてから、カカシはまだ濡れたままのイルカの髪を拭いにかかる。
「イルカ先生が意外と手のかかる人だって分かりましたから、今後はこーなんないようにオレが気をつけます。それでいいでしょう?」
「はい。よろしくお願いします、カカシさん」
カカシにされるがままになりながら答えるイルカの声には、かすかに笑いが含んでいた。
「なーにがオカシイんでーすか?」
「いや、まさか天下のはたけカカシに髪を拭かれるとは思ってなかったので」
「髪ぐらいなんですか。オレは今後イルカ先生にありとあらゆるコトをしますよ!」
「……そう力強く宣言されると、一体何をされるのか不安になりますね……」
それまで丁寧に髪を拭っていたカカシの手が、タオル越しにイルカを抱きこんできた。
「カカシさん?」
「無理だけは、しないでよね。イルカ先生……」
カカシは、イルカがワザとふざけた雰囲気にしているのだと思ったらしい。
そうではないのだと、タオル越しに見つめても、何も伝わらない。
イルカもカカシを抱き返して、答えた。
「無理はしません」
「今は、へーきですか?」
「ええ。いつもより、すっきりしてるくらいです」
その言葉にしばしの沈黙が続いた。
お互いに夕べのコトを思い出してしまったのだろう。
あわててイルカが弁解する。
「あー。それもあるんですけど。でも、なんと言ったらいいのか……今まで意識のどこかにフィルターがかかってたみたいだったのが、クリアになって……」
「それって、切り替わる意識がなくなったってコトですか?」
「え? ……どう、なんでしょう……自分では、よく分かりません」
言われて、今朝はまだ意識の切り替えが一度もないことに気付く。
近頃は頻繁に切り替えがあったというのに。
昨日は、任務中に起こった切り替えに、ひどく不安だったのに。
カカシと会って、その不安までもがきれいに消えていた。
───カカシさんが、今の要因対象だけど……
目の前の裸のカカシの胸に、縋るように抱きついてみた。
「イルカせんせぇ?」
呼ばれて、頭にかけられたままのバスタオルの隙間からカカシを見上げる。
少し驚いたように、覗き込んでくるその表情に安堵感が広がっていく。
───きっと、大丈夫だ……
そう思えてくるから、不思議だった。
自分の気持ちにくすぐったくなり微笑む。
そんなイルカを見ながら、カカシがぽつりといった。
「なんかイルカせんせい、お嫁さんみたいですー」
頭に被った白いバスタオルに、花嫁のヴェールを見たのだろう。
そういう見立てをされるのは気恥ずかしかったが、何故か嬉しそうに頬を染めるカカシを可愛いと思った時点で自分の負けだと諦めていた。
「じゃあ、誓いのキスでもしておきましょうか?」
「え? いいんですか?」
まさかイルカからそんな言葉が聞けるとは思っていなかったのだろう。
カカシの慌てぶりがおかしくて、わざと拗ねた声をだしてやる。
「嫌ですか?」
「いいえ! 是が非でも、お願いします!」
「はい。こちらこそ末永く、よろしくお願いします」
寝乱れたままのベッドの上で、裸のままお互い向かい合って頭を下げていた。
口付けを交わす。
軽く唇を合わすだけの、けれど今精一杯の思いを込めたキスを。
そしてどちらともなく、誓った。
「「ずっと一緒に、歩いていきましょう」」
【了】
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