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【ご案内】
*『3:ほしのないよる』は性描写のみです。読み飛ばしても、お話の流れには支障ありません。苦手な方は『4:あるいていこう』へお進みください。
[蛙女屋蛙娘。@iscreamman]
【3:ほしのないよる】
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もう日暮れが近い。
イルカの部屋はすでに明かりが必要なほど暗く、ただ向かいの家の窓ガラスに反射した残照が壁に映っている。
その強い光に染まった壁を背にカカシが額を───イルカはまだ額宛てもしたままだったけれど、触れ合わせて、吐息混じりに囁いてきた。
「抱いて、いい?」
「……埃まみれですよ。オレも、アナタも」
「スイマセン。でも……」
嫌だとは言っていないイルカに気付き、カカシは強く抱きこんでくる。
「……先に、シャワー借りますね」
「どうぞ」
イルカの言葉で踏ん切りをつけるように、カカシは身を離して立ち上がった。
「場所は、湯の出し方とかも、わかりますよね。タオルは扉の横の棚にありますから」
「ええ、はい。たぶん、だいじょーうぶデス。ありがとーございマス」
アンダーシャツと下に着込んでいた帷子をほとんど一瞬で脱ぎ捨て、慌て気味にカカシは浴室へ姿を消す。
しばらくして、勢いよく水音がしだした。
まだ冷たいだろうに、カカシは湯に変わるのも待たずにシャワーを浴びているのだ。
───でも、こういう時は、そうしたくもなる……かな……
緊張しているのだ。
2人とも。
イルカは脱ぎ捨てられた衣類をまとめてカカシの荷物の上に置き、自分も額当てを外してベストを脱いだ。
髪も結い紐を解き、簡単に櫛を入れてみる。
髪についていた落ち葉の欠片が、櫛の目に引っかかり、落ちてきた。
任務先で、森の中に埋伏していた時のものだろう。
そう考えた。
途端に、意識が切り替わる。
───里で、この意識になってはダメだ……
そう念じても、イルカは替われない。
* * * * *
「イルカ先生?」
怪訝そうなカカシの声が、部屋の反対側で聞こえる。
「どうしたの?」
不用意には、近づけないのだろう。
いくら里で上位の実力を誇る上忍とは言え、完全な丸腰では。
「……カカシ、さん……今は……」
「大丈夫だよ、イルカ……」
ゆっくりと一歩一歩を確かめるように、カカシは歩み寄った。
寝台の端に背を向けて座るイルカに。
「触っても、へーき?」
ためらいと何がしかの決意を持ってうなずいたイルカの正面に屈んで、カカシが見上げてくる。
「大丈夫だから」
カカシの手がイルカの膝を包み、ゆっくりと太ももを撫で、腰を抱いた。
「イルカ先生は、ちゃんとここにいるよ」
「カカシさん……オレ、は……」
「アナタは、オレが大好きなうみのイルカなんだよ」
膝の間にまだ濡れた裸の身体を割り込ませて、カカシはイルカを抱きしめる。
「どんなアナタでも大好きだから」
その言葉に、イルカの緊張が少し緩んだようだった。
カカシは伸び上がり、まだ俯いたままのイルカに軽く口付ける。
「このまま、しちゃおっか」
カカシは片腕で背を支えながら、イルカの上体に覆い被さるようにして寝台へ押し倒した。
解いたままの髪が広がり、それまで隠していたイルカの表情をあらわにする。
「泣いていいですよ」
「オレは、そんな顔、していますか?」
「ええ」
優しく頬を、まぶたを、額を撫でながら、カカシは口付けを深くしていく。
「……でも、やめませんけーどね」
いつもの人を食ったような、けれど優しい微笑をカカシは浮かべる。
「イルカ先生も反撃、してきていーよ」
「……後悔します、よ……」
「是非、させてください♡」
互いの腕が相手を抱きしめ、唇と舌が貪りあい、脚までもが絡み合った。
「イルカ先生も、脱いでよ」
言われてイルカはハイネックの襟を引き上げて首を抜き、シャツを脱ぎ捨てる。
その間に下をカカシが裸にしていた。
再び、今度は肌を合わせて、全身で抱き合って寝台の上でもつれ合う。
「イルカ先生」
手で、唇で、舌で絶え間なくイルカに触れながら、カカシはイルカを呼んだ。
反応の有無ではなく、そこにあるイルカの肌の全てに愛しさを持って、カカシは触れる。
イルカも、同じようにカカシの身体に手を伸ばす。
愛撫というよりも、うみのイルカという人間の実在を確認する。
その形を明らかにするかのような触れ方だった。
けれど、2人に灯った熱は本物で、気付くと昂ぶった身体を互いにすり合わせている。
その動きをイルカは辛うじて抱きとめた。
「……カカシ、さん……」
「なに、イルカ先生?」
「……ちゃんと、……しましょう……」
下から軽く口付けて、煽る。
「……あの、イルカ先生……経験は?」
「知識、だけ、です……」
「オレもそーなんで、下手なのは、覚悟してくださいね」
「……とっくに、してます」
「イルカ先生……」
カカシは一度身を起こし、寝台の脇に放り出しておいた荷から用意していた物を取り出す。
「辛かったら、ちゃんと言ってくださいよ」
「善処します」
用意していた容器から掌に滑る液をたらし、カカシは指でイルカの身体を開いていった。
膝を立て、背後に手をついて身体を支えながら座ってイルカはその様子を見つめる。
カカシも、イルカの身体と顔の表情を見ながら。
どんなに時間をかけても、簡単に受け入れられるものではないと分かっている。
けれど、できるだけイルカの負担にならないよう、気を使ってくれた。
「カカシさん、もう、平気だと……」
「でも、先生が辛いの、ヤなんです」
「オレも、カカシさんが辛そうなのは、見ていられません……」
そう呟くイルカの視線が、カカシ自身に向いている。
「……イルカ先生のえっちぃ~♡」
自分の状態を知られてこれ以上の虚勢は張れないと悟ったようだ。
「……がっついちゃうだろうけど、ゴメンね」
イルカを押し倒して片膝を胸元まで抱え上げ、指で広げた場所に先端をあてがう。
そして、侵入していった。
「んっ……」
「……くぅっ」
先端さえ潜り込めば、後は楽なハズだ。
それでもカカシはゆっくりと、身体を進めてくる。
「……はぁっ……きつ……」
最後まで入ったらしく、深く息を吐いてカカシはイルカの胸に倒れこんできた。
「どーしよ。すっげーキモチイイ」
「オレに、言われても……」
「イルカ先生は?」
問われて、じっと自分を見つめてくるカカシの顔を撫でながら、正直に返す。
「……なんっていうか、腹下した時みたいです……」
「色気ねー」
正直すぎる答えにカカシがもらした苦笑は、直接イルカに伝わった。
その振動に、ぞわりと背筋が震える。
「ちょっ、笑うの、やめっ……て、くださ……」
「あ、動いたら、どう?」
「……微妙です」
「痛いとか、辛いとかない?」
「ええ」
「……動いても、いい?」
もう我慢の限界にきているのだろうカカシを見上げて、イルカは少し考える。
「……カカシさんの、好きにして……ください」
「そーゆーコト言われると、加減、できなくなりマスッ」
その言葉と同時に、カカシが腰を引いた。
ギリギリまで一気に引き抜かれ、奥まで突き上げてくる。
「……うぁっ……はっ……んんっ……」
「はっ……あっ」
揺さぶられながら、イルカは欲に溺れていくカカシの顔に見とれていた。
青白いほどの肌や整った造作で冷徹にも見えるその顔が、上気し悦楽に酔って歪んでいく。
その顔だけで、達してしまえそうだった。
「ふぅ……ふっ……あぁっ」
けれど、その律動にイルカもあわせようとする間もなく、カカシは果てる。
荒く息を乱しながら再び胸に落ちてくるカカシの顔を撫でてやると、申し訳なさそうに懐いてきた。
「……ごめんなさい。置いてきぼりに、しちゃって……」
「仕方ないですよ、お互い初心者なんだし……」
「怒ってませんかー?」
「これで終わりって言う気なら、流石に怒りますけど……」
「あ、それはご心配なく! すぐに復活しますし、今度はもっと持ちますから!」
無邪気に宣言してくれる上忍に、一抹の不安を感じながらも、イルカは彼の背に腕を回す。
「愛してますよ。カカシさん」
「オレも、愛してます。イルカ先生」
腕を強く絡め、誓うのように口付けた。
欲に浮かされてはいたが、いつの間にかイルカの意識は安定している。
気持ちの全てが、カカシに向かっているせいかもしれない。
そのことに気付くと、まるで星のない夜に遠く輝く灯火を見出したかのようだと思った。
【続く】
‡蛙女屋蛙娘。@iscreamman‡
WRITE:2004/11/30
UP DATE:2004/11/30(PC)
2009/11/08(mobile)
RE UP DATE:2024/07/30
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[蛙女屋蛙娘。@iscreamman]
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〜MISSING LINK β〜
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もう日暮れが近い。
イルカの部屋はすでに明かりが必要なほど暗く、ただ向かいの家の窓ガラスに反射した残照が壁に映っている。
その強い光に染まった壁を背にカカシが額を───イルカはまだ額宛てもしたままだったけれど、触れ合わせて、吐息混じりに囁いてきた。
「抱いて、いい?」
「……埃まみれですよ。オレも、アナタも」
「スイマセン。でも……」
嫌だとは言っていないイルカに気付き、カカシは強く抱きこんでくる。
「……先に、シャワー借りますね」
「どうぞ」
イルカの言葉で踏ん切りをつけるように、カカシは身を離して立ち上がった。
「場所は、湯の出し方とかも、わかりますよね。タオルは扉の横の棚にありますから」
「ええ、はい。たぶん、だいじょーうぶデス。ありがとーございマス」
アンダーシャツと下に着込んでいた帷子をほとんど一瞬で脱ぎ捨て、慌て気味にカカシは浴室へ姿を消す。
しばらくして、勢いよく水音がしだした。
まだ冷たいだろうに、カカシは湯に変わるのも待たずにシャワーを浴びているのだ。
───でも、こういう時は、そうしたくもなる……かな……
緊張しているのだ。
2人とも。
イルカは脱ぎ捨てられた衣類をまとめてカカシの荷物の上に置き、自分も額当てを外してベストを脱いだ。
髪も結い紐を解き、簡単に櫛を入れてみる。
髪についていた落ち葉の欠片が、櫛の目に引っかかり、落ちてきた。
任務先で、森の中に埋伏していた時のものだろう。
そう考えた。
途端に、意識が切り替わる。
───里で、この意識になってはダメだ……
そう念じても、イルカは替われない。
* * * * *
「イルカ先生?」
怪訝そうなカカシの声が、部屋の反対側で聞こえる。
「どうしたの?」
不用意には、近づけないのだろう。
いくら里で上位の実力を誇る上忍とは言え、完全な丸腰では。
「……カカシ、さん……今は……」
「大丈夫だよ、イルカ……」
ゆっくりと一歩一歩を確かめるように、カカシは歩み寄った。
寝台の端に背を向けて座るイルカに。
「触っても、へーき?」
ためらいと何がしかの決意を持ってうなずいたイルカの正面に屈んで、カカシが見上げてくる。
「大丈夫だから」
カカシの手がイルカの膝を包み、ゆっくりと太ももを撫で、腰を抱いた。
「イルカ先生は、ちゃんとここにいるよ」
「カカシさん……オレ、は……」
「アナタは、オレが大好きなうみのイルカなんだよ」
膝の間にまだ濡れた裸の身体を割り込ませて、カカシはイルカを抱きしめる。
「どんなアナタでも大好きだから」
その言葉に、イルカの緊張が少し緩んだようだった。
カカシは伸び上がり、まだ俯いたままのイルカに軽く口付ける。
「このまま、しちゃおっか」
カカシは片腕で背を支えながら、イルカの上体に覆い被さるようにして寝台へ押し倒した。
解いたままの髪が広がり、それまで隠していたイルカの表情をあらわにする。
「泣いていいですよ」
「オレは、そんな顔、していますか?」
「ええ」
優しく頬を、まぶたを、額を撫でながら、カカシは口付けを深くしていく。
「……でも、やめませんけーどね」
いつもの人を食ったような、けれど優しい微笑をカカシは浮かべる。
「イルカ先生も反撃、してきていーよ」
「……後悔します、よ……」
「是非、させてください♡」
互いの腕が相手を抱きしめ、唇と舌が貪りあい、脚までもが絡み合った。
「イルカ先生も、脱いでよ」
言われてイルカはハイネックの襟を引き上げて首を抜き、シャツを脱ぎ捨てる。
その間に下をカカシが裸にしていた。
再び、今度は肌を合わせて、全身で抱き合って寝台の上でもつれ合う。
「イルカ先生」
手で、唇で、舌で絶え間なくイルカに触れながら、カカシはイルカを呼んだ。
反応の有無ではなく、そこにあるイルカの肌の全てに愛しさを持って、カカシは触れる。
イルカも、同じようにカカシの身体に手を伸ばす。
愛撫というよりも、うみのイルカという人間の実在を確認する。
その形を明らかにするかのような触れ方だった。
けれど、2人に灯った熱は本物で、気付くと昂ぶった身体を互いにすり合わせている。
その動きをイルカは辛うじて抱きとめた。
「……カカシ、さん……」
「なに、イルカ先生?」
「……ちゃんと、……しましょう……」
下から軽く口付けて、煽る。
「……あの、イルカ先生……経験は?」
「知識、だけ、です……」
「オレもそーなんで、下手なのは、覚悟してくださいね」
「……とっくに、してます」
「イルカ先生……」
カカシは一度身を起こし、寝台の脇に放り出しておいた荷から用意していた物を取り出す。
「辛かったら、ちゃんと言ってくださいよ」
「善処します」
用意していた容器から掌に滑る液をたらし、カカシは指でイルカの身体を開いていった。
膝を立て、背後に手をついて身体を支えながら座ってイルカはその様子を見つめる。
カカシも、イルカの身体と顔の表情を見ながら。
どんなに時間をかけても、簡単に受け入れられるものではないと分かっている。
けれど、できるだけイルカの負担にならないよう、気を使ってくれた。
「カカシさん、もう、平気だと……」
「でも、先生が辛いの、ヤなんです」
「オレも、カカシさんが辛そうなのは、見ていられません……」
そう呟くイルカの視線が、カカシ自身に向いている。
「……イルカ先生のえっちぃ~♡」
自分の状態を知られてこれ以上の虚勢は張れないと悟ったようだ。
「……がっついちゃうだろうけど、ゴメンね」
イルカを押し倒して片膝を胸元まで抱え上げ、指で広げた場所に先端をあてがう。
そして、侵入していった。
「んっ……」
「……くぅっ」
先端さえ潜り込めば、後は楽なハズだ。
それでもカカシはゆっくりと、身体を進めてくる。
「……はぁっ……きつ……」
最後まで入ったらしく、深く息を吐いてカカシはイルカの胸に倒れこんできた。
「どーしよ。すっげーキモチイイ」
「オレに、言われても……」
「イルカ先生は?」
問われて、じっと自分を見つめてくるカカシの顔を撫でながら、正直に返す。
「……なんっていうか、腹下した時みたいです……」
「色気ねー」
正直すぎる答えにカカシがもらした苦笑は、直接イルカに伝わった。
その振動に、ぞわりと背筋が震える。
「ちょっ、笑うの、やめっ……て、くださ……」
「あ、動いたら、どう?」
「……微妙です」
「痛いとか、辛いとかない?」
「ええ」
「……動いても、いい?」
もう我慢の限界にきているのだろうカカシを見上げて、イルカは少し考える。
「……カカシさんの、好きにして……ください」
「そーゆーコト言われると、加減、できなくなりマスッ」
その言葉と同時に、カカシが腰を引いた。
ギリギリまで一気に引き抜かれ、奥まで突き上げてくる。
「……うぁっ……はっ……んんっ……」
「はっ……あっ」
揺さぶられながら、イルカは欲に溺れていくカカシの顔に見とれていた。
青白いほどの肌や整った造作で冷徹にも見えるその顔が、上気し悦楽に酔って歪んでいく。
その顔だけで、達してしまえそうだった。
「ふぅ……ふっ……あぁっ」
けれど、その律動にイルカもあわせようとする間もなく、カカシは果てる。
荒く息を乱しながら再び胸に落ちてくるカカシの顔を撫でてやると、申し訳なさそうに懐いてきた。
「……ごめんなさい。置いてきぼりに、しちゃって……」
「仕方ないですよ、お互い初心者なんだし……」
「怒ってませんかー?」
「これで終わりって言う気なら、流石に怒りますけど……」
「あ、それはご心配なく! すぐに復活しますし、今度はもっと持ちますから!」
無邪気に宣言してくれる上忍に、一抹の不安を感じながらも、イルカは彼の背に腕を回す。
「愛してますよ。カカシさん」
「オレも、愛してます。イルカ先生」
腕を強く絡め、誓うのように口付けた。
欲に浮かされてはいたが、いつの間にかイルカの意識は安定している。
気持ちの全てが、カカシに向かっているせいかもしれない。
そのことに気付くと、まるで星のない夜に遠く輝く灯火を見出したかのようだと思った。
【続く】
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WRITE:2004/11/30
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