1周年お題SS
【恋愛】
〜 nartic boy 1周年お題SS 〜
「ごめんなさい」
あなたとおつき合いはできません。
そう告げて誠実に頭を下げる人をみた。
忍者アカデミーの裏庭。
まだ夏の青さをしぶとく残した銀杏の大木の下で、見慣れたその人と見知らぬ女性が向かい合っている。
女性は目に涙を一杯溜めて頬を真っ赤にしていた。
膝の上辺りを握り締めた細くて小さな手が震えている様が、初心で可愛らしい。
けれど、未練がましくいい縋ろうとする彼女に、彼は静かな声ではっきりと告げた。
「オレ、今とても好きな人がいて、その人とおつき合いをしています」
だから、あなたとおつき合いすることはできません。
揺るがぬ意思をもって真っ直ぐに見つめる人に、なすすべなく女性は駆け去っていった。
彼女の気持ちをお断りをしたことは申し訳なく思うのだろうが、決して引きとめはしない。
自分が大事にするべきは、あなたではないと態度でも示してやっている。
なんて、かっこいい男だ。
「あの子より先に告白できてよかった~」
よくやった。
よくあの時、勇気を振り絞った。
グッジョブ、オレ。
うっかりと本音を口にしたその声を、カカシが惚れ抜いた男前はもちろんしっかり聞いていた。
「後先の問題じゃありません」
オレの気持ちの問題です。
「やだなあ。分かってますよ、イルカせんせ」
【了】
[蛙女屋蛙姑。@iscreamman]
WRITE:2005/10/09
UP DATE:2005/10/10(PC)
2009/11/15(mobile)
RE UP DATE:2024/08/19
〜 nartic boy 1周年お題SS 〜
「ごめんなさい」
あなたとおつき合いはできません。
そう告げて誠実に頭を下げる人をみた。
忍者アカデミーの裏庭。
まだ夏の青さをしぶとく残した銀杏の大木の下で、見慣れたその人と見知らぬ女性が向かい合っている。
女性は目に涙を一杯溜めて頬を真っ赤にしていた。
膝の上辺りを握り締めた細くて小さな手が震えている様が、初心で可愛らしい。
けれど、未練がましくいい縋ろうとする彼女に、彼は静かな声ではっきりと告げた。
「オレ、今とても好きな人がいて、その人とおつき合いをしています」
だから、あなたとおつき合いすることはできません。
揺るがぬ意思をもって真っ直ぐに見つめる人に、なすすべなく女性は駆け去っていった。
彼女の気持ちをお断りをしたことは申し訳なく思うのだろうが、決して引きとめはしない。
自分が大事にするべきは、あなたではないと態度でも示してやっている。
なんて、かっこいい男だ。
「あの子より先に告白できてよかった~」
よくやった。
よくあの時、勇気を振り絞った。
グッジョブ、オレ。
うっかりと本音を口にしたその声を、カカシが惚れ抜いた男前はもちろんしっかり聞いていた。
「後先の問題じゃありません」
オレの気持ちの問題です。
「やだなあ。分かってますよ、イルカせんせ」
【了】
[蛙女屋蛙姑。@iscreamman]
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UP DATE:2005/10/10(PC)
2009/11/15(mobile)
RE UP DATE:2024/08/19