ちゃきっ様
【バイトしましょ♪】
~ 後日 ~
01:00 そしてそれから
俺が、『笑顔の脅迫』に耐えかねて…アスマや火影様等『知っている』人達に今日のコトをばらして回ると言うのだ。そんな事されたら一生笑い者にされる…顔見知りの上忍に頼まれた件を白状すると
「ああ、その方ですか。」
何度かナルトを殺しに来た方ですね
と、酷く物騒な事を言ってくれた。
「…ナニ?」
認めたばかりとは言え可愛い部下の事に、瞬時に殺気立つ。『上忍』の顔に戻った俺に、イルカ先生が薄く微笑んだ。
「元々アカデミーや受付は、里の情報や今後の人材を育てる為の重要拠点ですから幾重にも警戒されているんです。」
アカデミー生や一般人には無害でも忍には反応する罠や結界
「常駐している暗部とか…ね。」
そして。
ナルトが一人暮らしを始めた…アカデミー入学以来、同じ警戒があの子の家にも敷かれたのだそうだ。
「そうすると、判るんですよ。何度も…あの子の家やアカデミーからの帰り道を狙って来る『馬鹿』は。」
手出ししてくる様ならこちらも処分するんですが例えクナイを手にしていても、悪意を持って睨みつけるだけで帰られては何も出来なくて
「どうも『里の処分』を恐れる程度の理性はあるみたいなんですよね。」
嘆息する、イルカ。
「ナルトが悲しむし魘されるから止めて戴きたいんですけど、『そんなの』まで処理してると里の忍が大半いなくなりますし」
眼に余る様な危険な輩は、『長期任務』に就いて戴く様に斡旋していたんです
「漸く戻って来たって言うのに、まだ懲りて無いみたいですねぇ。」
小さく肩を竦めて呟いて、それから。
「でも、俺がアイツと関わる様になってからそう言う燻った輩の矛先がコッチに向く様になったんですよ。」
と、妙に嬉しそうに話してくれた。
「ナルトへの『後追い』も減りましたし、闇討ちでもしに来てくれれば半殺しにして差し上げられるんで楽しみにしていたのですが…」
どうも俺の『醜聞』を集めての追い落としに掛かって来たみたいなんです これまでも何人か『調査』しに来ましたから
再び、ため息。前任者達はあの、同僚『達』と組んで上手く誤魔化して来たのだそうだ。
「確かにアイツは俺の事慕ってくれていますから、『醜聞』で『処分』にでもなれば傷付くでしょうし。」
其処で俺をちらりと、見て
「ましてやソレを、認めてくれた現『上忍師』が為したとなれば。かなりの衝撃でしょうね。」
と。そう…締め括った。
そして。語られた内容に、俺は
「・・・・・・」
沸き起こる殺気を制御出来ない。此処まで怒り狂ったのは久し振りだった。
先刻までの、イルカ達に欺かれた時に感じたのとは桁の違う…憎悪。
そう言われれば辻褄が合う。『調査』の割りに高額な事も、やたらと『醜聞』を強調して来た事も。
つまり、俺は。
俺に、俺自身の手で『仲間』を傷付け…苦しませるべく画策した輩に。まんまと乗せられたのだ。
「…カカシ先生。」
そっと、手を重ねられ。我を忘れかけていた俺は現実へと引き戻された。
「駄目ですよ、手を出したら先生が罰せられます。」
そうしたら結局、ナルト達が悲しむ事になります。
静かに諭されて。血走った目を向けてしまう。
「…少なくとも『まだ』何もしていないんですし。」
『まだ』…ね
穏やかで優しい声音が、俺に語り掛ける…
それから一月程して。
里を抜けんとした上忍が一人、『暗部』と『元暗部』の手に寄って粛清された。
何でも長く『外地任務』に付いていたその上忍は、最近『里でもトップクラスの上忍』との間にトラブルを起こしていた…らしい。
「根性なしですよね~ナルトがされた事を俺がしてやっただけだってのに。」
「カカシ先生の殺気は重いから。余程肝が据わって無いと神経が持ちませんよ。」
杯を手に、けらけらと笑う人。
適当な報告と引き換えに、あの男からしっかりせしめた『バイト代』は二本の酒へと変えられ。一つは今、イルカ宅の食卓を賑わしている。
尚、もう一本はイルカ先生経由で『迷惑を掛けた』同僚の元に渡っていた。…そうでもしないとこのささやかな宴に参加して来そうだったので。
俺はあの男、どうも苦手だ。
「そう言う割に、先生は動じませんでしたよね。」
「そりゃ、経験値が違いますから。」
にこにこと妙に可愛い顔で笑いながら軽く、言う。
互いに注ぎながら飲む酒は極上で。
肴にと出されたイルカの手料理はとても美味しくて。
イルカの部屋は居心地良く。
交される会話は楽しくて。
俺は…随分と満ち足りた気分で、目の前の『中忍』の顔を眺め続けた。
終 …バカ?
[ちゃきっ@天手古舞]
DL:-
UP DATE:-
RE UP DATE:2024/08/20
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
nartic boyで相互リンクしていだいていた【天手古舞】のちゃきっさんに『イルカ先生24時間観察記録』というリクエストで書いて頂きました。
パーペキな強イルカ先生がここにいるっ!
ありがとうございましたorz(平伏)
‡蛙女屋蛙姑。@iscreamman‡
~ 後日 ~
01:00 そしてそれから
俺が、『笑顔の脅迫』に耐えかねて…アスマや火影様等『知っている』人達に今日のコトをばらして回ると言うのだ。そんな事されたら一生笑い者にされる…顔見知りの上忍に頼まれた件を白状すると
「ああ、その方ですか。」
何度かナルトを殺しに来た方ですね
と、酷く物騒な事を言ってくれた。
「…ナニ?」
認めたばかりとは言え可愛い部下の事に、瞬時に殺気立つ。『上忍』の顔に戻った俺に、イルカ先生が薄く微笑んだ。
「元々アカデミーや受付は、里の情報や今後の人材を育てる為の重要拠点ですから幾重にも警戒されているんです。」
アカデミー生や一般人には無害でも忍には反応する罠や結界
「常駐している暗部とか…ね。」
そして。
ナルトが一人暮らしを始めた…アカデミー入学以来、同じ警戒があの子の家にも敷かれたのだそうだ。
「そうすると、判るんですよ。何度も…あの子の家やアカデミーからの帰り道を狙って来る『馬鹿』は。」
手出ししてくる様ならこちらも処分するんですが例えクナイを手にしていても、悪意を持って睨みつけるだけで帰られては何も出来なくて
「どうも『里の処分』を恐れる程度の理性はあるみたいなんですよね。」
嘆息する、イルカ。
「ナルトが悲しむし魘されるから止めて戴きたいんですけど、『そんなの』まで処理してると里の忍が大半いなくなりますし」
眼に余る様な危険な輩は、『長期任務』に就いて戴く様に斡旋していたんです
「漸く戻って来たって言うのに、まだ懲りて無いみたいですねぇ。」
小さく肩を竦めて呟いて、それから。
「でも、俺がアイツと関わる様になってからそう言う燻った輩の矛先がコッチに向く様になったんですよ。」
と、妙に嬉しそうに話してくれた。
「ナルトへの『後追い』も減りましたし、闇討ちでもしに来てくれれば半殺しにして差し上げられるんで楽しみにしていたのですが…」
どうも俺の『醜聞』を集めての追い落としに掛かって来たみたいなんです これまでも何人か『調査』しに来ましたから
再び、ため息。前任者達はあの、同僚『達』と組んで上手く誤魔化して来たのだそうだ。
「確かにアイツは俺の事慕ってくれていますから、『醜聞』で『処分』にでもなれば傷付くでしょうし。」
其処で俺をちらりと、見て
「ましてやソレを、認めてくれた現『上忍師』が為したとなれば。かなりの衝撃でしょうね。」
と。そう…締め括った。
そして。語られた内容に、俺は
「・・・・・・」
沸き起こる殺気を制御出来ない。此処まで怒り狂ったのは久し振りだった。
先刻までの、イルカ達に欺かれた時に感じたのとは桁の違う…憎悪。
そう言われれば辻褄が合う。『調査』の割りに高額な事も、やたらと『醜聞』を強調して来た事も。
つまり、俺は。
俺に、俺自身の手で『仲間』を傷付け…苦しませるべく画策した輩に。まんまと乗せられたのだ。
「…カカシ先生。」
そっと、手を重ねられ。我を忘れかけていた俺は現実へと引き戻された。
「駄目ですよ、手を出したら先生が罰せられます。」
そうしたら結局、ナルト達が悲しむ事になります。
静かに諭されて。血走った目を向けてしまう。
「…少なくとも『まだ』何もしていないんですし。」
『まだ』…ね
穏やかで優しい声音が、俺に語り掛ける…
それから一月程して。
里を抜けんとした上忍が一人、『暗部』と『元暗部』の手に寄って粛清された。
何でも長く『外地任務』に付いていたその上忍は、最近『里でもトップクラスの上忍』との間にトラブルを起こしていた…らしい。
「根性なしですよね~ナルトがされた事を俺がしてやっただけだってのに。」
「カカシ先生の殺気は重いから。余程肝が据わって無いと神経が持ちませんよ。」
杯を手に、けらけらと笑う人。
適当な報告と引き換えに、あの男からしっかりせしめた『バイト代』は二本の酒へと変えられ。一つは今、イルカ宅の食卓を賑わしている。
尚、もう一本はイルカ先生経由で『迷惑を掛けた』同僚の元に渡っていた。…そうでもしないとこのささやかな宴に参加して来そうだったので。
俺はあの男、どうも苦手だ。
「そう言う割に、先生は動じませんでしたよね。」
「そりゃ、経験値が違いますから。」
にこにこと妙に可愛い顔で笑いながら軽く、言う。
互いに注ぎながら飲む酒は極上で。
肴にと出されたイルカの手料理はとても美味しくて。
イルカの部屋は居心地良く。
交される会話は楽しくて。
俺は…随分と満ち足りた気分で、目の前の『中忍』の顔を眺め続けた。
終 …バカ?
[ちゃきっ@天手古舞]
DL:-
UP DATE:-
RE UP DATE:2024/08/20
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
nartic boyで相互リンクしていだいていた【天手古舞】のちゃきっさんに『イルカ先生24時間観察記録』というリクエストで書いて頂きました。
パーペキな強イルカ先生がここにいるっ!
ありがとうございましたorz(平伏)
‡蛙女屋蛙姑。@iscreamman‡