Golden Japanese Diarys
【06.5 food 02.5】
〜Golden Japanese Diarys〜
[Happily Ever After番外編]
さて、城戸家の10人兄弟が学園へ通い始めたその日の昼時、邸で仕事をしている居候3人は初めて弁当を使うこととなった。
アフロディーテが担当しているバラの花壇が望める四阿、その優美な佇まいとは一線を画す素っ気ないが重量級の弁当箱───いわゆるドカベンが3つ並ぶ。
更に大きなおにぎりがそれぞれ4つ、そして大振りの椀には豆腐と根深の味噌汁が湯気を立てている。
寿司屋で見かけるような湯呑み茶碗にはたっぶり緑茶が注がれ、後は自分で勝手にやれと言わんばかりに薬缶と急須まで揃っていた。
「味噌汁は賄いだが、弁当はにぃちゃんと俺で作ったもんだ。さあ、有り難く食らいやがれ 」
「これを朝から楽しみにしていたのだよ。いただきます」
「いただきます」
食前の挨拶を唱和すると同時に箸を取り、まずは椀から味噌汁をひと啜り。
そして、揃って息を吐く。
「はー。なんだろうな、ミソスープを口にした時の感覚は。安堵感に近いが、少し違うのだよ」
「充足感とも近いな」
彼らが日本で暮らすようになってまだ日は浅いが、それぞれ多少の差はあっても箸は使えるようになったし、こうして食器に直接口をつけてスープを飲む事への抵抗もない。
慣れ親しんだ物とは違ってもこれがこの国の食事マナーだと言われれば理解したし、どうしてこういう食べ方になっているのかを解説されて納得もした。
むしろ大変合理的だと感心さえする時がある。
それはきっと公園や街角の屋台で買った物は手掴みでかぶりつくのが醍醐味で、態々テーブルに着いてカトラリーを使って食するのは味気ないと感じるのと同じだ。
料理にはそれに相応しい食べ方があるのだから。
「サバにカレーの風味は合うのだな。トリのカラアゲもいいが、サバもいい」
「カボチャはこんなに甘い物だったのか。いや甘いだけでなく旨みも塩気もあるし、なによりくどい甘さではないな」
味噌汁からおかずに続いておにぎりにかぶりつくと、それぞれが嬉しそうな顔つきになった。
どうやら好物の具だったようで、アフロディーテは焼き鮭、シュラは山葵昆布をおかずを挟みながら食べ進める。
星座が食の好みに影響を与えるとは思えないのだが、不思議と元山羊座は野菜から、元魚座は魚から消費していく。
「ほう、ミートボールと茹で玉子にかかっているトマトソースは懐かしい味だな」
「ああ。意外と飯にも合うのだな」
2つめにふりかけを混ぜ込んだおにぎりを手にした2人の食レポを聞きながら、海苔を半分巻いた梅オカカのおにぎりにかぶりついたカニ(仮)が身も蓋もない事を言う。
「……ようは旨いって事だろうが」
「君は料理人の癖に、食べる人間の正直な感想には興味がないのか?」
「こっちとしちゃあ何を言われようがな、食べ終わった皿を見る方がよっぽど伝わんだよ。ほら、食え食え」
手掛けた本人からそう言われてしまえば、そういうものかと2人は次のおかずで口を塞ぐ。
目の前で褒められるのが照れ臭いのだろうな、とも考えるが。
おかずのほとんどは彼らにとっては最近覚えた醤油や味噌などの新しい味覚だが、トマトソースだけは長年慣れ親しんだ味に近い。
手に入る材料は違うから同じ味にするにはまだ試行錯誤が続くだろうが、いずれはあの頃より美味い物が出てくるはずだ。
「んでよ。お前らそれで足りるか?」
あらかたおかずを片付けたところで、緑茶をすすりながらカニ(仮)が問う。
砂糖を入れない緑茶にも慣れたな、と感慨にひたりながら。
「まだ入るけれど、腹8分目と言うのだろう? 午後の作業をすれば、ちょうど午後のお茶の時間にはまた空腹になっているさ」
「オレはちょうどいいが、今後を考えると控えめにしていくべきかもしれん」
園丁として肉体労働に従事するアフロディーテはともかく、以前に比べると格段に運動量が減ったシュラとカニ(仮)は食事量を調整する必要があった。
おにぎりを互いに3つで止め、物欲しげに見ている魚座に残りを譲る。
仕事中の水分補給用に飲み物を入れている小さめのクーラーボックスへしまったので、痛むことはないはずだ。
「俺は味見だなんだで、1日中食ってるからなぁ。気をつけねえとリキシになっちまう」
カニ(仮)が腹を強調するようなジェスチャーをすれば、確かになと2人が笑う。
実は居候たち共通の娯楽がテレビでの相撲観戦だ。
大柄なサガとカノンが衣服が揃わなくて浴衣生活を強いられていた頃、城戸家の兄弟たちが『ヨコヅナ』と呼んでいたのが興味を持ったきっかけである。
ご丁寧に『サガノヤマ』『カノンウミ』なる四股名まであった事は、本人たちだけが知らない。
元々、全員スポーツを観るのは好きであったし、儀式的な仕草で厳格に行われる格闘技は実際に戦闘を生業としていた者の目で見ても面白い。
なにより試合の決着が早く明確なのと、決まり手が発表されるのが素人でもとっつきやすかった。
時には1分を超える大相撲や見極めの難しい取り組みもあるが、それもまた魅力である。
当初は鬱々としていたサガでさえ取り組みの時間になればテレビ前に待機していたので、西棟の家族用居間に置かれていたテレビは幕下の取り組みから観られるよう衛星放送対応に変えられた程だ。
そんなこんなで、居候たちの間ではスモウブームが起きている。
それぞれ贔屓力士もいるし、いつか自分の稼ぎで国技館へ観戦に行くことは密かに彼らの目標になっていた。
「そのうち誰かああなってみろ? 俺の作る飯が全部チャンコって呼ばれるぜ」
それもまた楽しいだろう、とは思うけれど。
★ ☆ ★ ☆ ★
同時刻───都心にあるグラード財団本部の総帥室で、執務机から接客用のソファスペースに移動した城戸沙織は1人がけのソファに陣取って昼食の包みをうきうきと広げていた。
部屋付きのミニキッチンでお茶を入れていた執事が戻るや隣に座らせ、向かいで畏る双子に微笑みかける。
「さあ、いただきましょうか。一輝お兄様手作りのお弁当を」
なんの飾りもないシンプルな弁当箱の蓋を開け、まあと嬉しげな声を上げる。
同席する事になってしまった執事と元反逆者な双子もそれぞれの重量感のある弁当箱を手に、感心したように唸った。
おかずの内容は皆同じだが、それぞれの好みに合わせてか少しずつ量が違う。
サガにはさっぱりした味の物を、カノンには魚料理を気持ち多めに。
辰巳は好みが分からなかったのか全てが平均的に詰められていて、沙織用には煮物などが食べやすいよう小さめにカットされている。
「……どれから手をつければいいか、迷うわね」
そう言いながらも沙織の箸は戸惑いなく唐揚げを摘まみあげ、口へと運んだ。
噛み締めると溢れ出す鶏の旨味と調味料の香味が逃げ出さないよう、思わず息を止めてしまう。
揚げたても魅力的だが、冷めているからこそ味覚を独り占めする贅沢を堪能しようと無作法を承知で箸を持った手で口元を押さえつつ、しっかり咀嚼してから飲み込んだ。
「美味しいわね。うふふ、一輝お兄様にお強請りしてよかった」
実は少し前に瞬が一輝に手料理を強請った時、沙織はありつけなかった。
話の流れで兄弟たちだけでなく居候にまで振る舞う事になって、あと2人分くらい増えても変わらないからと沙織の分も必要か確認してくれていたのに、執事の独断で勝手に断られていたのである。
ちょうど財団関連のパーティーが入っていたからというのは仕方がないにしても、知らない所で断られていた挙句、帰宅したら兄弟達が楽しげに料理の感想を言い合っていたのだから堪らない。
戦女神に聖闘士が飯テロを仕掛けるとは、もはや反乱どころか宣戦布告も同然。
よろしい、ならば戦争だ。
食べ物の怨み、晴らさでおくべきか。
思わず黄金の杖と神衣 を召喚しかけた沙織をなだめる為、一輝が残り物で簡単な夜食を作った上で、今後は執事ではなく本人に予定を確認するよう誓約させた。
これは神との盟約であるから違えれば神罰を下します、とまで言ってしまったのはやりすぎかしら、と少しだけ反省している。
そして、勝手に断りを入れてくれた執事には現在進行形でお仕置き中。
沙織の前では一輝への悪態を禁止し、代わりに賛美するよう命じたのだ。
一応、建前として「私の執事である貴方が事あるごとに一輝お兄様を悪く言っていたら、聞きつけた誰かが尾鰭をつけて財団に不利な噂を流すかもしれないでしょう?」と最もらしい理由もつけて。
「あら、おにぎりの具もみんな違うのね。辰巳のはなにかしら?」
「は、はは。このにぎり飯の具は斬新ですよ、お嬢様。ワサビの辛味が昆布の旨味を引き出す上に、後口がさっぱりしますな」
しっかりと感想を伝えた後、沙織の視線に促されるまま、棒読みで「サスガイッキサマ」と付け加える忠実な執事。
これは嫌々ながらも了承した以上は引きつりながらも従う辰巳より、誉め殺される一輝の方が辛いのではないか、と飛び火を恐れて傍観に徹していた双子は3つ目のおにぎりを咀嚼しながらそう考えていた。
【続く】
‡蛙女屋蛙姑。@iscreamman‡
WRITE:2020/09/28〜2020/09/29
UP DATE:2020/09/29
RE UP DATE:2024/08/17
〔食べ物 その2.5〕
〜Golden Japanese Diarys〜
[Happily Ever After番外編]
さて、城戸家の10人兄弟が学園へ通い始めたその日の昼時、邸で仕事をしている居候3人は初めて弁当を使うこととなった。
アフロディーテが担当しているバラの花壇が望める四阿、その優美な佇まいとは一線を画す素っ気ないが重量級の弁当箱───いわゆるドカベンが3つ並ぶ。
更に大きなおにぎりがそれぞれ4つ、そして大振りの椀には豆腐と根深の味噌汁が湯気を立てている。
寿司屋で見かけるような湯呑み茶碗にはたっぶり緑茶が注がれ、後は自分で勝手にやれと言わんばかりに薬缶と急須まで揃っていた。
「味噌汁は賄いだが、弁当はにぃちゃんと俺で作ったもんだ。さあ、
「これを朝から楽しみにしていたのだよ。いただきます」
「いただきます」
食前の挨拶を唱和すると同時に箸を取り、まずは椀から味噌汁をひと啜り。
そして、揃って息を吐く。
「はー。なんだろうな、ミソスープを口にした時の感覚は。安堵感に近いが、少し違うのだよ」
「充足感とも近いな」
彼らが日本で暮らすようになってまだ日は浅いが、それぞれ多少の差はあっても箸は使えるようになったし、こうして食器に直接口をつけてスープを飲む事への抵抗もない。
慣れ親しんだ物とは違ってもこれがこの国の食事マナーだと言われれば理解したし、どうしてこういう食べ方になっているのかを解説されて納得もした。
むしろ大変合理的だと感心さえする時がある。
それはきっと公園や街角の屋台で買った物は手掴みでかぶりつくのが醍醐味で、態々テーブルに着いてカトラリーを使って食するのは味気ないと感じるのと同じだ。
料理にはそれに相応しい食べ方があるのだから。
「サバにカレーの風味は合うのだな。トリのカラアゲもいいが、サバもいい」
「カボチャはこんなに甘い物だったのか。いや甘いだけでなく旨みも塩気もあるし、なによりくどい甘さではないな」
味噌汁からおかずに続いておにぎりにかぶりつくと、それぞれが嬉しそうな顔つきになった。
どうやら好物の具だったようで、アフロディーテは焼き鮭、シュラは山葵昆布をおかずを挟みながら食べ進める。
星座が食の好みに影響を与えるとは思えないのだが、不思議と元山羊座は野菜から、元魚座は魚から消費していく。
「ほう、ミートボールと茹で玉子にかかっているトマトソースは懐かしい味だな」
「ああ。意外と飯にも合うのだな」
2つめにふりかけを混ぜ込んだおにぎりを手にした2人の食レポを聞きながら、海苔を半分巻いた梅オカカのおにぎりにかぶりついたカニ(仮)が身も蓋もない事を言う。
「……ようは旨いって事だろうが」
「君は料理人の癖に、食べる人間の正直な感想には興味がないのか?」
「こっちとしちゃあ何を言われようがな、食べ終わった皿を見る方がよっぽど伝わんだよ。ほら、食え食え」
手掛けた本人からそう言われてしまえば、そういうものかと2人は次のおかずで口を塞ぐ。
目の前で褒められるのが照れ臭いのだろうな、とも考えるが。
おかずのほとんどは彼らにとっては最近覚えた醤油や味噌などの新しい味覚だが、トマトソースだけは長年慣れ親しんだ味に近い。
手に入る材料は違うから同じ味にするにはまだ試行錯誤が続くだろうが、いずれはあの頃より美味い物が出てくるはずだ。
「んでよ。お前らそれで足りるか?」
あらかたおかずを片付けたところで、緑茶をすすりながらカニ(仮)が問う。
砂糖を入れない緑茶にも慣れたな、と感慨にひたりながら。
「まだ入るけれど、腹8分目と言うのだろう? 午後の作業をすれば、ちょうど午後のお茶の時間にはまた空腹になっているさ」
「オレはちょうどいいが、今後を考えると控えめにしていくべきかもしれん」
園丁として肉体労働に従事するアフロディーテはともかく、以前に比べると格段に運動量が減ったシュラとカニ(仮)は食事量を調整する必要があった。
おにぎりを互いに3つで止め、物欲しげに見ている魚座に残りを譲る。
仕事中の水分補給用に飲み物を入れている小さめのクーラーボックスへしまったので、痛むことはないはずだ。
「俺は味見だなんだで、1日中食ってるからなぁ。気をつけねえとリキシになっちまう」
カニ(仮)が腹を強調するようなジェスチャーをすれば、確かになと2人が笑う。
実は居候たち共通の娯楽がテレビでの相撲観戦だ。
大柄なサガとカノンが衣服が揃わなくて浴衣生活を強いられていた頃、城戸家の兄弟たちが『ヨコヅナ』と呼んでいたのが興味を持ったきっかけである。
ご丁寧に『サガノヤマ』『カノンウミ』なる四股名まであった事は、本人たちだけが知らない。
元々、全員スポーツを観るのは好きであったし、儀式的な仕草で厳格に行われる格闘技は実際に戦闘を生業としていた者の目で見ても面白い。
なにより試合の決着が早く明確なのと、決まり手が発表されるのが素人でもとっつきやすかった。
時には1分を超える大相撲や見極めの難しい取り組みもあるが、それもまた魅力である。
当初は鬱々としていたサガでさえ取り組みの時間になればテレビ前に待機していたので、西棟の家族用居間に置かれていたテレビは幕下の取り組みから観られるよう衛星放送対応に変えられた程だ。
そんなこんなで、居候たちの間ではスモウブームが起きている。
それぞれ贔屓力士もいるし、いつか自分の稼ぎで国技館へ観戦に行くことは密かに彼らの目標になっていた。
「そのうち誰かああなってみろ? 俺の作る飯が全部チャンコって呼ばれるぜ」
それもまた楽しいだろう、とは思うけれど。
★ ☆ ★ ☆ ★
同時刻───都心にあるグラード財団本部の総帥室で、執務机から接客用のソファスペースに移動した城戸沙織は1人がけのソファに陣取って昼食の包みをうきうきと広げていた。
部屋付きのミニキッチンでお茶を入れていた執事が戻るや隣に座らせ、向かいで畏る双子に微笑みかける。
「さあ、いただきましょうか。一輝お兄様手作りのお弁当を」
なんの飾りもないシンプルな弁当箱の蓋を開け、まあと嬉しげな声を上げる。
同席する事になってしまった執事と元反逆者な双子もそれぞれの重量感のある弁当箱を手に、感心したように唸った。
おかずの内容は皆同じだが、それぞれの好みに合わせてか少しずつ量が違う。
サガにはさっぱりした味の物を、カノンには魚料理を気持ち多めに。
辰巳は好みが分からなかったのか全てが平均的に詰められていて、沙織用には煮物などが食べやすいよう小さめにカットされている。
「……どれから手をつければいいか、迷うわね」
そう言いながらも沙織の箸は戸惑いなく唐揚げを摘まみあげ、口へと運んだ。
噛み締めると溢れ出す鶏の旨味と調味料の香味が逃げ出さないよう、思わず息を止めてしまう。
揚げたても魅力的だが、冷めているからこそ味覚を独り占めする贅沢を堪能しようと無作法を承知で箸を持った手で口元を押さえつつ、しっかり咀嚼してから飲み込んだ。
「美味しいわね。うふふ、一輝お兄様にお強請りしてよかった」
実は少し前に瞬が一輝に手料理を強請った時、沙織はありつけなかった。
話の流れで兄弟たちだけでなく居候にまで振る舞う事になって、あと2人分くらい増えても変わらないからと沙織の分も必要か確認してくれていたのに、執事の独断で勝手に断られていたのである。
ちょうど財団関連のパーティーが入っていたからというのは仕方がないにしても、知らない所で断られていた挙句、帰宅したら兄弟達が楽しげに料理の感想を言い合っていたのだから堪らない。
戦女神に聖闘士が飯テロを仕掛けるとは、もはや反乱どころか宣戦布告も同然。
よろしい、ならば戦争だ。
食べ物の怨み、晴らさでおくべきか。
思わず
これは神との盟約であるから違えれば神罰を下します、とまで言ってしまったのはやりすぎかしら、と少しだけ反省している。
そして、勝手に断りを入れてくれた執事には現在進行形でお仕置き中。
沙織の前では一輝への悪態を禁止し、代わりに賛美するよう命じたのだ。
一応、建前として「私の執事である貴方が事あるごとに一輝お兄様を悪く言っていたら、聞きつけた誰かが尾鰭をつけて財団に不利な噂を流すかもしれないでしょう?」と最もらしい理由もつけて。
「あら、おにぎりの具もみんな違うのね。辰巳のはなにかしら?」
「は、はは。このにぎり飯の具は斬新ですよ、お嬢様。ワサビの辛味が昆布の旨味を引き出す上に、後口がさっぱりしますな」
しっかりと感想を伝えた後、沙織の視線に促されるまま、棒読みで「サスガイッキサマ」と付け加える忠実な執事。
これは嫌々ながらも了承した以上は引きつりながらも従う辰巳より、誉め殺される一輝の方が辛いのではないか、と飛び火を恐れて傍観に徹していた双子は3つ目のおにぎりを咀嚼しながらそう考えていた。
【続く】
‡蛙女屋蛙姑。@iscreamman‡
WRITE:2020/09/28〜2020/09/29
UP DATE:2020/09/29
RE UP DATE:2024/08/17