サスナル3つのお題
【お邪魔虫か暴れ馬】
〜 サスナル3つのお題 〜
[nartic boy 5周年企画]
不思議なことに、ナルトが急にモテ出したのだ。
一様に首を傾げる同期の中にあって、ずっと彼に片思い拗らせていたヒナタは当然とばかりに力説する。
「だって、ナルトくんかっこいいし優しいしかわいいでしょ!」
意味不明だ。
しかし、冷静ないのとサクラの分析ならば恋愛に興味の薄い男共にも頷ける。
「昔はウチらん中でもちっさかったのに、最近ぐんと背が伸びたでしょ。顔付きも男っぽくなってきたし」
「あと6代目火影になっちゃったカカシ先生の教え子で、伝説の三忍の自来也様の弟子。ついでに5代目火影の綱手様にも認められてるってのもポイント高いわね」
「何より、木ノ葉隠れの英雄である4代目火影の子供だったとか、第4次忍界大戦を終結に導いた英雄だとか、もう色々ハイスペック過ぎるわ」
「なのに本人はそんな事感じさせないくらい気さくで人懐っこいから、アイツの功績しか知らない他所の里の忍が憧れたり、アカデミー生が懐いたりしてんのよ」
ただのオチコボレだったのにねー。
と、笑いあう2人にだって、ナルトの努力も実力も他の誰より身近で見ていたせいか、最近になって騒ぎ出した他のくのいちたちに何を今更という思いがある。
アカデミー時代から初恋醸して拗らせているヒナタなど、言うまでもない。
「だからね、私たちでナルトくんを守ればいいと思うの!」
「守るってぇ?」
「アイツをかぁ!」
今や同期の誰よりも強い忍と言えるナルトだ。
そんな、お守りのような事が必要なのか、と考える男共と違い、くのいち3人は本気だった。
「だって、ナルトくん、自分がモテてるって自覚ないんだものっ!」
「そうそう、アイツお子様だから」
「どっかの悪い虫にうっかり食われかねないわ……」
そう、指摘され、思い至る節のある数人が頭を抱える。
エロ仙人と呼んでいた18禁小説作家でオープンエロな自来也と数年過ごしていたにも関わらず、ナルトは色事に無関心で鈍感だ。
かと言って純真無垢というわけでもなく、若い男ばかりで集まった時に誰からともなく始まる猥談に参加するのだが、特に興奮したり恥ずかしがったりはしない。
つまり、知ってはいても理解していないのだ。
「……分かった」
今や同期の参謀役となったシカマルが重々しく請け負う。
普段はおしとやかなヒナタすら危惧するナルトの色恋は、いずれ火影となる者の色恋でもあるから何処の馬の骨とも分からぬ輩に掻っ攫われてはたまらない。
それに、一番危険な人物にも心当たりがあるのだ。
「めんどくせぇが、アイツはオレたちで守ってやろうぜ」
[お題]
《悪い虫/淑女/門番》
【了】
‡蛙女屋蛙姑。@ iscreamman‡
WRITE:2015/10/09
UP DATE:2015/10/10(mobile)
RE UP DATE:2024/08/19
〜 サスナル3つのお題 〜
[nartic boy 5周年企画]
不思議なことに、ナルトが急にモテ出したのだ。
一様に首を傾げる同期の中にあって、ずっと彼に片思い拗らせていたヒナタは当然とばかりに力説する。
「だって、ナルトくんかっこいいし優しいしかわいいでしょ!」
意味不明だ。
しかし、冷静ないのとサクラの分析ならば恋愛に興味の薄い男共にも頷ける。
「昔はウチらん中でもちっさかったのに、最近ぐんと背が伸びたでしょ。顔付きも男っぽくなってきたし」
「あと6代目火影になっちゃったカカシ先生の教え子で、伝説の三忍の自来也様の弟子。ついでに5代目火影の綱手様にも認められてるってのもポイント高いわね」
「何より、木ノ葉隠れの英雄である4代目火影の子供だったとか、第4次忍界大戦を終結に導いた英雄だとか、もう色々ハイスペック過ぎるわ」
「なのに本人はそんな事感じさせないくらい気さくで人懐っこいから、アイツの功績しか知らない他所の里の忍が憧れたり、アカデミー生が懐いたりしてんのよ」
ただのオチコボレだったのにねー。
と、笑いあう2人にだって、ナルトの努力も実力も他の誰より身近で見ていたせいか、最近になって騒ぎ出した他のくのいちたちに何を今更という思いがある。
アカデミー時代から初恋醸して拗らせているヒナタなど、言うまでもない。
「だからね、私たちでナルトくんを守ればいいと思うの!」
「守るってぇ?」
「アイツをかぁ!」
今や同期の誰よりも強い忍と言えるナルトだ。
そんな、お守りのような事が必要なのか、と考える男共と違い、くのいち3人は本気だった。
「だって、ナルトくん、自分がモテてるって自覚ないんだものっ!」
「そうそう、アイツお子様だから」
「どっかの悪い虫にうっかり食われかねないわ……」
そう、指摘され、思い至る節のある数人が頭を抱える。
エロ仙人と呼んでいた18禁小説作家でオープンエロな自来也と数年過ごしていたにも関わらず、ナルトは色事に無関心で鈍感だ。
かと言って純真無垢というわけでもなく、若い男ばかりで集まった時に誰からともなく始まる猥談に参加するのだが、特に興奮したり恥ずかしがったりはしない。
つまり、知ってはいても理解していないのだ。
「……分かった」
今や同期の参謀役となったシカマルが重々しく請け負う。
普段はおしとやかなヒナタすら危惧するナルトの色恋は、いずれ火影となる者の色恋でもあるから何処の馬の骨とも分からぬ輩に掻っ攫われてはたまらない。
それに、一番危険な人物にも心当たりがあるのだ。
「めんどくせぇが、アイツはオレたちで守ってやろうぜ」
[お題]
《悪い虫/淑女/門番》
【了】
‡蛙女屋蛙姑。@ iscreamman‡
WRITE:2015/10/09
UP DATE:2015/10/10(mobile)
RE UP DATE:2024/08/19