幼少期
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学年が上がると、やっぱり真太郎くんとはクラスが別れてしまった。
相変わらず休み時間や登下校ずっと一緒にいるけど、授業時間は当然別なので彼は最近いろいろぼろぼろになっている。
上履きや教科書が水浸しになることなんてザラにあるので、見かけた上級生には密かにいじめを疑われている。
真太郎くんのツイてない出来事の一部には同級生もかかわっているがもちろんわざとではないのだ。
週に1回は必ずあの神社や、雨が降っていけないときは通学路の途中のお地蔵様にまで手を合わせてなんとか真太郎くんは生活できている。
あんまり私が神様などにお願いしているので真太郎くんまで八百万の神様なんて本を図書室で読み始めた。
クラスが離れて私も真太郎くんもクラスに別のお友達ができて、お互いに知らない時間ができはじめている。
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帰り道、いつものようにルールを守り歩道橋の階段を降りているときにいつもと様子が違う真太郎くんが重く閉ざしていた口を開いた。
「夢子」
「どうしたの?」
「これからは名前でよんでほしいのだよ。」
「名前って…、いつもちゃんと“真太郎くん”って呼んでるわ。」
「っ!そうじゃないのだよ!!俺は夢子の弟じゃない!!」
深刻そうな顔でそう叫んだ彼はそのまま私を抜かして走って行ってしまった。
彼は相変わらず足も速いので追いかけても追いつけないだろう。
__真太郎くんと初めてのけんかっ!
ずっと仲良しだったのに、クラスが変わって一緒に居る時間が短くなり私以外の子と交流を持ったことで彼が変わっていく様にすこしだけのさみしさと彼の成長くを嬉しく思う気持ちがこみ上げてくる。
それでも、もうしばらくは真太郎くんのそばで過ごしたいと思うので家についたらソファのかげで落ち込んでいるだろう彼にかける言葉を探しながら私も家路を急いだ。
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