第1章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ハートの城にお部屋を借りてから、時間帯が六回変わった。あれから王様と人型の白ウサギさんとは顔を合わせたが、もう一人のハートの騎士という人はまったく見かけていない。ほかの騎士の方に聞くとどこかで迷っていてここで会えるのは運次第だと言われた。
__キャラ濃いなー、騎士様っていうから堅物で爽やかで名誉がどうのこうの言うような物語の登場人物を想像していたのに…。たとえばグレイの爽やかバージョン。
他の役持ちの方達もアリスも仕事もあるので、今は与えられたお部屋でこの世界の地図を確認している。このままここに居てもハートの騎士と出会える可能性が低いなら次のところへ動くべきか。まだ『2人目の余所者のゲーム』について詳細が分からないのであんまり悠長に過ごすのは良くないだろう。ナイトメアもビバルディも私のゲームについてはあまり気にしていないようで、それがむしろ怖い。ここでは5M先には死の機会があるので、「ゲームオーバー=死」もあり得る。
「夢子お嬢様、女王陛下がお茶会にご招待しておいでです。」
「はーい!少し支度してもいいですか?」
「はい、もちろん。よろしければ御髪を整えます。」
せっかくなので、ビバルディにもらった赤いレースのワンピースに着替える。なんだかんだ制服が楽なので普段使いしているが、これを着ていると女王様だけでなく王様にも白ウサギさんにも地味といわれた。
#
「ビバルディ、この紅茶とっても美味しい!」
「そうかそうか、おまえは軽いベルガモットが好きなのだね。それが気に入ったのならあとで茶葉を届けさせよう。こちらのスコーンもお食べ。この間はちみつをかけたものをよく食べておっただろう?」
「うん、ありがとうビバルディ!」
お茶会と言えばなにか紅茶に似合う噂話を提供しなくてはいけないものだと思ったが、ビバルディは紅茶にお菓子に夢中な私を笑顔で許してくれる。2時間帯起きにお茶会に呼ばれるので多分許してくれているはず。
「ここには慣れたかえ、夢子。ここに滞在する気になった?」
「すっごく過ごしやすくて居着いちゃいそうだから、そろそろ次の領地に行くね。」
「なんじゃと?ここを気に入ったのならここに居れば良い。そしてわらわの相手をせよ、おまえとのお茶会は実に楽しい時間じゃからのう。」
ビバルディは新しい玩具またはペットがなくなるのは嫌みたいだ。先ほどまでそこに咲いている薔薇にも負けぬ大輪の笑顔を浮かべていたのにいまは眉間にしわをよせて、恐ろしい女王様の顔をしている。けど、こちらにものっぴきならない事情がある。
「はやく、ゲームがなんなのか調べないとタイムオーバーがあったらやだよ。」
「…心配性な子だこと。夢子、そんなに焦らずともここでは時計は進んだり戻ったりする。ゲームの時間切れなど考えても仕方ないことじゃ。」
「それでもやっぱ…」
ガチャン!
なんとか彼女の説得を試みていると部屋に入ろうとした騎士さんと出て行こうとしたメイドさんが盛大にティーセットをぶちまけていた。
__キャラ濃いなー、騎士様っていうから堅物で爽やかで名誉がどうのこうの言うような物語の登場人物を想像していたのに…。たとえばグレイの爽やかバージョン。
他の役持ちの方達もアリスも仕事もあるので、今は与えられたお部屋でこの世界の地図を確認している。このままここに居てもハートの騎士と出会える可能性が低いなら次のところへ動くべきか。まだ『2人目の余所者のゲーム』について詳細が分からないのであんまり悠長に過ごすのは良くないだろう。ナイトメアもビバルディも私のゲームについてはあまり気にしていないようで、それがむしろ怖い。ここでは5M先には死の機会があるので、「ゲームオーバー=死」もあり得る。
「夢子お嬢様、女王陛下がお茶会にご招待しておいでです。」
「はーい!少し支度してもいいですか?」
「はい、もちろん。よろしければ御髪を整えます。」
せっかくなので、ビバルディにもらった赤いレースのワンピースに着替える。なんだかんだ制服が楽なので普段使いしているが、これを着ていると女王様だけでなく王様にも白ウサギさんにも地味といわれた。
#
「ビバルディ、この紅茶とっても美味しい!」
「そうかそうか、おまえは軽いベルガモットが好きなのだね。それが気に入ったのならあとで茶葉を届けさせよう。こちらのスコーンもお食べ。この間はちみつをかけたものをよく食べておっただろう?」
「うん、ありがとうビバルディ!」
お茶会と言えばなにか紅茶に似合う噂話を提供しなくてはいけないものだと思ったが、ビバルディは紅茶にお菓子に夢中な私を笑顔で許してくれる。2時間帯起きにお茶会に呼ばれるので多分許してくれているはず。
「ここには慣れたかえ、夢子。ここに滞在する気になった?」
「すっごく過ごしやすくて居着いちゃいそうだから、そろそろ次の領地に行くね。」
「なんじゃと?ここを気に入ったのならここに居れば良い。そしてわらわの相手をせよ、おまえとのお茶会は実に楽しい時間じゃからのう。」
ビバルディは新しい玩具またはペットがなくなるのは嫌みたいだ。先ほどまでそこに咲いている薔薇にも負けぬ大輪の笑顔を浮かべていたのにいまは眉間にしわをよせて、恐ろしい女王様の顔をしている。けど、こちらにものっぴきならない事情がある。
「はやく、ゲームがなんなのか調べないとタイムオーバーがあったらやだよ。」
「…心配性な子だこと。夢子、そんなに焦らずともここでは時計は進んだり戻ったりする。ゲームの時間切れなど考えても仕方ないことじゃ。」
「それでもやっぱ…」
ガチャン!
なんとか彼女の説得を試みていると部屋に入ろうとした騎士さんと出て行こうとしたメイドさんが盛大にティーセットをぶちまけていた。