裏武闘殺陣
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殺人も罪ならず、主催者である森光蘭が莫大なお金をかけて行う、非合法の武道大会。
――"
烈火は八竜の力を掌握するために、水鏡、風子、土門は己の魔導具の能力を最大限に引き出すために、各々が山に篭って身体を鍛えた。
◯◯も自身が鍛錬場にしている崖の上に立ち、日の出を眺めていた。
ここに来てから3年間、刀を握らなかった日はない。そして愛した人を想わなかった日もなかった。この先は、きっと心を削りながら戦う事になるだろう。
光を取り込んで輝く指輪に視線を落とし、指先でそっと撫でた。
***
「いるいる強そーな奴! 不安だねぇ。死んじゃわないかしらん」
「プロレスラーみてぇのがゴロゴロいんなぁ!」
会場である大きなドーム内では、屈強な選手達で溢れかえっており、風子と土門は浮き立っていた。萎縮しているのは柳ばかりで、烈火も目が爛々としている。
「◯◯、あまり離れるなよ」
水鏡に注意されて◯◯が顔を上げると、ほとんどの人がこちらを見ていた事に遅れながら気付いた。
だが周囲と視線を合わせると顔を思い切り背けられてしまうので、ますます訳が分からず風子に視線を移せば、風子はやれやれと肩をすくめて私の手を引いた。
「ほらほら、あんまり周りを見ないの。よからぬ考えを起こす野郎が増えるだけだから」
受付にたどり着いた烈火は、さっそく選手登録の手続きをした。チーム名[
「キシシ……あなたが紅麗様の言っていた花菱烈火様ですね。ようこそお越し下さいました。ここで大まかな説明をさせて頂きます。チーム全敗の時はペナルティとして、
「なにい!?」
「何をそんなに驚かれる。別に人間を賭ける事はこの大会では珍しくありませんよ」
「ダメだ! 姫は賭けねぇよ!」
「これはもう決定事項です。元より治癒の少女が欲しいがため、あなた方を招待したのですから」
何を今更、とでも言うように嘲りの笑みを浮かべる男に、烈火は胸ぐらを掴もうと身を乗り出したが、◯◯が烈火の服を引いて前に出た。
『父が相変わらずのようで安心しました。ぜひ3年ぶりに面会したいと伝えて下さい』
突如介入してきた美女に、支配人やその関係者は思わず息を呑む。
「ええと……父とは? あなたは一体……」
◯◯は火影の選手名を記入する用紙に目を移すと、手早く自分の名前を書いて手渡した。
その名前を見た男はあからさまに動揺し、他の関係者も集まり騒然となる。
顔を知らなくても◯◯という名前がどのような人物であるのかは把握しているようだった。
烈火を押しのけた水鏡が◯◯の肩を掴む。
「◯◯! 勝手なことを!」
『少し挨拶してくるだけだよ。ここにいる限りどうせバレるのだし、早い方がいいでしょう?』
「それで◯◯は平気なのか? 会いたくなかった奴だろ?」
『大丈夫。私にはもう、みんながいるもの』
無線で連絡をとっていた支配人は、先程の態度とは打って変わり深々と頭を下げ、奥の通路から入るよう道を開けた。
不安な顔をしている皆に手を振ってから、◯◯は案内人と共に暗い廊下へ消えた。