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白衣と眼鏡と落ちこぼれ教師

レストランからコテージに帰ってきた俺達は、一旦休憩を取ろうという中河の提案で、コテージで休むことにした。

中河を含む四人は、早速ソファーに座ってテレビを見始める。
同じ空間に居ると、どうしても中河とのことが頭を掠めてしまい、俺は逃げるように2階ベッドルームに向かった。

部屋の扉を開けると、目に飛び込んできたのは二組のベッド。

中河と相部屋になることを自分で選んだというのに、すっかり忘れてしまっていた。

布団にうつ伏せでダイブすると、ぐるぐると色々な感情が頭の中を回る。


……あの時、好きだと言わなければ良かったのか。

……いや、言わなかったからどうなるっていうんだよ。結局俺が中河のことを好き、って事実は変わらないじゃねぇか。

あの時、俺が好きだと伝えた時、俺が欲しいのは“教師として”とか“生徒として”とか、そんな言葉じゃねぇだろ、って言ったのは中河自身で。

なら何故、今中河はそれを覆すような発言をするのか……。

疲れで回らない頭を無理矢理に回転させれば、辿り着くのはいつも悪い方向ばかりだ。

——その場しのぎだった……?

——教師として俺をあしらっただけ、とか?

そんなはずはない、と思う。いや、思いたいのか。でも、今まで見てきた中河の弱々しくも本音をさらけ出していた姿が、嘘だとは到底思えなくて。

思えないからこそ、今日起きた事は全て不可解で。

出口のない考えに頭を悩ませていると、疲れも相まって瞼が重たくなってくる。

しばらくは起きようとしていた俺だったが、すぐに眠りの底に落ちていった—————。



「……から、……なくて、……って……いすけに……」

ぼんやりとした意識の中に、人の話す声が入ってきて、段々と目が覚めていく。

どうやら隣の三人部屋の寝室に誰かが居て、話しているようだ。

一つ大きく伸びをすると、ベッドの上で上半身を起こした。

部屋の窓の外は薄暗くなっていて、少しだけ仮眠を取るつもりが、長い時間寝てしまっていたみたいだ。
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