白衣と眼鏡と落ちこぼれ教師
「なに泣かしてんだよ、金剛……」
半ば呆れたような、面倒臭そうな、中河の顔。
原田はひっくひっくと泣いたままだ。
この状況に泣けてくる。
「泣かした訳じゃねえよ。」
「まあまあ、取りあえず中入れ。どっちにしろ、金剛は俺に用だろ?」
当たっていたのでこくん、と頭を縦に振る。
今更中河と話す内容を思い出して、緊張してくる。
でもこの緊張もぐずぐず言ってる原田に削がれてしまう。
中河は扉を開き、原田の二の腕を掴んで俺がいつも勉強する時に座っていた椅子に座らせた。……なんか嫌だ…。
俺は部屋の隅から適当な椅子を取ってきて座る。
中河も自分の椅子に腰を下ろす。
「で?原田お前何で泣いてるんだ?」
「…いやっ、俺が悪くてっ…圭介に、酷いことしたからっ……!!」
……こいつ馬鹿なのか?
話になっていない原田にハァ、と溜め息を吐く。こんなはずじゃなかったのに。中河と、ちゃんと話すって目的があって来たのに……。
「取り合えず泣き止め。…お前、写真部の奴に知り合い多いな。」
中河が俺の顔を見て笑う。苦笑いって感じだったけど、今日初めてまともに顔が見れて嬉しい。
「知らねえよ。たまたま。てかこいつは知り合いでもなんでもねえし。」
子供っぽいな、と自分でも思いながらも口が止まらない。
「……っごめん…圭介…でも俺、またお前と友達になりたっ」
「だからこっちはそんな気ねえって言ってるだろうが。」
「……うんっ、でもっ」
こいつぐずぐず言ってるくせに絶対引かないって、タチ悪いな……。こっちが友達になりたくねえっつってんだから、大人しく下がれよ…
「おいおい。今日は取りあえず泣き止んだら帰れよ原田。こいつ頑固だから言ったら聞かねえって。」
中河が見かねて原田に言う。
……誰が頑固だ。
「……わかりました…」
全然納得してません、と言いたげな原田の顔を殴りたくなる。
「ていうか、中河先生と圭介ってどういう知り合いですか?」
泣き止んだ原田は気を取り直して疑問をぶつけている。さっさと空気読んで帰れよ……。
「物理の特別補習、みてやってたんだ。」
中河は少し目尻の垂れた柔らかい表情をしている。声色も心なしか優しい。……やっぱ担当している部活の生徒だから可愛いんだろうか、とちょっと原田に妬けてくる。
こいつって色んな意味でむかつくなあと思った。
半ば呆れたような、面倒臭そうな、中河の顔。
原田はひっくひっくと泣いたままだ。
この状況に泣けてくる。
「泣かした訳じゃねえよ。」
「まあまあ、取りあえず中入れ。どっちにしろ、金剛は俺に用だろ?」
当たっていたのでこくん、と頭を縦に振る。
今更中河と話す内容を思い出して、緊張してくる。
でもこの緊張もぐずぐず言ってる原田に削がれてしまう。
中河は扉を開き、原田の二の腕を掴んで俺がいつも勉強する時に座っていた椅子に座らせた。……なんか嫌だ…。
俺は部屋の隅から適当な椅子を取ってきて座る。
中河も自分の椅子に腰を下ろす。
「で?原田お前何で泣いてるんだ?」
「…いやっ、俺が悪くてっ…圭介に、酷いことしたからっ……!!」
……こいつ馬鹿なのか?
話になっていない原田にハァ、と溜め息を吐く。こんなはずじゃなかったのに。中河と、ちゃんと話すって目的があって来たのに……。
「取り合えず泣き止め。…お前、写真部の奴に知り合い多いな。」
中河が俺の顔を見て笑う。苦笑いって感じだったけど、今日初めてまともに顔が見れて嬉しい。
「知らねえよ。たまたま。てかこいつは知り合いでもなんでもねえし。」
子供っぽいな、と自分でも思いながらも口が止まらない。
「……っごめん…圭介…でも俺、またお前と友達になりたっ」
「だからこっちはそんな気ねえって言ってるだろうが。」
「……うんっ、でもっ」
こいつぐずぐず言ってるくせに絶対引かないって、タチ悪いな……。こっちが友達になりたくねえっつってんだから、大人しく下がれよ…
「おいおい。今日は取りあえず泣き止んだら帰れよ原田。こいつ頑固だから言ったら聞かねえって。」
中河が見かねて原田に言う。
……誰が頑固だ。
「……わかりました…」
全然納得してません、と言いたげな原田の顔を殴りたくなる。
「ていうか、中河先生と圭介ってどういう知り合いですか?」
泣き止んだ原田は気を取り直して疑問をぶつけている。さっさと空気読んで帰れよ……。
「物理の特別補習、みてやってたんだ。」
中河は少し目尻の垂れた柔らかい表情をしている。声色も心なしか優しい。……やっぱ担当している部活の生徒だから可愛いんだろうか、とちょっと原田に妬けてくる。
こいつって色んな意味でむかつくなあと思った。