女神転生
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「ちょっと! あんたどこから来たのよ」
「え、わ、分かんないです」
真っ白い病院の中。私は悪魔に話しかけられている。見たことがない姿をしているけど、きっと悪魔。ちいさくて、可憐で、なんていうんだっけ。......そう、絵本にでてくるような妖精の姿だ。
「迷子なわけ?」
「いや、気づいたらここにいた...んですよ」
「曖昧ねぇ。歪んだ拍子に紛れちゃったのかしらね。あなた、ここの世界の匂いじゃないわ」
「わかります...?」
純粋な悪魔はそういうこともわかるんだ。でもかなり近くで匂ってくるから、微妙な差なんだろう。
「う〜ん...同類な感じもする。あなた悪魔なの?」
「いや...多分、人間ですけど、
悪魔...? 半分悪魔なんだと、思います」
「そこも曖昧なわけー? はっきりしないわね」
「私もよくわかってなくて」
それでも納得してくれたのか
私の周囲を鱗粉を散らしながら飛ぶ。
「で、どうするのよ」
「とりあえず、ここから出たいと思ってますが...」
「それは無理ね! フォルネウスが邪魔してるもの」
肩にちょこんと座って話す悪魔......いや、彼女。他の悪魔も、そのフォルネウスって悪魔が邪魔して出られないんだろう。他にも、人とか...いるのかな。
悶々と考えつつ、この部屋唯一の扉を見た途端横にスライドする。反射的にベッドから降り、腕だけ変身して構えた。暗い中、ぼんやりと光る青緑色の線。
それは、上半身裸の青年から発せられていた。
「子供...?」
「...」
彼も私を敵と思ったのか、拳を構えたので慌てて変身を解いて弁解を求めた。
「待って。まさか人がいるなんて思わなくって、ごめんなさい。刃物なんて向けて...。えぇと」
「人ー? あれ人なの?」
妖精が髪からぴょこりと顔を出した。ふわりと飛び立ち、青年の正面で止まると、青年は手を下ろしてじっとそれを見つめる。
「......」
「あんたもここから出たいの?」
疑問に対し、こくりとうなづく青年。
「じゃあ、この子と私が仲間になって
あげるから、あいつらと戦ってみよー!」
「あいつら...?」
妖精が私の背後を指さすと同時に、気配を感じる。振り向けば丸い目を光らせる悪魔。再び腕だけ変身し、その悪魔へ向ける。青年は私の横に並び、妖精もその隣へ。理由はわからないけど、なんだか懐かしい気がした。
「ふーん。2人とも結構やるじゃん」
少し怪我を負ったものの、無事勝利。
悪魔に変身できる私はともかく、悪魔に殴りかかってなおかつそれなりのダメージを与えているこの青年はいったい何者なんだ。
「じゃ、ヨヨギ公園までよろしく〜」
利用価値があると判明したからか、先程よりも機嫌良さそうに飛ぶこの妖精...ピクシーというそうだがヨヨギ公園に行きたいらしい。とりあえずの目標だろうか。
青年も了承し、この部屋から出ようとした。
あれ?私は...どうしよう。
ふと悩み、立ち止まる。出ても何かしたい訳では無いし...でも、立ち止まったって何も得られない。
「どうしたの?」
ピクシーが私の顔を覗く。少年も、扉の前でそれを待っている。心配していると、自惚れてもいいんだろうか。
「ううん。なんでもないよ」
そう答えて青年についていく。
部屋の外はただ暗い院内が不気味に広がる。
それにしても...青年のタトゥーのようなこれは何故光っているんだろう。恐らく、全身にあるんだろうその模様は辺りをほんのり照らす。
「ねぇ」
「?」
振り向く青年に名前は?、と問いかける。互いのことをなにも知らないまま行動を共にするのは不便だなと考えたからだ。薄い唇がぎこちなく動く。
「...ななし」
「ななしくん、ね。私は名無し。宜しくね」
青年、ななしくんは頷いた。
「え、わ、分かんないです」
真っ白い病院の中。私は悪魔に話しかけられている。見たことがない姿をしているけど、きっと悪魔。ちいさくて、可憐で、なんていうんだっけ。......そう、絵本にでてくるような妖精の姿だ。
「迷子なわけ?」
「いや、気づいたらここにいた...んですよ」
「曖昧ねぇ。歪んだ拍子に紛れちゃったのかしらね。あなた、ここの世界の匂いじゃないわ」
「わかります...?」
純粋な悪魔はそういうこともわかるんだ。でもかなり近くで匂ってくるから、微妙な差なんだろう。
「う〜ん...同類な感じもする。あなた悪魔なの?」
「いや...多分、人間ですけど、
悪魔...? 半分悪魔なんだと、思います」
「そこも曖昧なわけー? はっきりしないわね」
「私もよくわかってなくて」
それでも納得してくれたのか
私の周囲を鱗粉を散らしながら飛ぶ。
「で、どうするのよ」
「とりあえず、ここから出たいと思ってますが...」
「それは無理ね! フォルネウスが邪魔してるもの」
肩にちょこんと座って話す悪魔......いや、彼女。他の悪魔も、そのフォルネウスって悪魔が邪魔して出られないんだろう。他にも、人とか...いるのかな。
悶々と考えつつ、この部屋唯一の扉を見た途端横にスライドする。反射的にベッドから降り、腕だけ変身して構えた。暗い中、ぼんやりと光る青緑色の線。
それは、上半身裸の青年から発せられていた。
「子供...?」
「...」
彼も私を敵と思ったのか、拳を構えたので慌てて変身を解いて弁解を求めた。
「待って。まさか人がいるなんて思わなくって、ごめんなさい。刃物なんて向けて...。えぇと」
「人ー? あれ人なの?」
妖精が髪からぴょこりと顔を出した。ふわりと飛び立ち、青年の正面で止まると、青年は手を下ろしてじっとそれを見つめる。
「......」
「あんたもここから出たいの?」
疑問に対し、こくりとうなづく青年。
「じゃあ、この子と私が仲間になって
あげるから、あいつらと戦ってみよー!」
「あいつら...?」
妖精が私の背後を指さすと同時に、気配を感じる。振り向けば丸い目を光らせる悪魔。再び腕だけ変身し、その悪魔へ向ける。青年は私の横に並び、妖精もその隣へ。理由はわからないけど、なんだか懐かしい気がした。
「ふーん。2人とも結構やるじゃん」
少し怪我を負ったものの、無事勝利。
悪魔に変身できる私はともかく、悪魔に殴りかかってなおかつそれなりのダメージを与えているこの青年はいったい何者なんだ。
「じゃ、ヨヨギ公園までよろしく〜」
利用価値があると判明したからか、先程よりも機嫌良さそうに飛ぶこの妖精...ピクシーというそうだがヨヨギ公園に行きたいらしい。とりあえずの目標だろうか。
青年も了承し、この部屋から出ようとした。
あれ?私は...どうしよう。
ふと悩み、立ち止まる。出ても何かしたい訳では無いし...でも、立ち止まったって何も得られない。
「どうしたの?」
ピクシーが私の顔を覗く。少年も、扉の前でそれを待っている。心配していると、自惚れてもいいんだろうか。
「ううん。なんでもないよ」
そう答えて青年についていく。
部屋の外はただ暗い院内が不気味に広がる。
それにしても...青年のタトゥーのようなこれは何故光っているんだろう。恐らく、全身にあるんだろうその模様は辺りをほんのり照らす。
「ねぇ」
「?」
振り向く青年に名前は?、と問いかける。互いのことをなにも知らないまま行動を共にするのは不便だなと考えたからだ。薄い唇がぎこちなく動く。
「...ななし」
「ななしくん、ね。私は名無し。宜しくね」
青年、ななしくんは頷いた。
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