女神転生
name change
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誰かに抱き締められる。視界は緑一色で、その体はどこか震えていた。強まる腕の力に苦しくなりその体を押せば顔が見える。私の記憶より遥かに成長していて、なおかつ雰囲気が違うけれど紛れもない、この男の子は
「ナナシ」
名前を言っただけなのに、とびっきりの満面の笑みで何度も何度もうなづくナナシ。私もつい微笑んでしまう。立ち上がり、それでも少し小さめな義弟を見下ろした。
ところで何故私は生きているの? と口に出そうとした瞬間に、景色が可笑しい事に気づく。辺り一面、まるで全てが宇宙のようなのだ。戸惑う私の服の裾をナナシが掴む。
「名無し義姉 さん」
長いこと聞いていなかった声はどこか生気がない。目も、よく見れば虚ろだ。あの爽やかにはにかむ彼は何処へ? 不安が膨れていく。
「大丈夫。義姉さんを傷つける悪魔も人間も、もういないから。俺たち2人でこの世界を作ろう?」
優しい声音で私に問いかけ、手を取るナナシはにたりと唇を三日月型に歪めた。
私は悟る。
彼はもう、私が生きていた頃の義弟ではない。
これははじまりなのだ。彼が壊してしまった全ての新たなはじまり。後戻りなんてできない、今更知ったって遅すぎる。
「ごめん」
か細く、きっと聞こえていないであろう言葉を真っ直ぐな義弟に捧ぐと同時に抱き締めた。
「いい加減受け止めろ」
ナナシの背後、玉座だろう物の隣に立つ悪魔が冷たく言い放つ。その反対側には人。こちらを見つめているが、彼も正常ではないんだろう。
「...わかってますよ」
「お前は女神として選ばれたのだ。小僧の希望通りそのままだが、歯向かえばどうなるかはお前が一番よく知っているはずだ」
悪魔の言葉に眉間の皺が寄る。こいつのおかげで私は生き返り、ナナシの女神として付き添う結果になっているんだろう。具体的に何をさせられるのかは流石に読み取れないが、洗脳もどきをされなくて済んだことに対しナナシに感謝しなくては。
「ナナシ」
「なに?」
「...こんな事態になって言うことじゃないけど、ありがとう」
頭を撫でて笑いかけようと思ったが、苦笑いになってしまった。けれど、嬉しそうににこりと笑い返すナナシ。
どうか、どうかその笑顔だけは無くさないで。
ーーーー
ダグザに姉を生き返らせて貰うことを条件に皆殺し√を選んだナナシくんという妄想。
「ナナシ」
名前を言っただけなのに、とびっきりの満面の笑みで何度も何度もうなづくナナシ。私もつい微笑んでしまう。立ち上がり、それでも少し小さめな義弟を見下ろした。
ところで何故私は生きているの? と口に出そうとした瞬間に、景色が可笑しい事に気づく。辺り一面、まるで全てが宇宙のようなのだ。戸惑う私の服の裾をナナシが掴む。
「名無し
長いこと聞いていなかった声はどこか生気がない。目も、よく見れば虚ろだ。あの爽やかにはにかむ彼は何処へ? 不安が膨れていく。
「大丈夫。義姉さんを傷つける悪魔も人間も、もういないから。俺たち2人でこの世界を作ろう?」
優しい声音で私に問いかけ、手を取るナナシはにたりと唇を三日月型に歪めた。
私は悟る。
彼はもう、私が生きていた頃の義弟ではない。
これははじまりなのだ。彼が壊してしまった全ての新たなはじまり。後戻りなんてできない、今更知ったって遅すぎる。
「ごめん」
か細く、きっと聞こえていないであろう言葉を真っ直ぐな義弟に捧ぐと同時に抱き締めた。
「いい加減受け止めろ」
ナナシの背後、玉座だろう物の隣に立つ悪魔が冷たく言い放つ。その反対側には人。こちらを見つめているが、彼も正常ではないんだろう。
「...わかってますよ」
「お前は女神として選ばれたのだ。小僧の希望通りそのままだが、歯向かえばどうなるかはお前が一番よく知っているはずだ」
悪魔の言葉に眉間の皺が寄る。こいつのおかげで私は生き返り、ナナシの女神として付き添う結果になっているんだろう。具体的に何をさせられるのかは流石に読み取れないが、洗脳もどきをされなくて済んだことに対しナナシに感謝しなくては。
「ナナシ」
「なに?」
「...こんな事態になって言うことじゃないけど、ありがとう」
頭を撫でて笑いかけようと思ったが、苦笑いになってしまった。けれど、嬉しそうににこりと笑い返すナナシ。
どうか、どうかその笑顔だけは無くさないで。
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ダグザに姉を生き返らせて貰うことを条件に皆殺し√を選んだナナシくんという妄想。
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