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「ウイスさん、何を読んでいるんですか?」
ビルスが再び眠りにつき、漸く一息がつける午後の時間。
熱心に本を読みふけり、時折メモのようなものを取っているウイスに夢主が話しかける。
「ブルマさんに頂いた本ですよ。図鑑、というものです。」
「図鑑?」
ウイスの手元を夢主が不思議そうに覗き込む。
その図鑑には、動物の骨格が載っていた。
しかし、ただの骨格標本では無く、肉も付いているが透明で骨は蛍光色に染色されている。薄気味悪いが、何処か不思議な魅力を持つものだった。
「へぇ、芸術的で綺麗ですね。」
「…あなたもそう思いますか?…私もです。」
夢主を愛おしそうに眺め、恍惚とした表情で図鑑に視線を落とす。
(もうすぐ、これとは比べものにならないくらい、綺麗なものが手に入る…。)
ウイスと夢主は恋人同士である。
しかし、ウイスの愛は手に入れるだけに留まらなかった。日に日に深くなる愛情は形を変え、歪みを大きくしながら膨らみ続けた。
遂には 『彼女を自分の手元に置き、永久に飾りつけておきたい』という願望を生むまでに。
ただ飾るだけでは勿体ない。もっと、一度見ると目が離せなくなるくらい神秘的な…。
そう日々考え込んでいたウイスはある日突然、それと出会った。
「ブルマさん。これは何と言うものですか?」
「あぁ、それは透明骨格標本よ。言っておくけど、食べ物じゃないわよ?骨格標本の一種で、特殊な溶液に漬けて筋肉を透明にして骨を染色する手法よ。」
「透明…骨格標本…。」
アルシアンブルーとアリザリンレッドに彩られているカエルを瓶の上から親指でなぞる。
「…美しいですね…。」
ほぅっとため息をつき、うっとりと見惚れているウイスだったが、その瞳は目の前の標本を通して別のものを見ていた。
(…これが、夢主さんの標本だったら…。)
ウイスの背中に高揚に似たゾクゾクとした感覚が走り抜ける。
「ブルマさん。宜しければ、これの作り方が書いてある本と、作るのに必要な溶液をお譲りいただきたいのですが。」
「え…?え、えぇ。いいわよ。」
いつになく真剣な声のトーンにブルマがたじろぐ。その目が手元の標本から外れる事は最後まで無かった。
興味深そうに図鑑を凝視している夢主をねめるように観察する。
(首から下だけ染色して、顔や髪はそのままに、…臓器は取り出してコレクション。心臓は…食べてしまうのも良いかもしれませんね…。)
溢れる笑みを隠しもせず、夢主の髪を一房掬い上げ口付けた。
「……今度、作ってみようと思っていましてね。…とびきり綺麗なものを…。」
瞳の奥の狂気を消し去り、「きっと、あなたも気に入りますよ。」と、紳士的な笑顔で微笑んだ。
ビルスが再び眠りにつき、漸く一息がつける午後の時間。
熱心に本を読みふけり、時折メモのようなものを取っているウイスに夢主が話しかける。
「ブルマさんに頂いた本ですよ。図鑑、というものです。」
「図鑑?」
ウイスの手元を夢主が不思議そうに覗き込む。
その図鑑には、動物の骨格が載っていた。
しかし、ただの骨格標本では無く、肉も付いているが透明で骨は蛍光色に染色されている。薄気味悪いが、何処か不思議な魅力を持つものだった。
「へぇ、芸術的で綺麗ですね。」
「…あなたもそう思いますか?…私もです。」
夢主を愛おしそうに眺め、恍惚とした表情で図鑑に視線を落とす。
(もうすぐ、これとは比べものにならないくらい、綺麗なものが手に入る…。)
ウイスと夢主は恋人同士である。
しかし、ウイスの愛は手に入れるだけに留まらなかった。日に日に深くなる愛情は形を変え、歪みを大きくしながら膨らみ続けた。
遂には 『彼女を自分の手元に置き、永久に飾りつけておきたい』という願望を生むまでに。
ただ飾るだけでは勿体ない。もっと、一度見ると目が離せなくなるくらい神秘的な…。
そう日々考え込んでいたウイスはある日突然、それと出会った。
「ブルマさん。これは何と言うものですか?」
「あぁ、それは透明骨格標本よ。言っておくけど、食べ物じゃないわよ?骨格標本の一種で、特殊な溶液に漬けて筋肉を透明にして骨を染色する手法よ。」
「透明…骨格標本…。」
アルシアンブルーとアリザリンレッドに彩られているカエルを瓶の上から親指でなぞる。
「…美しいですね…。」
ほぅっとため息をつき、うっとりと見惚れているウイスだったが、その瞳は目の前の標本を通して別のものを見ていた。
(…これが、夢主さんの標本だったら…。)
ウイスの背中に高揚に似たゾクゾクとした感覚が走り抜ける。
「ブルマさん。宜しければ、これの作り方が書いてある本と、作るのに必要な溶液をお譲りいただきたいのですが。」
「え…?え、えぇ。いいわよ。」
いつになく真剣な声のトーンにブルマがたじろぐ。その目が手元の標本から外れる事は最後まで無かった。
興味深そうに図鑑を凝視している夢主をねめるように観察する。
(首から下だけ染色して、顔や髪はそのままに、…臓器は取り出してコレクション。心臓は…食べてしまうのも良いかもしれませんね…。)
溢れる笑みを隠しもせず、夢主の髪を一房掬い上げ口付けた。
「……今度、作ってみようと思っていましてね。…とびきり綺麗なものを…。」
瞳の奥の狂気を消し去り、「きっと、あなたも気に入りますよ。」と、紳士的な笑顔で微笑んだ。
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