大神官様夢
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全王様がお休みになられて、私も大神官様も束の間の休息を取る。
滅多に訪れない2人だけの時間に私はついつい浮かれてしまう。
お茶を入れて戻ると、大神官様は本を読んでいる最中だった。
「何を読んでらっしゃるんですか?」
「恋愛小説、というものです。第1宇宙での流行だと、アワモさんに頂きました。」
目で文字を追いながら答える。
ページをめくる音だけが響く心地のいい時間。不思議と大神官様の纏う空気が穏やかなものに感じられた。
そんな空気に背を押され、私はずっと気になっていたが、聞くに聞けなかった質問を大神官様にぶつけた。
「あの、どうして私を大神官様の補佐官に任命してくださったんですか?」
緊張の面持ちで返事を待っていると、大神官様は本から目を離すこともなく言った。
「夢主さんが私に好意を抱いてるからです。」
一瞬、時が止まったかと思った。
停止した思考を何とか活動させとぼける。
「な、何のことですか?」
「自分に好意を寄せている者ほど、扱いやすい者はおりません。」
と、こともなげに言い放った。
心の中で反芻し、意味を理解するとジクジクと胸が痛んでくる。
最初から分かっていた事だ。大神官様は全てのガイド天使さん達のお父上様で、私の気持ちを推し量る事など容易いだろう。
それでも、側にいる事を許したのは私が扱いやすいからであって、そこに特別な意味など無い事も。
そうだとしても、それでも…
「…好きなんだからしょうがないじゃないですか…。」
思わず漏れた呟きに、大神官様が少しだけ目を見開いて私の顔を凝視する。
しかし、すぐに目線を手元の本に戻した。
「………50点ですね。出直してきてください。」
にべもなく告げられた言葉に私はがっくりと肩を落とした。
***
静かな部屋にはページをめくる音だけが響いている。
落ち込んでいる夢主を大神官は気づかれないように少しだけ盗み見た。
(50点は、私にしてはそれなりの高得点なのですよ。)
手元の物語はいよいよ終盤。
主人公の積年の片想いが身を結び、王子の心が動いて感動のラストシーンを迎える。
(言いませんがね。)
最後の1行まで読み終え本を閉じ、「あなたも読んでみては?」と差し出した。
滅多に訪れない2人だけの時間に私はついつい浮かれてしまう。
お茶を入れて戻ると、大神官様は本を読んでいる最中だった。
「何を読んでらっしゃるんですか?」
「恋愛小説、というものです。第1宇宙での流行だと、アワモさんに頂きました。」
目で文字を追いながら答える。
ページをめくる音だけが響く心地のいい時間。不思議と大神官様の纏う空気が穏やかなものに感じられた。
そんな空気に背を押され、私はずっと気になっていたが、聞くに聞けなかった質問を大神官様にぶつけた。
「あの、どうして私を大神官様の補佐官に任命してくださったんですか?」
緊張の面持ちで返事を待っていると、大神官様は本から目を離すこともなく言った。
「夢主さんが私に好意を抱いてるからです。」
一瞬、時が止まったかと思った。
停止した思考を何とか活動させとぼける。
「な、何のことですか?」
「自分に好意を寄せている者ほど、扱いやすい者はおりません。」
と、こともなげに言い放った。
心の中で反芻し、意味を理解するとジクジクと胸が痛んでくる。
最初から分かっていた事だ。大神官様は全てのガイド天使さん達のお父上様で、私の気持ちを推し量る事など容易いだろう。
それでも、側にいる事を許したのは私が扱いやすいからであって、そこに特別な意味など無い事も。
そうだとしても、それでも…
「…好きなんだからしょうがないじゃないですか…。」
思わず漏れた呟きに、大神官様が少しだけ目を見開いて私の顔を凝視する。
しかし、すぐに目線を手元の本に戻した。
「………50点ですね。出直してきてください。」
にべもなく告げられた言葉に私はがっくりと肩を落とした。
***
静かな部屋にはページをめくる音だけが響いている。
落ち込んでいる夢主を大神官は気づかれないように少しだけ盗み見た。
(50点は、私にしてはそれなりの高得点なのですよ。)
手元の物語はいよいよ終盤。
主人公の積年の片想いが身を結び、王子の心が動いて感動のラストシーンを迎える。
(言いませんがね。)
最後の1行まで読み終え本を閉じ、「あなたも読んでみては?」と差し出した。