皆さんこんにちは。私は夢主と申します。
平凡な家庭に生まれて、平凡な学校に通ってごく普通に人生を生きて来た私ですが、本日とんでもない事が起こりました。
それは、

「今日からお前はボクの使用人になってもらう。舞空術とか分からない事はウイスに聞け。」

………破壊神に拉致られました。

ちょっと待って。何がどうしてこうなった。カプセルコーポレーションに見学に行っただけなのに何故こんな事になったんだ…！？
ふわぁ〜と欠伸をしながら、ことも投げに放たれた言葉に愕然とする。あ、やばい…思考が停止しそう。

「私が付き人のウイスです。今日からよろしくお願いしますね。」

得体の知れない妙な力で私をここに連れてきた長身の人がにっこりと挨拶する。
使用人！？冗談じゃない！私は家に帰ります！！

「……はい…。よろしくお願いします…。」

…なんていう言葉は命惜しさに飲み込んだ…。
何故ならここにたどり着く途中に破壊神の力を目の当たりにしてしまったのだ。指パッチン１つで知らない惑星が爆発する光景を。
少しでも機嫌を損ねるような事があれば私なんか即あの世行きだ。
何とかして地球に帰れるように算段を立てなければ…。

「それじゃ、ボクは3ヶ月程眠るから」

3ヶ月！？
………その間に帰っていいだろうか……。

「お、お休みなさい…。」

スタスタと歩いて行く破壊神様の背中を見送りながら私はため息を堪えられなかった。
すると、破壊神様が「あ、そうそう」と何かを思い出した様に振り返り、

「君が年を取らないように寿命を数億年に引き伸ばしたから。喜んでいいよ。」

破壊神様から投下された爆弾発言に私の思考は今度こそ停止した。