日常
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「あの…こういう事ってよくあるんですか…?」
「ええ。ビルス様は気まぐれな破壊神ですから。恨みなんてそこかしこに。」
「……さいですか…。」
遠路遥々、ビルス様の出先の惑星に大量の仲間たちを引き連れて勝負を挑んできた人達をビルス様は軽くいなしていく。
ウイスさんはいつものことだと言わんばかりに表情一つ変えずにその光景を眺めていた。
ひょいひょいと躱すビルス様に敵が苛立ち、だんだんと攻撃が範囲の広い大技ばかりになってきた。
ウイスさんが側にいるとはいえ飛び火が来ないか不安だな…。
戦いの衝撃で地面が揺れ、地響きがする。
「うわっ…っとっと…!!痛っ…!」
「大丈夫ですか?」
「あはは…すみません…。」
バランスを崩して尻餅をついてしまった私にウイスさんが手を差し出し起こしてくれた。
「まだまだ崩れそうですからね。私の腕を支えにしてもいいですよ。」
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて。」
ウイスさんの腕に手を添え、再びビルス様の方を見上げると、バチッと目が合う。
「…………。」
「余所見か…!ずいぶん余裕だなァ!破壊神さまよォ!!」
「………ぐ…っ!」
「あ…。」
敵の攻撃がビルス様の顔を捉えた。
「夢主さん、髪に埃が付いていますよ。」
「え?どこですか?」
「動かないで下さい。はい、取れました。」
「ありがとうございます。…あ、ウイスさんも肩の所に砂が…。失礼しますね。」
「あら。おほほ、すみませんね。ありがとうございます。払っていただいて。」
「いえいえ。」
ドゴォッ!
あ、まただ。
気のせいだろうか?何だかさっきからビルス様が押されているような…。
今まで全く当たらなかった敵の攻撃がビルス様に当たり出している。
「…ビルス様…大丈夫でしょうか…?」
「力の差は歴然ですし、大したダメージではありませんから負けることはありません。ただ…。…夢主さん、ちょっと。」
ウイスさん楽しげな表情でちょいちょいと手招きをした。
腰を折り曲げ、口元に手を当てて私に耳打ちをする。
「…こうすると、また…」
バキッ!とすごい音と共にビルス様が吹っ飛ばされ、私とウイスさんが立っているすぐ隣の岩に突っ込んだ。
舞い上がる砂埃からその衝撃の凄さが伺える。
「はっはっは!!なんだ!破壊神も大したことねぇじゃねえか。」
「ウ、ウイスさん…これホントに大丈夫なんですか…!?」
「あらあら。おっほほほほ!」
…なぜウイスさんが敵並に高笑いしているのか理解ができないのですが…。
サイコパスなのか…?前から薄々そうじゃないかと思ってたのだけれども。
瓦礫の山に恐る恐る近づくとガラガラと崩れその中からむくりとビルス様が起き上がる。
「ビ、ビルス様、…大丈夫ですか?」
「…大丈夫ですか、だと……?」
と、ギロリと睨まれほっぺたをつねられた。
「…いひゃひゃッ!び、びゆひゅひゃま…!いひゃいえひゅ…!!」
「…夢主のせいだろ…!!」
えぇぇ…!!や、やつあたりだぁ……!!
ビルス様はほっぺたを摩る私の後ろをジッと睨みつけている。
何だか眩しいなぁ、なんて思いながら見上げると、頭上から光がいくつも降ってくるのが目に入った。
「……!!ひぃっ…!…うぎゃっ!?」
思わず頭を抱えると、突然ビルス様に俵担ぎにされ喉の奥から変な声が出た。
ーービビッ!!と凄い勢いで景色が変化し、あまりのスピードに目が回る。
「図にのるなよ。」
「うガッッ……!!!」
一瞬、そんな声が聞こえたかと思うと次の瞬間にはまた凄い地響きがする。
あ、頭が…!ぐわんぐわんする…!
破壊神の力の片鱗を目の当たりにして様子見する敵を前に、ビルス様が私を抱え直した。
「さて、そろそろ片付けるか。」
嫌な予感が…。
「あの、び、びるすさま…。もしかして、このまま戦うおつもりですか…?」
「そうだけど?」
なんで"それがなにか?"みたいな顔をしているんだこの方は……!!
「…あの…!お邪魔になると思うので私は下に…!」
「問題ないよ。片手で事足りるし、すぐ終わる。ようやく脇目を振らずに破壊できるしね。」
「いえ、そ、そうではなくてですね…」
「ごちゃごちゃ言ってると舌噛むよ。」
再び訪れた遠心力と浮遊感に息を詰める。
さ、流石神の次元…!!せ、世界が……目が…!回る…!!
「うん。いい感じだ。」
ビルス様のコンディションなんか聞いてませんよ…!
一呼吸の合間、ビルス様の呟きに心の中で突っ込みを入れる。
「あ…あの……お…おろ…して…ください……。」
「…やだ。」
虫の息の私の言葉は多少の逡巡があったものの拒否されてしまった。
大人なのに揺さぶられっ子症候群になっちゃうよ…、なんていう心の中の悲鳴は口から出す気力すら無く、ぐでぇと体から力を抜いた。
…もう諦めの意思表示だ…。
「……夢主が下にいると気が散るんだよ。ッチ、ウイスめ…。」
残りの敵は遠距離攻撃を中心としたもので戦って下さったので、マシではあった。
もっとも、あくまで"比較的"の話なので乗り物酔いのような症状が続いてはいるのだが…。
…そう言えば、気が散るってどういう意味なんだろう…。
「お疲れ様でした。本日はすご〜く時間がかかってらっしゃいましたねぇ。…一体、何にそんなに気を取られていたんですか?」
「…………ウイス、お前全部わざとだろ…!!」
「おほほ!!いいえ?何のことやら?」
…ぐったりして、喋る気力を失っている私の耳にそんな会話が届いたような、届かなかったような……。
「ええ。ビルス様は気まぐれな破壊神ですから。恨みなんてそこかしこに。」
「……さいですか…。」
遠路遥々、ビルス様の出先の惑星に大量の仲間たちを引き連れて勝負を挑んできた人達をビルス様は軽くいなしていく。
ウイスさんはいつものことだと言わんばかりに表情一つ変えずにその光景を眺めていた。
ひょいひょいと躱すビルス様に敵が苛立ち、だんだんと攻撃が範囲の広い大技ばかりになってきた。
ウイスさんが側にいるとはいえ飛び火が来ないか不安だな…。
戦いの衝撃で地面が揺れ、地響きがする。
「うわっ…っとっと…!!痛っ…!」
「大丈夫ですか?」
「あはは…すみません…。」
バランスを崩して尻餅をついてしまった私にウイスさんが手を差し出し起こしてくれた。
「まだまだ崩れそうですからね。私の腕を支えにしてもいいですよ。」
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて。」
ウイスさんの腕に手を添え、再びビルス様の方を見上げると、バチッと目が合う。
「…………。」
「余所見か…!ずいぶん余裕だなァ!破壊神さまよォ!!」
「………ぐ…っ!」
「あ…。」
敵の攻撃がビルス様の顔を捉えた。
「夢主さん、髪に埃が付いていますよ。」
「え?どこですか?」
「動かないで下さい。はい、取れました。」
「ありがとうございます。…あ、ウイスさんも肩の所に砂が…。失礼しますね。」
「あら。おほほ、すみませんね。ありがとうございます。払っていただいて。」
「いえいえ。」
ドゴォッ!
あ、まただ。
気のせいだろうか?何だかさっきからビルス様が押されているような…。
今まで全く当たらなかった敵の攻撃がビルス様に当たり出している。
「…ビルス様…大丈夫でしょうか…?」
「力の差は歴然ですし、大したダメージではありませんから負けることはありません。ただ…。…夢主さん、ちょっと。」
ウイスさん楽しげな表情でちょいちょいと手招きをした。
腰を折り曲げ、口元に手を当てて私に耳打ちをする。
「…こうすると、また…」
バキッ!とすごい音と共にビルス様が吹っ飛ばされ、私とウイスさんが立っているすぐ隣の岩に突っ込んだ。
舞い上がる砂埃からその衝撃の凄さが伺える。
「はっはっは!!なんだ!破壊神も大したことねぇじゃねえか。」
「ウ、ウイスさん…これホントに大丈夫なんですか…!?」
「あらあら。おっほほほほ!」
…なぜウイスさんが敵並に高笑いしているのか理解ができないのですが…。
サイコパスなのか…?前から薄々そうじゃないかと思ってたのだけれども。
瓦礫の山に恐る恐る近づくとガラガラと崩れその中からむくりとビルス様が起き上がる。
「ビ、ビルス様、…大丈夫ですか?」
「…大丈夫ですか、だと……?」
と、ギロリと睨まれほっぺたをつねられた。
「…いひゃひゃッ!び、びゆひゅひゃま…!いひゃいえひゅ…!!」
「…夢主のせいだろ…!!」
えぇぇ…!!や、やつあたりだぁ……!!
ビルス様はほっぺたを摩る私の後ろをジッと睨みつけている。
何だか眩しいなぁ、なんて思いながら見上げると、頭上から光がいくつも降ってくるのが目に入った。
「……!!ひぃっ…!…うぎゃっ!?」
思わず頭を抱えると、突然ビルス様に俵担ぎにされ喉の奥から変な声が出た。
ーービビッ!!と凄い勢いで景色が変化し、あまりのスピードに目が回る。
「図にのるなよ。」
「うガッッ……!!!」
一瞬、そんな声が聞こえたかと思うと次の瞬間にはまた凄い地響きがする。
あ、頭が…!ぐわんぐわんする…!
破壊神の力の片鱗を目の当たりにして様子見する敵を前に、ビルス様が私を抱え直した。
「さて、そろそろ片付けるか。」
嫌な予感が…。
「あの、び、びるすさま…。もしかして、このまま戦うおつもりですか…?」
「そうだけど?」
なんで"それがなにか?"みたいな顔をしているんだこの方は……!!
「…あの…!お邪魔になると思うので私は下に…!」
「問題ないよ。片手で事足りるし、すぐ終わる。ようやく脇目を振らずに破壊できるしね。」
「いえ、そ、そうではなくてですね…」
「ごちゃごちゃ言ってると舌噛むよ。」
再び訪れた遠心力と浮遊感に息を詰める。
さ、流石神の次元…!!せ、世界が……目が…!回る…!!
「うん。いい感じだ。」
ビルス様のコンディションなんか聞いてませんよ…!
一呼吸の合間、ビルス様の呟きに心の中で突っ込みを入れる。
「あ…あの……お…おろ…して…ください……。」
「…やだ。」
虫の息の私の言葉は多少の逡巡があったものの拒否されてしまった。
大人なのに揺さぶられっ子症候群になっちゃうよ…、なんていう心の中の悲鳴は口から出す気力すら無く、ぐでぇと体から力を抜いた。
…もう諦めの意思表示だ…。
「……夢主が下にいると気が散るんだよ。ッチ、ウイスめ…。」
残りの敵は遠距離攻撃を中心としたもので戦って下さったので、マシではあった。
もっとも、あくまで"比較的"の話なので乗り物酔いのような症状が続いてはいるのだが…。
…そう言えば、気が散るってどういう意味なんだろう…。
「お疲れ様でした。本日はすご〜く時間がかかってらっしゃいましたねぇ。…一体、何にそんなに気を取られていたんですか?」
「…………ウイス、お前全部わざとだろ…!!」
「おほほ!!いいえ?何のことやら?」
…ぐったりして、喋る気力を失っている私の耳にそんな会話が届いたような、届かなかったような……。