イベント番外
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「盲点だったなぁ…。どうしようか…。」
何となく、ビルス様に似合いそうだという理由で買ってしまったプレゼントに包装が施される間の待ち時間。
"どんな理由で渡すのか"という問題に思い当たり、私は現在頭を悩ませていた。
「なんて言って渡そう…。えーっと……いつも、お世話になっているから…。」
いや、…どちらかと言うとお世話をしているのは私の方か…。
「…サンタクロースになりたくて…とか…?」
どんな理由だ。不思議ちゃんか。
「……道端で…拾いました…。」
って、それじゃあただの置引きだよ…!
しかも、そんなもの人にあげるってどんな神経してるんだ…!
「う〜ん………だめだ…思いつかない…。」
それっぽい理由で、かつ、不審に思われず、その上、自然な流れで、しかも、変な空気にならない様な意味合いを持った……
…うん。ミッションインポッシブルすぎる。
「…って、何でこんな言い訳じみた事考えてるんだろ…。」
「お待たせいたしました。」
そもそもこんなもの買ってしまわなければ良かったんだ…。
お姉さんからプレゼントの入った紙袋を受け取り、お店を出る。
思ったより時間がかかってしまったので、ブルマさんに招待を受けているクリスマスパーティの開始時間はとっくに過ぎていた。
仕方がない…。
このままここで考えていては、パーティに参加しないまま終わってしまいそうなのでとりあえずお店を出て会場に向かう。
今日1日、ブルマさんと行動していた時にはちらちらと降っていただけの雪が今では本降りになっており、所々傘をさしている人もいる。
目的地まであともう少しというところで見覚えのある人影が目に入り、足を止めた。
「やっと来たか夢主。待ちくたびれたぞ。」
「あ、れ?ビルス様?」
どうしてこんな所に。
時間だとクリスマスパーティはもう始まっているはずなのに。
つい、とっさにプレゼントを後ろに隠してしまった。
「すみません。お待たせしてしまったみたいで。」
「いや、別に待ってた訳じゃないけどね。」
「え?でも今、待ちくたびれたって…。」
「……言ったっけ?」
「どうでもいいからさっさと行くぞ。」と歩き出したビルス様の背中には前側と違い、払いきれていない雪が残っていた。
「あの、ビルス様。よければどうぞ。」
自分が巻いていたマフラーを取ってビルス様に差し出す。
受け取ったビルス様は私にグルグルと巻きつけて、「半分でいい。」と、少し残った片方を自分に巻いた。
「ブルマと一緒だったはずじゃなかったか?パーティが始まる時、あいつは会場にいたんだけど。」
「私事の用事が少し長引きそうだったので先に帰っていただいたんです。」
「へぇ…。」
ビルス様が一瞬、私の手元の紙袋に目を落とした気がするのはどうか気のせいであって欲しい…。
「あら、仲良しですね。」
微笑んだウイスさんにビルス様が「うるさい。」と一言返してマフラーを外した。
パーティ会場の広間には悟空さんを始めとしたブルマさんのお友達の方が数多く招かれており、食事を楽しんでいる。
「ミスターサタンにグレートサイヤマンまでいる…。」
さすがブルマさん。交友の幅が広い。
用意されていたテーブルにつくと、次々と料理が運ばれてきた。
どの料理も舌鼓をうつ程美味しい。
クリスマスケーキの苺を頬張ったところで、不意にビルス様が口を開いた。
「………さっきから気になってたんだけど、それ、何を買ったんだ?」
目線で私の脇に置いてある紙袋を指す。
「…こ、これですか…えっと…これは…。」
ゆ、油断していた…!!
どうしよう…!理由なんてまだ考えていないと言うのに…!
…いや、待て。この流れは逆にチャンスなのでは…?
自然な感じで、特に含みを持たせずに軽く…。
「あの、実はこれ。クリスマスなのでビルス様にと。」
「…ボクに?」
「はい。」
「夢主から?」
「はい…。」
「…プレゼント?」
「は、はい…。」
あれ…おかしいな…。
さっきまで自然な感じで軽い流れだったはずなのに、何で今こんなに照れ臭い気分になってるんだ…?
「ほ、ほら!せっかくのクリスマスですから!少し、浮かれてしまって。あ、そうだ、以前頂いたネックレスのお礼もまだでしたし…。だから深い意味とかは別に…」
「ありがとう。」
「え……。あっ、どう、いたしまして…。」
あまりにも…嬉しそうな笑顔を浮かべるものだから、まくし立てていた言い訳がせき止められてしまった。
放心している私を余所に、ビルス様が包みを開けて中身を取り出す。
「これ…。」
「あ、アンクレット、って言う足首につける装飾品なんですけど…。すみません。食べ物じゃなくて…。」
一瞬面食らった後、ビルス様がくつくつと喉を鳴らして笑いだす。
「へぇ〜?これを?ボクにつけろって?」
笑いを噛み殺しながら発する言葉は少し震えている。
それが、怒りからくる笑いなのか識別出来ず、恐る恐る補足を入れた。
「いえ、あの…。気に入らなかったのならつけて頂かなくても…むしろ捨てていただいて…。」
「そうだな。夢主じゃ無かったら地球ごと破壊してる所だ。」
そんなに気に入らなかったの…!?
別に変な柄じゃ無かったと思ったんだけど……。
…クリスマスだからといって浮かれたりするんじゃなかった…。
「す、すみません。やはり捨ててください…。」
肩を震わせて笑っていたビルス様がふぅーっと息を整えた。
「今度、これと同じものを夢主にやる。」
「え?」
「お前がそれを左足につけたら、ボクもこれを身につけてあげるよ。」
謎の条件に首を傾げる。
どう言う意味か尋ねようとしたが、この話は終わりだと言わんばかりにケーキを食べ始めてしまった。
しかし、やがて思い出したように自分のケーキに乗っていた苺を摘んで私に差し出す。
「口、開けろ。とりあえずの礼だ。」
「え!…いいですよ?気を使って頂かなくても…。」
「いいから。」
「あの…では、せめて自分で食べます…。」
「そのまま食べた方が早いじゃない。…それに、これくらいして差し上げなければ、な?」
「さ、差し上げる…!?」
ビ、ビルス様が…私に敬語…??
芝居掛かった口調に臆面し、しばらくどうする事も出来ずに迷っていたが「早く。」と急かされて渋々貰うことにした。
折角のご厚意だし…、と身を寄せて苺に齧り付こうとする。
…が、ヒョイッとかわされて空振りに終わった。
「………っぷ。」
口元に手を当ててビルス様がケラケラと笑っている。
「………えっと…ビルス様?」
「冗談だ。ほら。」
「あ、ありがとうございます…。」
「いえいえ。ゴシュジンサマ。」
「!?こほっ…!!」
盛大にむせてしまった…。
再び愉快そうに笑いだしたビルス様の真理を推し量ろうとしたが叶わずモヤモヤする。
口の中の苺はさっき自分が食べたものよりも何となく甘く感じた。
ーーー
Merry Christmas!!
何となく、ビルス様に似合いそうだという理由で買ってしまったプレゼントに包装が施される間の待ち時間。
"どんな理由で渡すのか"という問題に思い当たり、私は現在頭を悩ませていた。
「なんて言って渡そう…。えーっと……いつも、お世話になっているから…。」
いや、…どちらかと言うとお世話をしているのは私の方か…。
「…サンタクロースになりたくて…とか…?」
どんな理由だ。不思議ちゃんか。
「……道端で…拾いました…。」
って、それじゃあただの置引きだよ…!
しかも、そんなもの人にあげるってどんな神経してるんだ…!
「う〜ん………だめだ…思いつかない…。」
それっぽい理由で、かつ、不審に思われず、その上、自然な流れで、しかも、変な空気にならない様な意味合いを持った……
…うん。ミッションインポッシブルすぎる。
「…って、何でこんな言い訳じみた事考えてるんだろ…。」
「お待たせいたしました。」
そもそもこんなもの買ってしまわなければ良かったんだ…。
お姉さんからプレゼントの入った紙袋を受け取り、お店を出る。
思ったより時間がかかってしまったので、ブルマさんに招待を受けているクリスマスパーティの開始時間はとっくに過ぎていた。
仕方がない…。
このままここで考えていては、パーティに参加しないまま終わってしまいそうなのでとりあえずお店を出て会場に向かう。
今日1日、ブルマさんと行動していた時にはちらちらと降っていただけの雪が今では本降りになっており、所々傘をさしている人もいる。
目的地まであともう少しというところで見覚えのある人影が目に入り、足を止めた。
「やっと来たか夢主。待ちくたびれたぞ。」
「あ、れ?ビルス様?」
どうしてこんな所に。
時間だとクリスマスパーティはもう始まっているはずなのに。
つい、とっさにプレゼントを後ろに隠してしまった。
「すみません。お待たせしてしまったみたいで。」
「いや、別に待ってた訳じゃないけどね。」
「え?でも今、待ちくたびれたって…。」
「……言ったっけ?」
「どうでもいいからさっさと行くぞ。」と歩き出したビルス様の背中には前側と違い、払いきれていない雪が残っていた。
「あの、ビルス様。よければどうぞ。」
自分が巻いていたマフラーを取ってビルス様に差し出す。
受け取ったビルス様は私にグルグルと巻きつけて、「半分でいい。」と、少し残った片方を自分に巻いた。
「ブルマと一緒だったはずじゃなかったか?パーティが始まる時、あいつは会場にいたんだけど。」
「私事の用事が少し長引きそうだったので先に帰っていただいたんです。」
「へぇ…。」
ビルス様が一瞬、私の手元の紙袋に目を落とした気がするのはどうか気のせいであって欲しい…。
「あら、仲良しですね。」
微笑んだウイスさんにビルス様が「うるさい。」と一言返してマフラーを外した。
パーティ会場の広間には悟空さんを始めとしたブルマさんのお友達の方が数多く招かれており、食事を楽しんでいる。
「ミスターサタンにグレートサイヤマンまでいる…。」
さすがブルマさん。交友の幅が広い。
用意されていたテーブルにつくと、次々と料理が運ばれてきた。
どの料理も舌鼓をうつ程美味しい。
クリスマスケーキの苺を頬張ったところで、不意にビルス様が口を開いた。
「………さっきから気になってたんだけど、それ、何を買ったんだ?」
目線で私の脇に置いてある紙袋を指す。
「…こ、これですか…えっと…これは…。」
ゆ、油断していた…!!
どうしよう…!理由なんてまだ考えていないと言うのに…!
…いや、待て。この流れは逆にチャンスなのでは…?
自然な感じで、特に含みを持たせずに軽く…。
「あの、実はこれ。クリスマスなのでビルス様にと。」
「…ボクに?」
「はい。」
「夢主から?」
「はい…。」
「…プレゼント?」
「は、はい…。」
あれ…おかしいな…。
さっきまで自然な感じで軽い流れだったはずなのに、何で今こんなに照れ臭い気分になってるんだ…?
「ほ、ほら!せっかくのクリスマスですから!少し、浮かれてしまって。あ、そうだ、以前頂いたネックレスのお礼もまだでしたし…。だから深い意味とかは別に…」
「ありがとう。」
「え……。あっ、どう、いたしまして…。」
あまりにも…嬉しそうな笑顔を浮かべるものだから、まくし立てていた言い訳がせき止められてしまった。
放心している私を余所に、ビルス様が包みを開けて中身を取り出す。
「これ…。」
「あ、アンクレット、って言う足首につける装飾品なんですけど…。すみません。食べ物じゃなくて…。」
一瞬面食らった後、ビルス様がくつくつと喉を鳴らして笑いだす。
「へぇ〜?これを?ボクにつけろって?」
笑いを噛み殺しながら発する言葉は少し震えている。
それが、怒りからくる笑いなのか識別出来ず、恐る恐る補足を入れた。
「いえ、あの…。気に入らなかったのならつけて頂かなくても…むしろ捨てていただいて…。」
「そうだな。夢主じゃ無かったら地球ごと破壊してる所だ。」
そんなに気に入らなかったの…!?
別に変な柄じゃ無かったと思ったんだけど……。
…クリスマスだからといって浮かれたりするんじゃなかった…。
「す、すみません。やはり捨ててください…。」
肩を震わせて笑っていたビルス様がふぅーっと息を整えた。
「今度、これと同じものを夢主にやる。」
「え?」
「お前がそれを左足につけたら、ボクもこれを身につけてあげるよ。」
謎の条件に首を傾げる。
どう言う意味か尋ねようとしたが、この話は終わりだと言わんばかりにケーキを食べ始めてしまった。
しかし、やがて思い出したように自分のケーキに乗っていた苺を摘んで私に差し出す。
「口、開けろ。とりあえずの礼だ。」
「え!…いいですよ?気を使って頂かなくても…。」
「いいから。」
「あの…では、せめて自分で食べます…。」
「そのまま食べた方が早いじゃない。…それに、これくらいして差し上げなければ、な?」
「さ、差し上げる…!?」
ビ、ビルス様が…私に敬語…??
芝居掛かった口調に臆面し、しばらくどうする事も出来ずに迷っていたが「早く。」と急かされて渋々貰うことにした。
折角のご厚意だし…、と身を寄せて苺に齧り付こうとする。
…が、ヒョイッとかわされて空振りに終わった。
「………っぷ。」
口元に手を当ててビルス様がケラケラと笑っている。
「………えっと…ビルス様?」
「冗談だ。ほら。」
「あ、ありがとうございます…。」
「いえいえ。ゴシュジンサマ。」
「!?こほっ…!!」
盛大にむせてしまった…。
再び愉快そうに笑いだしたビルス様の真理を推し量ろうとしたが叶わずモヤモヤする。
口の中の苺はさっき自分が食べたものよりも何となく甘く感じた。
ーーー
Merry Christmas!!